104:下段本文173-178
②『外国商通言葉集』の下段「食もつ之部」は130語から185語まで、③『外国商通古と者附』の「志よくもつのぶ」も130語から185語まで、①『外国商通古と者つけ』では77語から99語まで・・・ 既に最後のコースの「.食物の部」に入いっていて今回はその9回目・・・
前.例に倣って ②『外国商通言葉集』の順を尊重して173行から178行までを取り上げることに。③においてはご覧のように該当する言葉は見つかるものの②に比べてかなり配列は前後している。①からは3例だけ・・・
173行目:日本語②③①とも≪さ可(か)奈(な)≫英語読みいづれも≪ふいし≫ 英語綴り・・・fish・・・
④『ゑんぎり志ことば』も全く同じ
⑤『新撰英語実用便』では≪魚 う本(ほ) フィシ≫
⑥『改正増補英語箋』には≪海魚ウミノウヲ sea fish シーフ井シ≫及び≪魚ウヲ fish フ井シ≫
174行目:日本語②③①とも≪たい≫英語読み②≪ぶりーむ ≫ 英語綴り・・・bream・・・③①≪ぶりむ≫
④『ゑんぎり志ことば』では≪たい ぶりむ≫
⑤『新撰英語実用便』では≪鯛たい フリーム≫濁点が見えない。≪ブ⇔フ≫
⑥『改正増補英語箋』では≪鯛タイ goldney ゴールドニー≫
175行目:日本語②③≪ひらめ≫①には見当たらない。英語読み②≪ふろうんどる≫③≪ふろうんとる≫
④『ゑんぎり志ことば』≪ひらめ ふろうんとる≫ ⑤『新撰英語実用便』≪鮃 ひらめ フロウンドル≫⑥『改正増補英語箋』≪比目魚 ヒラメ flounder フローンドル≫
176行目:日本語②③≪ゑび≫英語読み②≪くろーふえー志(し)ゆ≫③≪けれん志(し)げん志(し)≫
④『ゑんぎり志ことば』には≪ゑび けれん志(し)げん志(し)≫とあるところを見ると③と④は同じ読み、・・・さて英語綴・・・・・・ここでも③は④の影響を強く受けているようだ。
⑤『新撰英語実用便』≪鰕 ゑび クローフェーシュ≫この≪鰕≫の字の難しいこと・・・お手上げ・・・
⑥『改正増補英語箋』≪龍鰕クルマエビ shrinp シリヌプ≫≪海鰕イセエビ lobster ロブストル≫
177行目:日本語②≪かれい≫③≪可(か)れい≫英語読み②≪とんぎうせー≫③≪とんぎ可(か)ひし≫
④『ゑんぎり志ことば』には≪可(か)れい とんぎ可(か)ひし ≫ここでも③と④は同じ読み ⑤『新撰英語実用便』には≪王餘? かれい トンギウセシ≫⑥『改正増補英語箋』≪皆魚 カレーtorbot トルボット≫とは・・・・・・。この読みにはかなり手古摺ったようだ!!
178行目:日本語②③①≪まぐろ≫英語読み②≪本(ほ)るぴす≫③≪本(ほ)る飛(ぴ)す≫①≪本(ほ)るひす≫
④『ゑんぎり志ことば』には≪まぐろ 本(ほ)ル飛(ぴ)す≫
⑤『新撰英語実用便』≪? まぐろ ホルピス≫ ⑥『改正増補英語箋』≪金鎗魚 マクロ tunny チュンニー≫
総じて魚の読みは、奥が深い、それだけ生活に密着していたのかも・・・
次回 105回目:下段本文179-185・・・食物の部の最後・・・の予定
挿図
①佐野屋冨五郎『外国商通古と者つけ』(刊年不明)手持ち原葉、一枚もの
②佐野屋冨五郎『外国商通言葉集』(刊年不明)横浜市中央図書館所蔵、折本
③佐野屋冨五郎『外国商通古と者附』(刊年不明)神田外語大学付属図書館所蔵、折本
④志水卯三郎『ゑんぎり志ことば』万延元年(1860)早稲田大学図書館所蔵
⑤尾嵜冨老『新撰英語実用便』明治11年(1878)神奈川県立図書館所蔵
⑥石橋正方『改正増補英語箋』明治5年(1872)早稲田大学図書館所蔵