くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

戦場写真家 ゲルダ・タローの真実。

2022-03-07 07:31:29 | 映画・TV

NHK世界のドキュメンタリーで『戦場写真家 ゲルダ・タローの真実』という
2021年フランス制作の番組がありました。

8年前に『キャパが愛した三人の女』というドキュメンタリーを記事にしました。
キャパに愛された三人の女の 最初の女性がタローになります。

スペインの民家から 大ケガした女性の顔の血を 野戦病院で若い医師が手当てを
している 80年前の写真が見つかりました。

医師の書いた写真裏の文字から 女性がロバート・キャパ夫人と判明。収容された
病院で1937年7月26日 手当のかいなく 夫人は亡くなりました。

 
 

女性の戦場カメラマンとして 初の殉職者となった タローの生涯を追う内容でした。

ユダヤ人の彼女はドイツで 反ナチのビラを配り逮捕され 釈放されたのちも監視つき
の身となり ドイツからパリに移り住み そこで同じくユダヤ人の 当時は無名のキャパ
と出会い いっしょに暮らすようになります。
    ゲルダ・タロー(本名ゲルタ・ポホリレ)    ロバート・キャパ(本名アンドレ・フリードマン)
 

タローはとても可愛らしくて 魅力的な女性です
 
 

なにげない仕草や 無防備な寝姿など これらはキャパが撮ったものでしょう
 
 
 

若いころのキャパ。背景はモンサンミッシェルでしょうか
 
 
 

2人は何度もスペインに出向き内戦を撮るなかで タローが撮ったとされる
『崩れ落ちる兵士』はキャパの名でライフ誌に掲載され この1枚でキャパは
その名が知られるようになりました
 

同じ戦場カメラマンでも 撮りたい方向が違ってくると 離れて仕事をする
ようになり タローは1人でスペインへ行くようになります
 
 
 
 

つねに最前線でカメラをまわすタローは 戦車に轢かれ死亡し やがて彼女は
忘れられますが かつてキャパが所有していた スペイン内戦のネガが2007年
メキシコで数千枚見つかり その1/3は タローが撮影したものと判明
 

個々に名前の書かれた数々のネガは タローの撮ったものもキャパの名で発表され
『メキシカンスーツケース』はそれまで 偉大なキャパ伝説の1つでしかなかった
タローの存在と力量を 世界に知らしめました。タロー没して70年ぶりの真実です。

26年の短い命を キャパにささげた形のタローは パリ郊外に眠ります。
タローに愛され支えられ 世界一有名な写真家となったキャパも1954年 40年の
短い生涯を 北ベトナムでとじました。 
 

キャパとタローに関する本を2冊買いました。じっくり読んでみます
 

『わたしの夢は 永遠の失業である』 戦場カメラマン   キャパの名言です。

今また戦争が起きています。キャパやタローのころとはちがい だれもが
スマホで撮って SNSで またたく間に広がる時代になりました。

戦場カメラマンは要らなくなっても 戦争はなくなりません。とにかく今は
1日も早く ウクライナに平和な日がもどるよう 世界中が願っています。

また長くなりました 読んでいただき ありがとうございました。 
   

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あんた強いねぇ。 | トップ | 牧野富太郎 展示館へ行きま... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです (Anne)
2022-03-07 10:43:52
い~え!いつも拝見しておりますの。

本日の、ショートショートの筆力の冴えに「恐れ入りました」
ひとつ新知識を吸入できて喜ばしい限りです。

スポーツニュースしかり。

この調子で万年引き籠りのAnneめにも大いなるカツを入れてくださいまし。
返信する
Anne姐さまへ (くりまんじゅう)
2022-03-07 18:59:06
姐さまご無沙汰しております。コロナからこっち家での時間が増え それにつれて
目方も増え筋肉が減りました。減ったのは筋肉だけでなく 物忘れの激しさ
思い込みの激しさなど 脳は確実に減退しています。

毎年海外旅を楽しんでおられる姐さまとギルさまは ここ2-3年の間は
たいくつしておられると思います。コロナが去っても今の世界情勢では
怖ろしくて 以前のようにルンルン旅は難しくなりました。

↑の8年前の記事はとても思い入れがあります。一番にコメントくださった
すけつね様がその後亡くなりました。亡くなったことをしばらく知らずに
長いお休みやねと思っていたところ 彼のコメント欄からご逝去を知りました。

鬼籍に入られてからも数年の間 彼のblogにはコメントが入り続け
すけつね様の人望がうかがえました。
そのことからも8年前の記事は 私にとっても大切にしたい一つです。

ズボラをせずに これからは姐さまのところへもお伺いします。
またお付き合いくださいませ。
返信する
キャパといえば (ぐり)
2022-03-07 20:25:49
戦場写真家というくらいにしか知りませんでした
今はドローンという手もあるし
近づかなくても撮れそうですね
タローさんの目が聡明さを感じさせます
写真もスマホの進歩でデジカメが売れなくなっているとも言いますし
どうなっていくのでしょう
返信する
ぐりさんへ (くりまんじゅう)
2022-03-07 23:33:09
今夜のニュースによると ロシアとウクライナの第3回目の停戦協議が
されているようですが 1-2回目が合意に至ってないところを見ると
なかなか難しいですね。ロシアは学校なども含め無差別攻撃をしているようで
一般人の犠牲者が増えています。

キャパの時代と違って 今はだれでもスマホで流せるし 言われるように
ドローで撮ることも出来るし 戦場カメラマンという職業はもうなくなったかもですね。
戦争がなくなったので 戦場カメラマンが失業したのではないところが悲しいです。

今のスマホはとても優れていて 鮮明に撮れるらしいですね。薄いし軽いし
かさばるカメラはもう 要らない時代になるでしょうか。デジカメ製造を
やめたメーカーもありますね。時代はどんどん変化していきますね。
返信する
Unknown (keba)
2022-03-08 18:40:13
戦場をカメラで見つめ続けた人の言葉だと思うと
永遠の失業を望む気持ち、重たいです。
プーチンが大本営発表以外の戦争報道を非合法化したニュースを耳にしたとき
主人がベトナム戦争は報道規制が緩かったから激しい反戦運動があった
プーその教訓を学んだんじゃないかと言ってました。
戦争がなくなって失業じゃなくて、非合法化されて失業
人類って一体どうなっちゃったんでしょう
返信する
kebanecoさんへ (くりまんじゅう)
2022-03-08 20:00:59
ウクライナでは民間人の犠牲者が増え続け 毎日のように子どもが死んでいきます。
第3回目の停戦協議も成果が上がらず いつまで今の状態が続くでしょうか。
なんとかプーチンを止める手はないのか 狂った指導者は核をちらつかせ
まさか使うとは思いませんが ひょっとして使うのでは?の恐怖があります。

世界の紛争地に飛びこんで 長年私たちに情報を流してくれた橋田信介氏が
イラク戦争取材中に襲撃され殺されたという 悲しい過去がありました。

以前たしか 橋田さんとkebaさんのご主人は友達と言っておられましたね。
身近な人が戦場で殉職した報せなど kebaさんご夫婦の悲しみや怒りは
どんなに強く深いものかと思います。

プーチンが大本営発表以外の戦争報道を非合法化しましたか。
ロシアの国民は今の状態を 正確に知らない人が多いと聞きます。北朝鮮と似ています。
ロシアに抗議している人たちを 順番に連れ去っていくニュースを見ました。
彼らは殺されるのでしょうか。

ウクライナ国民も全員がポーランドに出国はできません。とにかく早く
1日でも早く戦争を終えないと 一般人の犠牲者が増え続けます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画・TV」カテゴリの最新記事