地球温暖化を防ぐ―20世紀型経済システムの転換岩波書店このアイテムの詳細を見る |
日本経済新聞第一面の記事「環境力 第一部『地球が迫る新たな競争』」が面白い。
周知のように、現在、人類に取り、地球環境が厳しい局面に至っている。いわゆる、「地球温暖化」である。昨年来の、世界各国、世界各地域における「異常な暖冬現象」も、ある意味で、「地球が人類に突きつけている課題を人類がしっかりと対応していない」ことによるものと考えることができる。
4月3日付記事、「環境力」の中で、「二酸化炭素を"食べる"微生物『アセトン・ブタノール菌』」の記述が目に付いた。
アセトン・ブタノール菌は、「CO2を吸収した植物を分解し、燃料を作ると同時にプラスティックの原料も生み出す」とのこと。
この微生物は、「戦時中に石油確保が難しくなったため、旧日本軍が代替燃料として開発に着手。戦争末期には量産され、零式艦上戦闘機(零戦)の燃料にも使われた」とのこと。
戦後石油化学の台頭で役目を終えたとのことであるが、その「幻の零戦燃料」が「地球温暖化を受けてよみがえる可能性がある」とのことで、その実用化計画に三菱化学、協和発酵、キャノン、日立製作所、ホンダといった有力企業が名を連ねているとのこと。
このアセトン・ブタノール菌を保存している九州大学吉野貞蔵准教授は、「『資源小国』日本だからこそ生まれた技術だ」と評している。
また、この記事のサブタイトルで、筆者自身が「『資源小国』日本にこそ強み」があるとし、「環境対応力における国力」の観点から、「日本にチャンスがある」としている。
アセトン・ブタノール菌については初耳であったが、少なくとも「省エネ技術」の面で、世界をリードする日本と評価することもでき、期待したいところである。また、政府のイノベーション25戦略会議が、「植物の光合成を再現し、CO2をエネルギー源に走る車」との、「逆転の発想」も面白いと感じる。
もちろん、一朝一夕にできることではない。
しかしながら、ガリレオが「それでも地球が動く」といい切り、それまでの「天動説」を否定しきったように、「逆転の発想から何かが生まれてほしいものだ」と感じる次第である。
その素晴らしい技術によって作られた燃料が
戦争末期に量産され、ゼロ戦の燃料として実際に使われていたのなら、その技術を復元して再活用するのは比較的簡単なのではないかと思います。
現在、その技術はどの辺まで進捗しているのか、お教え下さい。
自動車やジェット機の燃料として一刻も早く使える日が来るのが待ち遠しいですね。