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日経「共創ジャパン」の経営者講演コーナーの記事VOL.4を取り上げる。
タイトルは、「コーポレートブランドで顧客、社員、株主を結ぶ」である。これは、「国内・海外の両軸経営を展開する曙ブレーキ工業の企業理念や国際戦略、ブランド戦略などを、同社の信元久隆社長が母校の一橋大学で講演。その後、同校の伊藤邦雄教授と対談した」ことに関する記事である。
記事タイトルにリンクを張っておくので、興味のある方はチェックしてみるとよい。
記事のテーマは、「人材・ブランド強化でグローバル競争を勝ち抜く」である。確かに、ブランド力は競争社会において重要な要素である。
船場吉兆のように、経営力、経営哲学により、一夜にしてブランドを地に落としてしまう場合もある。
しかし、ブランド力は欠くことのできない要素である。
他方、それを作り出す要素は何かということを考えると、企業を構成する従業員、経営陣であり、それによって生み出される技術力ということになると考える。言い換えると「人財力」及びそれによって生み出される「技術力」ということになる。
しかも、技術は日々進歩するものであり、「昨日までの技術を場合によっては捨てる」こともありうることになる。
記事を引用しておく。
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記事引用
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○人材・ブランド強化でグローバル競争を勝ち抜く
曙ブレーキ工業は自動車や自動二輪、鉄道車両、フォークリフト、産業機械などのブレーキ製造を手がけている。中でも事業の中心となるのは全売上高の90%近くを占める自動車向けだ。
…(中略)…
開発においては日本、北米、欧州の3極体制を敷いている。売上高別では日本が55%と過半数を占めるほか、アメリカが39%、欧州が1%強、そしてアジアが5%弱となっている。今後はタイ、インドネシア、中国を中心とした東アジアに特に注力していく考えだ。
加速するグローバル化、多様化するニーズに応えるべく、当社では私が社長に就任した1990年に会社方針を策定した。具体的には、経営の3本の柱として「お客様第一」「技術の再構築」「グローバル体制の確立」を明らかにした。
従来はお客様イコール自動車メーカーだったのをエンドユーザーへと意識を変え、ブレーキメーカーとして本来追求すべき技術とは何かという原点に立ち返るとともに、日、米、欧の3大自動車生産地域におけるプレゼンスを高めるというのがその骨子だ。
…(中略)…
どんな企業であれ、おのずと経営資源は限られている。それ故、選択と集中を利かせ、事業ドメインをある程度絞り込む必要がある。
こうした前提に立ち、策定したのが経営理念「私達は、摩擦と振動、その制御と解析により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます」だ。
現在、この「摩擦と振動、その制御と解析」を核にブレーキ単体ではなくクルマの安全性、快適性を提供すべく事業を展開しているが、理念というものは抽象的に書かれていて、えてして一人ひとりの社員が自分の問題としてとらえにくいのが実情だ。そこで、現実の仕事と理念の間を埋めるべく注目したのがコーポレートブランドである。
… やはり社員には自分たちが作り、提供しているものを見直してもらい、自分たちの仕事にもっとプライドを持ってもらいたいと考えている。それがやがて顧客や株主の利益につながっていく。コーポレートブランドはこの点でも大いに効果があるだろう。
…(中略)…
2007年からはさらに、モータースポーツの最高峰F1グランプリに「ボーダフォン マクラーレン メルセデス」チームのブレーキキャリパーとブレーキマスターシリンダーのオフィシャルサプライヤーとして参戦した。F1は時速300で走るクルマを約3秒で制止させる制動力が問われる、まさに極限の世界。当社にとっては大きな挑戦であり、人材・技術を磨くまたとない機会にもなろう。
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Written by Tatsuro Satoh on 9th May, 2008
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日経「共創ジャパン」の経営者講演コーナーの記事VOL.4を取り上げる。
タイトルは、「コーポレートブランドで顧客、社員、株主を結ぶ」である。これは、「国内・海外の両軸経営を展開する曙ブレーキ工業の企業理念や国際戦略、ブランド戦略などを、同社の信元久隆社長が母校の一橋大学で講演。その後、同校の伊藤邦雄教授と対談した」ことに関する記事である。
記事タイトルにリンクを張っておくので、興味のある方はチェックしてみるとよい。
記事のテーマは、「人材・ブランド強化でグローバル競争を勝ち抜く」である。確かに、ブランド力は競争社会において重要な要素である。
船場吉兆のように、経営力、経営哲学により、一夜にしてブランドを地に落としてしまう場合もある。
しかし、ブランド力は欠くことのできない要素である。
他方、それを作り出す要素は何かということを考えると、企業を構成する従業員、経営陣であり、それによって生み出される技術力ということになると考える。言い換えると「人財力」及びそれによって生み出される「技術力」ということになる。
しかも、技術は日々進歩するものであり、「昨日までの技術を場合によっては捨てる」こともありうることになる。
記事を引用しておく。
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記事引用
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○人材・ブランド強化でグローバル競争を勝ち抜く
曙ブレーキ工業は自動車や自動二輪、鉄道車両、フォークリフト、産業機械などのブレーキ製造を手がけている。中でも事業の中心となるのは全売上高の90%近くを占める自動車向けだ。
…(中略)…
開発においては日本、北米、欧州の3極体制を敷いている。売上高別では日本が55%と過半数を占めるほか、アメリカが39%、欧州が1%強、そしてアジアが5%弱となっている。今後はタイ、インドネシア、中国を中心とした東アジアに特に注力していく考えだ。
加速するグローバル化、多様化するニーズに応えるべく、当社では私が社長に就任した1990年に会社方針を策定した。具体的には、経営の3本の柱として「お客様第一」「技術の再構築」「グローバル体制の確立」を明らかにした。
従来はお客様イコール自動車メーカーだったのをエンドユーザーへと意識を変え、ブレーキメーカーとして本来追求すべき技術とは何かという原点に立ち返るとともに、日、米、欧の3大自動車生産地域におけるプレゼンスを高めるというのがその骨子だ。
…(中略)…
どんな企業であれ、おのずと経営資源は限られている。それ故、選択と集中を利かせ、事業ドメインをある程度絞り込む必要がある。
こうした前提に立ち、策定したのが経営理念「私達は、摩擦と振動、その制御と解析により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます」だ。
現在、この「摩擦と振動、その制御と解析」を核にブレーキ単体ではなくクルマの安全性、快適性を提供すべく事業を展開しているが、理念というものは抽象的に書かれていて、えてして一人ひとりの社員が自分の問題としてとらえにくいのが実情だ。そこで、現実の仕事と理念の間を埋めるべく注目したのがコーポレートブランドである。
… やはり社員には自分たちが作り、提供しているものを見直してもらい、自分たちの仕事にもっとプライドを持ってもらいたいと考えている。それがやがて顧客や株主の利益につながっていく。コーポレートブランドはこの点でも大いに効果があるだろう。
…(中略)…
2007年からはさらに、モータースポーツの最高峰F1グランプリに「ボーダフォン マクラーレン メルセデス」チームのブレーキキャリパーとブレーキマスターシリンダーのオフィシャルサプライヤーとして参戦した。F1は時速300で走るクルマを約3秒で制止させる制動力が問われる、まさに極限の世界。当社にとっては大きな挑戦であり、人材・技術を磨くまたとない機会にもなろう。
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Written by Tatsuro Satoh on 9th May, 2008
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