Proxxonのミニテーブルソー、小型で扱いやすく、ワシの工作にはうってつけなのだが・・・
6㎜厚の桧板を縦切りすると・・・煙が立ち昇る。 この煙、吸い込むと、喉から鼻奥にかけて圧迫感を感じる・・・有毒な感じがするのだ。
藁にもすがる気持ちで、発売元のキソパワーツールに問い合わせたところ次のようなお返事をいただいた。
”丸鋸刃の切れ味が悪くなっているため、切断木材との摩擦で丸鋸刃が高温になり切削粉がその熱の上昇気流で煙のようになっていると予想されます。”
うむ、納得できるお返事だ。 買った時の丸鋸は刃先が丸まっているような気がしてたんだ。
手始めに、丸鋸の切れ味をよくしてみようと考えた。 買い替えると結構な値段がするので、買い替えは最後の手段としよう。
目立て前の丸鋸は、刃先が光っており、丸くなっているような気がする。 前の所有者が何か固いものを削ったんではなかろ~か。
そこで、目立て前の準備として、アサリ、のチェックから始める。アサリとは、のこぎりの刃というものは、木に両側から挟まれて身動きが取れなくならないように、本体の厚みより少しだけ切り口が広くなるように、刃を交互に外に出してある。 これに偏りがあると切り口が偏りの大きい側に曲がってくるのだ。
のこ刃は小さくて、老眼の目には細かすぎるので、アサリの右側と左側、それぞれの刃にマジックでマークを付けた。
そして、どこから始めたかわかるように、idiot mark(あほでもわかるマーク)として大きな丸印をつけた。
丸鋸刃の両側に板を置いて、アサリが正しく左右に分かれていかをチェックする。 不整合があれば、やっとこの先で挟んで修正する。
次にヒッコキという処理を行う。 ヒッコキとはのこ刃の高さを同じにすることをいう。 逐一やすりで鋸刃の天井を合わせるのは難しいことなので、一計を案じた。 丸鋸を外して裏返してProxxonにセットする。 つまり鋸刃を逆回転させ、刃先にダイアモンドやすりをそっと当ててすべての刃先を円運動によって同じ高さにそろえたのです。 ついでにアサリの両側にも軽くやすりを当て、すべての刃の出っ張り具合もそろえた。
そして刃の目立てに入る。
丸鋸の両側に厚み6㎜の板を置いて抑えにし、ダイヤモンドやすり半丸の平らな側で刃をこする。
まず、ヒッコキでたいらになっている刃先の後ろ側を削って刃先を尖らせた。 これで刃先はワシの嘴みたいな形になって強度も増すことになる。
そして刃の前側、アサリの外側に刃を付けるべく、斜めの角度に削った。 これをアサリの右側と左側について行う。
80山全部をやすりで削ったのがこれ。
先端がとがっているのが分かるでしょう。
そして板を切ってみた。 よく切れるようになったし切り口もきれい。
横引きの切り口はサンドしたような滑らかさ。 縦引きは多少ノコ目が散見される程度だから仕上がり具合は問題ない。
横引きでは煙はでない。 が、縦切りで強く押すと煙がでる。 煙がでたらしばらくそのまま空転させて刃を冷やすと煙が消えるので、ゆっくり押せば縦引きでも煙はでなくなった。 換気をよくしてやれば多少の煙は我慢できるかも・・・
ヤフオクで中古で買ったProxxon 28006、すでに廃盤になっている製品だが、コンパクトで薄くて柔らかな桧材の木工には申し分のない工具となった。
コンパクトなので怖さがない。 ちょこちょこっと切る的な感じで作業が終わるんだな。