Seiji Ninomiya (二宮正治)

Let me tell "JAPAN NOW"

二宮正治の短編小説 中学生の恋日記 太郎の月曜日 第12回

2010-11-17 05:09:37 | 日記
 太郎はハーモニカの中学生として、広島で有名になっていった。
昭和四十三年に太郎が中学三年生になる頃太郎は、
「すっかりハーモニカの中学生として有名になっていた」
 太郎はイベントに出かけてはハーモニカを吹いて人々に喜ばれていた。太郎のそばにはいつも弘子がいたのだった。
 そんな素晴らしい中学生活を送っていた太郎だったが、その生活に一つの波風が立った。
「呉から女の子が転校してきたのである」
 この女の子は、広島での生活に馴染めず登校拒否となった。
担任は心配して、
「おい太郎、面倒を見てやってくれ。お前は呉市出身なんであの子の気持が分かるだろう」
 太郎にこう言った。
「分かりました。なんとか学校に来るように説得します」
 太郎にとって、
「登校拒否の女の子を学校に連れ戻す事は思う以上に大変な事だったのだ」
 太郎の生活が変わった。
「弘子との楽しい毎日って訳にはいかなくなったのだ」
 太郎の苦汁の日々が始まったのだ。