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花王、情報の掛け算経営 - 後藤卓也氏の数式

2007-05-11 11:05:53 | 企業戦略
 日経WEB SITE、BIZ+PLUSの中島孝志氏(経営コンサルタント・ジャーナリスト)のコラム記事が面白い。5月9日付コラムで、タイトルは、「花王、情報の掛け算経営 - 後藤卓也氏の数式」である。

 数式は、「(POS+GIS)×コミュニケーション力=∞」である。
 POSはまさに、「販売時点管理情報(Point of Sales)」であり、GISは、「地理情報システム(Geographic Information System)」である。POS情報と地理情報を総合し、さらにそれにComunicability(=コミュニケーション能力orコミュニケーション力)を掛け合わせた力は∞(=無限大)である、ということを示す数式である。
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 中島氏は、POS情報は死んだ情報(=過去のトレンド)であり、これのみに依存していては商売にならないと指摘し、花王の事例を取り上げて、「花王は販売担当者のストア・アドバイザー(SA / Store Adviser)が販売好調店の売り場をデジカメで撮影し、それを他店のSAにも見られるように公開します。…そして地域ならではのGIS情報です。これは、SAが仕事のほとんどの時間を担当する小売店で過ごすことで蓄積されていきます。徹底した現場主義です」と指摘している。
 まさに、花王では、SAが「(POS+GIS)×コミュニケーション力」を実践し、「花王としては、SAという人材を活かして、『店にとって手間暇がかかる売り場作りをメーカー主導で提案し、花王製品を売り込む千載一遇の好機を捉える』ことを実践している」とのことである。
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 ビジネスの形態としては、まさに、「提案型営業形態」に分類され、その提案型営業を効率よく行なっていくために、SA部隊が「(POS+GIS)×コミュニケーション力=∞」を実践し、情報共有を通じて効果を高めていることになる。

 いずれにしても、ビジネスを数式で表現し、それを営業部隊が実践し、具体的に成果を挙げているから、面白い。また、徹底した現場主義を取っている点も、納得できる点である。
 今度自分も、今所属している企業のビジネスを数式化してみたいものだと思う。もちろん、数式化するためには要素が必要であり、要素をどのように計算することにより、どのような効果が生まれるかということを予測し、結果として、ビジネスの拡大に有効である、といったことが検証されなければならないことにはなる。
 今まで、ビジネスを数式化するということに関しては、残念ながら出くわしたことはなく、興味津々である。
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