産直に束にした いたずり(いたどり)が出ており もう出ているはず
と行った川ぶちで ひとかかえ収穫しました。
色のちがいは 青白は日陰で 赤はひなたで育ったための日焼けです。
皮をはいで5㎝ほどに切り たっぷりの塩をふって 1日置きました。
いたずりから水が出て まるい筒がぺしゃんこになり 量も半分に減りました。
これで 酸味も えぐ味も抜けています。
水を切り 一食分ずつ小分けして冷凍します。食べる時は凍ったままのいたずりを
数時間水に浸け 塩出ししてから調理します。
高知県民は昔から 春の山菜いたずりを食べてきました。木樽に塩漬けして
保存食になりました。 龍馬様もジョン万も 食べてきたと思います。
50年前 結婚した春に県西部の夫のふるさとへ行ったとき 道ぶちに立派な
いたずりを見かけ 採らないかと聞くと 雑草は食わん と夫は言います。
あらそうと ヤブに入らずとも採れるいたずりをたくさん収穫し 早くアクを
抜きたいため 帰り支度をいそぐ私に 夫の母が
「帰りに おいしいものでも食べなさい」 と5千円を渡してくれました。
50年前の5千円は シシトウ農家が稼ぐには けっこう大きなお金になります。
あれから50年 夫の両親も天に昇り 今いたずりの皮をはぎながら あの時の
義母は 『息子夫婦は雑草を食べて暮らしているのか なんとむごいことよ』
とあわれんで 5千円を握らせてくれたのだと 50年も経って気がつきました。
この嫁は自分だけ旨いものを食い太っているが 息子には雑草を食わせている
かも だから痩せているのだと 義母は思ったかもしれん・・いやそれはない
50年前いたずりを食べていたのは 全県区じゃなくて 東部地方区になります。
県西部で 50年前は雑草でしかなかったいたずりが 20年ほど前 高知市から
嫁いだ若嫁が食べ方をおしえて 晴れて食料品に昇格した いたずりです。
『山羊も食わん雑草』と言った夫が まだかねと 今は毎年いたずりを待ちます。