つづき
レッサーパンダは桃太郎達が眠るのを待っていました。
夜遅くようやく皆寝た頃にレッサーパンダは
ホテルの外に出ていました。
レッサーパンダはクルット回転して、
ポンキチに戻るとリモコンのスイッチをポチリと押しました。
すると一瞬のうちにホテルが消えました。
二階で寝ていた桃太郎達やペンギン警部が
いっせいに落ちて来ました。
警部「うっわー。」
黒ちゃん「えっー落ちるー。」
ドスンドスン
と桃太郎達も落ちて来て、
「痛いー。」
「いててー。」
「うっひゃー。」
と大騒ぎです。
その騒ぎに紛れていつの間にかポンキチは消えていました。
警部「痛たた、ホテルが消えたどういう事だ。」
黒ちゃん「やはりハッシィ達の罠だったのでは?」
警部「やはりアリババと40人の盗賊の世界に
レッサーパンダやウサギのジュース屋なんているはずないか?」
桃太郎「口のひらべったいニワトリも居ましたよ。」
警部「ドッシャー、それはハッシィじゃないか。
聞いただけでもわかるのに、なぜ捕まえないんだ?」
桃太郎「あれがハッシィ、どうりで見た事があった気がぁー。」
桃太郎は恥ずかしそうに言いました。
黒ちゃん「警部大ボケ桃太郎はほっといて、
これからどうしますか?」
警部「我々には秘密兵器があるじゃないか、
黒ちゃんトランクを持って来なさい。」
黒ちゃんがトランクを二つ持って来ました。
それを見て桃太郎が言いました。
桃太郎「秘密兵器って凄いんですか?」
すると自慢するように、
ペンギン警部が胸を張って言いました。
警部「このトランクはあるロボットに変身するんだよ。」
桃太郎「変身するとどうなるんですか?」
警部「中には移動基地になっていて、
中には15人位乗れるんだよ。」
桃太郎「じゃあホテルなんか泊まらなくても、
最初からロボットで移動すれば良かったんじゃあ?」
警部「確かにそうだが、ロボットの中には食堂もあるんだが、
まだ何も食べるものがないんだよ。」
桃太郎「どっしゃー何でなんです。」
警部「食糧のカプセルを忘れて来たんだ。」
黒ちゃん「警部カプセルなら僕持ってます。」
警部「えっそれじゃ最初から秘密兵器で、
ハッシィ達を追い掛ければよかったのかー。」
近くで桃太郎は思いました。
やはりペンギン警部も大ボケだなぁ。
桃太郎が下を向いて笑っていると、
ジロッと警部が桃太郎を見て言いました。
警部「私は君よりましだよ。」
桃太郎「何で僕が思った事がわかるんだぁ。」
警部「私も昔、
腹話術の勉強をして人形を自由に動かしていたからだよ。」
桃太郎「相手の思っている事が解るのと、
腹話術は全然関係無いんじゃー。」
黒ちゃん「警部それはただの人形使いですよ、
それより秘密兵器を動かしていいですか?」
警部「そうだった早くスイッチを入れたまえ。」
つづく
つづき
またまた砂嵐に遭ったハッシィは、
近くの洞穴に急ぎました。
ハッシィ「やっぱりあの宇宙人がいるんだろうなぁ。」
ハッシィが洞穴を進んでいくと、
奥に明かりが見え屋台があります。
ハッシィ「やっぱり何かあるぞ。」
屋台のノレンにはおでんと書いてあります。
中にはやっぱりタコの様な宇宙人が立っていました。
ハッシィが近づいて言いました。
ハッシィ「おでんは美味しいですか?」
ですが屋台の中の宇宙人はピクリとも動きません。
ハッシィ「おかしいなぁ言葉がわからないのかなぁ?」
でもタコの様な宇宙人は何も言いません。
ハッシィ「どうしたんだろう。」
ハッシィがジーと見ると、
屋台の右上に自動販売機と書いてありました。
ハッシィ「どっしゃー自動販売機だって、
あっコインを入れる場所があるぞ。」
ハッシィが銀貨を一枚入れると、
グイーンと機械のモーターの音がしました。
するとさっきまで動かなかった宇宙人が喋り出しました。
宇宙人「はーい私はピピピと申します。
何を差し上げましょう。」
ハッシィ「うっひゃー、じゃあカレーうどんを下さい。」
ピピピ「お客さんここは、おでん屋ですよ大ボケですね。」
ハッシィ「どっひゃー、間違いがわかるんだぁ。」
ピピピ「この大根なんて美味しいですよ?」
ハッシィ「じゃ盛り合わせでお願いします。」
宇宙人は器用に箸でおでんを皿に盛りました。
ハッシィはカラシをぬるといっきに食べました。
ハッシィ「これは旨いですね、お代わりをお願いします。」
ピピピ「はいわかりました。」
ハッシィの前には美味しそうな、
おでんが出て来ました。
ハッシィが食べ終わると、宇宙人が言いました。
ピピピ「この屋台自動販売機は
お腹がいっぱいになると終了ですが?」
ハッシィ「すると銀貨一枚で食べ放題ですか?」
ピピピ「そうです。」
ハッシィ「じゃお代わり下さい。」
ハッシィはそれから25回お代わりをして、
ようやく食べ終わりました。
ピピピ「うっひゃー、もうおでんがなーい。」
ハッシィ「じゃ自動販売機も終了ですね。」
ハッシィが言うと屋台は
ドコーンと凄い音と共に潰れてしまいました。
ハッシィは洞穴を出ると、秘密の洞窟に戻りました。
パオーン「ハッシィ遅かったね、
オオカミのオックルとイックルも帰っていったよ。」
ハッシィ「何でオオカミ兄弟がぁ?」
パオーン「僕がトラベラーマシンで連れて来たんだ。」
ハッシィ「宇宙人の寿司屋が来なかった?」
パオーンはチラシを見せながら言いました。
パオーン「このチラシの寿司屋だろ来たよ、
僕が注文したんだから。」
ハッシィ「えっ注文って?」
パオーン「無線で注文したんだよ、
赤だしまでついて美味しかったよ。」
ハッシィ「ともかく、ポンキチも夜にはもどるよ。」
つづく
つづき
ハッシィは鉢巻きの宇宙人に言いました。
ハッシィ「無線なのに何処かわかるんですか?」
パピピ「わかりますよ、
我々の位置捕捉レーダーで誤差3センチ以内です。」
ハッシィ「そりゃ凄い、
ところでその注文が間違いとかだったらどうします。」
パピピ「それは論外なので、
この異空間転移銃で消えてもらいます。」
ハッシィ「ドッシャー、行ってらっしゃい。」
パピピが出前に行くと、ハッシィは思いました。
パオーンはやっぱり間違いですと言って、
消されてしまうかしらん。
必ず助けに行くからね。
秘密の洞窟の前で鉢巻きをした宇宙人が叫びました。
パピピ「ご注文の上握り3人前持って来ました。」
するとパオーンが直ぐに出てくると言いました。
パオーン「やあ遅かったじゃないか、
お客様がお腹を減らしていてね。」
パピピ「そりゃすみませんね、
お詫びって言っちゃあ失礼ですが後で赤だしをもって参ります。」
パオーン「そりゃいいねぇ、いつも悪いね気を使わせて。」
パオーンは寿司を持ってはいると、
テーブルに置きました。
テーブルには基地の完成祝いに来ている、
オオカミのオックルとイックルが座っていました。
オックル「美味しそうですね。」
パオーン「どうぞ沢山召し上がれ、
宇宙一美味しい寿司ですよ。」
その頃ハッシィはラーメン代を払い終わると、
ホテルの裏口に来ると素早く変装しました。
頭にトサカを付けると白い羽を付け、
裏口から入りました。
ホテルの中では桃太郎達が一生懸命掃除をしていました。
ハッシィを見つけると、
直ぐに近付いて来て言いました。
桃太郎「君なんか怪しいニワトリですね。」
ハッシィ「いいえとても普通のニワトリですよコッコー。」
桃太郎「かなりクチバシが平たいなぁ、
前に何処かで会いましたか?」
ハッシィ「いいえ、
それよりレッサーパンダさんはおられますか?」
すると桃太郎の後ろからレッサーパンダが表れました。
ハッシィのニワトリを見てびっくりして言いました。
レッサー「あっニワトリさん待ってました、
私の部屋で話しましょう。」
部屋に入るとレッサーパンダはクルッと
回転してポンキチに戻りました。
ポンキチ「ハッシィ少しは変装しないとバレバレだよ。」
ハッシィ「桃太郎はダマしたよ。」
ハッシィは得意げに言いました。
ポンキチ「桃太郎は大ボケだから論外だよ、
100メートル先からでもハッシィだとわかるよ。」
ハッシィ「まあまあ、無線が通じないので知らせに来たんだよ。」
ポンキチ「何を?」
ハッシィ「基地が完成したので、もうホテル足止め作戦は終了だよ。」
ポンキチ「えっ本当、じゃ桃太郎達が寝たらホテルを引き揚げるよ。」
ハッシィ「じゃニワトリになって帰るよ。
コッコーコッコー。」
ハッシィのニワトリは素早く外に出ると、
走り出しました。
すると突然砂嵐がハッシィを襲いました。
ハッシィ「うっひゃーまただぁ。」
ハッシィは近くの洞穴に入りました。
つづく
つづき
洞窟をでたハッシィは、
急いでホテルに向かいましたが、
砂嵐がせまって来ています。
ハッシィ「やばい砂嵐だあの洞穴に非難しよう。」
ハッシィは近くの岩山に開いた穴に入って行きました。
すると中に明かりが見えました。
ハッシィ「何で明かりがぁ?
それにいい臭いがしているぞー。」
ハッシィが洞穴を進んで行くと、
ラーメンの屋台がありました。
ハッシィ「なんでラーメン屋があるんだぁ。」
ラーメン屋さんは、
タコを大きくした様な奇妙な生き物でした。
ハッシィ「タコのラーメン屋さん、
どうしてこんなところで商売しているんですか?」
ラーメン屋「私はタコではありません、
宇宙人ですよ宇宙一旨いラーメン屋のポポピと申します。」
ハッシィ「ポポピさんなんでこんなところでラーメン屋なんか、
誰か来るんですか?」
ポポピ「あなたが来たじゃないですか?」
ハッシィ「僕は砂嵐にあって偶然この洞穴に入ったんですよ。」
ポポピ「いいえ私の宇宙船の気象誘導装置を使って、
砂嵐を起こしてあなたを招待したのです。」
ハッシィ「どっしゃー、砂嵐を創ったんだぁ。」
ポポピ「さあ騙されたと思って食べて下さい。」
ハッシィ「種類はあるんですか?」
ポポピ「並か大盛りだけです。」
ハッシィ「じゃ並で。」
するとドヤドヤと人が入って来ました。
それは近くの街の人でした。
「奥が明るいぞ。」
「何か美味しそうな臭いがするぞ。」
「何かの店があるぞー。」
ハッシィは思いました。
アリババと40人の盗賊の世界は確かバクダットだなぁ、
ラーメン屋なんてあるはず無いんだから驚くぞー。
街の人はあっという顔で言いました。
街人A「いつもの大盛り四つね。」
ポポピ「へい毎度ありー。」
街人B「しばらく見なかったけどこんな所に居たんだぁ。」
ポポピ「やぁ色々な人に食べて貰いたくて。」
ハッシィは思いました。
この宇宙人かなり長くラーメン屋をやってるな、
誰も驚くどころか喜んでるぞ。
ハッシィは街人に聞いて見ました。
ハッシィ「ここのラーメンは美味しいですか?」
街人C「あなた知らないんですか、
バクダットで一番旨い店だと有名ですよ。」
ハッシィ「えっバクダットとで一番なの?」
ハッシィが一口食べて言いました。
ハッシィ「ウッヒャー、ベリー旨い。」
回りの人がそうだろうという様に見ています。
すると奥から鉢巻きをした宇宙人が出て来ました。
ポポピ「あっ出前かい?」
すると鉢巻きの宇宙人が言いました。
鉢巻き「無線で上握り3人前を聞いたんだよ。」
ハッシィがどっしゃーという顔で言いました。
ハッシィ「鉢巻きのタコさんはお寿司屋さんですか?」
鉢巻き「私はタコではありません、
宇宙人の寿司屋でパピピと申します。」
ハッシィ「パピピさん出前は何処ですか?」
パピピ「秘密の洞窟ですよ、
開けゴマって言って開ける。」
つづく
つづき
レッサーパンダが冷静な声で言いました。
レッサー「キャビヤは高級なのでビデオで録画してあります。」
警部「どっしゃー、録画だって?」
レッサー「はい、一部始終犯人はあなたですペンギン警部。」
レッサーパンダが持って来たモニターには、
ガツガツとキャビヤを食べているペンギン警部が写っていました。
レッサー「ワザワザ花瓶の裏に隠すように置いてあるのを、
ガツガツですな。」
ペンギン警部は申し訳なさそうに言いました。
警部「キャビヤはいくらですか?」
レッサー「金貨200枚か全員でホテルの掃除を三日間です。」
警部「ドッシャー、金貨200枚はありません。」
レッサー「じゃホテルの掃除をしていただきます。」
桃太郎達はペンギン警部のために三日も掃除させられるので、
警部をにらんでいます。
桃太郎は心の中で思いました。
大ボケ警部に掃除はしてもらい、
我々はハッシィ達を追うとしよう。
すると桃太郎をジーっと見ていたレッサーパンダが言いました。
レッサー「駄目ですよ、皆で最後まで掃除をしてもらいます。」
桃太郎「ゲッゲー何で思った事がわかるんです?」
レッサー「私は予言者で手作り豆腐の名人だからです。」
桃太郎「確か水晶占いの魔術師じゃあ?」
レッサー「砂漠は自然環境が厳しいので、
それもしますし予言もします。」
桃太郎「豆腐も作るんですか?」
レッサー「その通りです、
ともかく三日間たっぷり掃除をして戴きます。」
桃太郎達はシブシブ掃除をする事にしました。
うさぎとカメの世界で、
トラベラーマシンを必死で改造していたアリババは、
アリババ「ようやく完成したぞ盗賊達は幸い、
いないから出発だぁ。ハッシィめ覚えていろよ。」
ボムッと煙りが上がるとトラベラーマシンが消えてしまいました。
その頃ハッシィとパオーンは、
秘密の洞窟の中で食事をしていました。
パオーン「だいぶ改造も進んだねぇ。」
ハッシィ「そうだね、あとは最後の仕上げ位だよ。」
パオーン「ポンキチに知らせてあげなきゃ?」
ハッシィ「そうだね無線しよう。」
ハッシィはカモノハシの形の無線機を出すと、
ボタンを押しました。
ハッシィ「こちらハッシィ、こちらハッシィポンキチどうぞ。」
すると向こうから
「こちらはM8星雲ピカピカ星です。」
と聞こえて来ました。
ハッシィ「なんで?宇宙人に繋がるんだぁ。」
パオーン「ハッシィの使い方が悪いんだよ、
僕に貸してよ。」
今度はパオーンが無線で話します。
パオーン「こちら本部ポンキチ応答せよ、
こちら本部ポンキチ応答せよ。」
すると
「ガーガー上握り三人前ですね。毎度ありー」
パオーン「ウッヒャーどっかの寿司屋だぁ。」
ハッシィ「ともかく知らせてくるよ。」
ハッシィは外に出ると走り出しました。
つづく