「あなたがそばにいてくれるなら学校に行く」
晴美はこう太郎に言った。
「ああいいよ、いつもそばにいてやる」
太郎はこう言葉を晴美に返した。
「うれしい」
晴美の顔は輝いていた。
広島県呉市の人々で戦前からこの町に住んでいる人は、海軍の関係者だった人が多く太郎の父親も晴美の父親も海軍の関係者だった。
「昔から呉市に住んでいる人々はこの連帯感があったのだ」
太郎と晴美とて例外ではなかった。
太郎は弘子と言う仲の良いガールフレンドがいたが、
「今は晴美を何とかしたい」
この気持でいっぱいだったのである。弘子がどうこうという事は頭になかったのだ。
「明日から学校に行くか」
「うん」
話はついた。
太郎は朝晴美を迎えに行って学校に行ったのである。やがてそれは日課となっていった。
いつしか同級生達は、
「あの子達は親が決めた許婚(いいなずけ)らしい」
と噂しあうようになった。
それくらい傍から見ると仲が良く見えたのだった。太郎の心の底は、
「晴美の登校拒否を止めてもらい」
それだけだったがのだが、同級生はそうは見ていなかった。
晴美はこう太郎に言った。
「ああいいよ、いつもそばにいてやる」
太郎はこう言葉を晴美に返した。
「うれしい」
晴美の顔は輝いていた。
広島県呉市の人々で戦前からこの町に住んでいる人は、海軍の関係者だった人が多く太郎の父親も晴美の父親も海軍の関係者だった。
「昔から呉市に住んでいる人々はこの連帯感があったのだ」
太郎と晴美とて例外ではなかった。
太郎は弘子と言う仲の良いガールフレンドがいたが、
「今は晴美を何とかしたい」
この気持でいっぱいだったのである。弘子がどうこうという事は頭になかったのだ。
「明日から学校に行くか」
「うん」
話はついた。
太郎は朝晴美を迎えに行って学校に行ったのである。やがてそれは日課となっていった。
いつしか同級生達は、
「あの子達は親が決めた許婚(いいなずけ)らしい」
と噂しあうようになった。
それくらい傍から見ると仲が良く見えたのだった。太郎の心の底は、
「晴美の登校拒否を止めてもらい」
それだけだったがのだが、同級生はそうは見ていなかった。