二宮正治の短編小説 中学生の恋日記 太郎の月曜日 第２０回

「ああ、もっとあなたを愛したい」
　弘子が喘ぎながら言った。
「Ｔシャツを脱いで」
　エンジンがフル回転しているような車のような今の弘子はラブマシンと化していた。
　弘子は上半身を裸にした太郎の乳首を吸った。
太郎の口から、
「あー、あー、あー、あー」
　と激しい喘ぎ声が洩れた。
「かわいい」
　弘子は興奮しまくっている。愛の攻撃の手を緩めない。
今後は太郎の首筋に唇を這わせたのである。
「うーん、うーん、うーん」
　太郎は激しいうめき声をあげた。
「ああ、可愛い」
　また弘子が身をよじってこう言うのだった。
太郎の手が弘子の乳房に伸びて優しく愛撫すると、
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、・・・・・・・・」
　弘子は身をよじって絶叫するのだった。
「十五歳男女のほとばしる愛の交歓だった」
　昭和四十三年の話である。