文明開化と平仮名英語

流れるような筆使い、崩し字満載の平仮名で書いた英語は日本国開国・文明開化の一時期を象徴するような出来事でした。

外国商通ことば 23:本文50-54

2010年12月14日 | 文明開化と平仮名英語

23:本文50-54 

 
図の赤数字はの場合、全109語の37番目及び40番目を示す、以下同様にの場合は全189語の、は全186語のそれぞれ50番目を示す。
①は②③に比べて収録語彙がかなり少なく、ご覧いただくように「やま」、「く尓(に)」のみ収録。
注:行数の表示はここではを基準(も同じ)50行目から54行目までとする。


50行目:日本語いずれも「やま」その英語読み③①「まおんていん」「まうんていん」(mountain)で英文字を連想。
51行目:日本語③②いづれも「ぬま」その英語読み「めるし」「まあし」(marsh)で
どうやら英文字にたどりつく
52行目:日本語「可(か)王(わ)」その英語読み「そ。うる」どうにも綴り字が思い浮かばない。お手上げ、識者のご教示を!「かは」の英語読み「れ者(ば)-あ」どうやら「river」にたどり着く。

ところで
ゑんぎり志ことば』には「かわ な可れ可ハ リ。ウル」とある。これは「river」であろう。なんとなくに近い。ジット見ている内にこれは片仮名の≪≫の読み違えを平仮名にしたから「り。うる」ではなく、「そ。うる」となって連想を断ち切られてしまったようだ。片仮名に戻せば、なんとか読めるではないか!≪≫右往左往したがこれで一件楽着かも・・・。
53行目:日本語①②③とも「く尓に」、英語読み「可(か)おんてりい」「可(か)おんてりゐ」ここでは
の違い、英文字「country」。の英語読み「らんど」(land)
54行目:
日本語②③とも「いし」、英語読み「春(す)と於(お)ん」「すとん」「stone」無理なく読める。

  次回 24:本文55-57

挿図
   ①佐野屋冨五郎『外国商通古と者つけ』(刊年不明)手持ち原葉、一枚もの
   ②佐野屋冨五郎『外国商通言葉集』(刊年不明)横浜市中央図書館所蔵、折本
   ③佐野屋冨五郎『外国商通古と者附』(刊年不明)神田外語大学付属図書館所蔵、折本
  清水卯三郎『ゑんぎり志ことば』万延元年(1860)早稲田大学図書館所蔵