ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

風の向くまま、気の向くままに……

鈴木敏文氏のビジネス数式

2007-05-30 08:39:08 | 企業戦略

 かなり古い記事になるが、日本経済新聞2006年10月4日付、NIKEI BIZ+PLUSで中島孝志氏が、セブン&アイ・ホールディングス会長である鈴木敏文氏のビジネス数式に関するコラムである。
 サブタイトルは、「『たまたま品切れ』では済まない販売機会損失の怖さ」である。

 鈴木敏文氏の仕事哲学を数式化すると、次のように表現できるとのことである。
 「販売機会損失」=「利益」×「3倍」
 この数式を言葉に置き換えると、例えば、「商品が品切れ」で「販売するチャンス」を失う場合、それに伴う利益損失は、当該商品を売ることができた場合に得られる利益の3倍に相当する利益を失っているということ、を示している。
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 商品が品切れであるということは、鈴木会長から見る場合、「あの店には欲しい商品がない」ということを「顧客心理面に植えつける」ことになり、リピーターに悪影響を及ぼす、また、口コミ等により、その悪影響の幅が拡大する、ということになるのかもしれない。
 確かに、私も消費者であるが、その消費者の立場に立つ場合、「欲しいものがいつでもある店」にはリピーター顧客となるかもしれないが、たまたま、「欲しい商品がない」という場面に遭遇する場合、その店に対するイメージはダウンすることになる。あるいは、「あの店には欲しい商品がない」といった、顧客心理を持つことになる考えられる。

 鈴木会長は、「消費は経済学ではなく心理学」を持論としているとのことである。
 消費は、一方で、集積された結果として、経済全体の中で大きな位置を占める。従って、「消費は経済学である」もしくは「消費は経済学の大きな要素である」と考えることができる。
 しかし、他方で、消費主体を構成する「消費者個人個人」の立場に立つ場合、具体的な消費現場では、「心理的に購入するしない」が決定される。「ついでに買っておこう」、「衝動買い」とうの消費行動を見れば、「ここの消費における心理学的側面」が浮かび上がってくる。
 以上のように考えてくると、「消費は心理学であり、同時に、経済学である」と考えるのが正解なのかもしれないと考える。
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