ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

風の向くまま、気の向くままに……

「環境の技術協力に補助金を」 =宋文洲氏インタビュー記事から=

2007-08-01 08:15:15 | 地球環境

 

   
  (宋文洲氏) 

 シンガポール出張中に、日経ECOLOMY(-環境+経済+私-)のコーナーを見ていたときに、宋文洲氏のこの記事に目が留まった。日経ECOLOMYの7月23日付インタビュー記事である。
 宋文洲氏によると、「途上国の環境対策が進まない」理由として、「技術不足」、「資金不足」、「意識不足」の3つがあげられ、あわせて「世界の環境問題はグローバル企業にかかっている」と指摘しているとのこと。
 興味のある方は、前編「中国の汚染、一番の被害者は中国人」(こちら)にアクセスし、一読することをお勧めする。

 その中で、興味をひくのは、「日本など先進国の役割は何か」との問いに対する回答、及び、「個別企業の役割は何か」との問いに対する回答である。
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1.先進国の役割(宋文洲氏見解)
  先進国に対して期待するのは、「地球はひとつ」という考えで、環境関連の技術を 途上国に提供することです。この点で日本企業や政府は努力していると感じています。
  ただ、企業のボランティア精神に頼るには限界があります。環境技術の途上国への進出をさらに促すための経済面の仕組みが必要です。
  環境分野の技術を持つ日本のメーカーが途上国へ進出する際に補助を出すことだってできるはずです。そうすれば日本メーカーがもっと強くなります。日中関係にとっても、技術協力が歴史的な問題の解決につながるかもしれません。
2.個別企業特にグローバル企業の役割
  環境問題の主体は、本当は国ではなく、グローバル企業です。たとえば世界中で作って世界中で売っているトヨタのような企業がどの国の会社かということは、環境問題を考えるうえではあまり意味がありません。
  環境への負荷も「どの国がたくさんCO2を出しているか」より「どの企業、どの製品がたくさん出しているか」を考えた方がわかりやすい。そうい考えると、企業の役割がどれだけ大きいかは明らかです。
  ただ、自動車メーカーがいくらハイブリッドカーを増やしてエネルギー効率を高めても、ガソリンを使っている限り本質的な問題解決にはなりません。問題は排出の「総量」なので、途上国にハイブリッドカーがいくら増えて「効率」が向上しても全体としては増えるわけです。昔は全体の排出量が少ないから、エネルギー効率が悪くても何も問題はなかった。効率向上は温暖化のひとつの手段に過ぎません。
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 宋氏は、途上国の「環境課題」に対し、先進国も「地球はひとつ」との視点に立ち、「環境技術の積極的な移転を各企業が行なえるような経済の仕組みづくり」が政府レベルで求められるのではないかということ。及び、グローバル企業を中心に、その責任が重いことを指摘している。
 今、トヨタもホンダも日産も、環境に負荷をかけない輸送手段(車)作りに必死で取り組んでいると考えるが、確かに、「エネルギー効率が上がるとしても、台数増加により帳消しになるようでは意味がない」ことになる点を認識する必要があると考える。
 その意味では、水素自動車等はそのひとつの回答かもしれない。。。

 また、特に日本等先進国において、大量に使用される紙類についても、他方で「森林の再生」を検討し、その「森林再生の仕組み作り」が必要であるように考える。例えば、イオングループの取り組み等が一層進展するように。。。
 Written by Tatsuro Satoh on 1st August, 2007

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