![解明進む台風・海面上昇と温暖化の関係・日本も他人事ではない(07/07/17)](https://eco.nikkei.co.jp/Photo/c4/20070713c4a7d000_13.gif)
(海洋研究開発機構 近藤洋輝氏)
日経ECOLOMY(-環境+経済+私-)のコーナーで、「解明進む台風・海面上昇と温暖化の関係・日本も他人事ではない」とのタイトルで、7月17日付で、海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター特任上席研究員の近藤洋輝氏が記事を投稿している。
近藤氏は、気象庁で気候変動についての研究などに従事、2007年から現職、IPCC第1作業部会に、同部会の国内支援事務局を代表して参加している。
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記事は、具体的な異常気象現象の実情からスタートしている。
海抜が高々2m程度しかないモルディブの事例、2003年の夏フランスはじめ西欧を襲った熱波の事例、日本における毎年のような記録的な豪雨による被害、等々である。
こうした事例を総合して、近藤氏は、「温暖化は100年先の対岸の火事であると思っていたら、火が迫ってきていて極端現象という火の粉が身の回りに降りかかり始めているともいえる」と指摘している。
つまり、「地球が発している悲鳴は現実化しつつある」というのが現段階における「現実」であり、「待ったなしの状況である」ということになる。
近藤氏によると、「世界の海面水位は近年、温暖化により上昇傾向が増大しているが、その原因の見積もりもかなりできるようになった。IPCC第4次評価報告書(AR4)では、温暖化を起こす熱のうち海水による吸収分が8割を超え、その結果海洋は水深3000mまで水温が上昇している」ことが明らかになったとのこと。また、「温められた海水の膨張、グリーンランドや南極大陸の氷床の融解、氷河やその他陸域の氷(氷帽)の融解などの原因から、近年観測された海面水温の上昇が、若干の差があるもののほぼ観測値を説明する見積りが可能となった。これらの原因による海面上昇への寄与が近年いずれも増大」しているとのこと。
近藤氏は、今世紀末にかけての予測として、「極端な高温や熱波、大雨の頻度は引き続き増加する可能性がかなり高い」と指摘し、「近年生じている極端現象は、現実化した温暖化の状況下で増加する傾向が実際に現れ始めている」と見ることができるとしている。
地球の深海における水温上昇、南極大陸等の氷床の融解、海抜の低い島々の海没等々、私たちが普段気に留めることのない所で、「異常気象を招く要因」が進展しているということを示していると考えられる。。。
Written by Tatsuro Satoh on 31st July, 2007