一週間ほど前に家内バアさんが、裁縫用裁断バサミをに換えたので、お下がりを頂戴した。長年愛用していたが、娘から新品をプレゼントされたものである。しかし中古のお下がりとはいえ、厚手の紙が軽く切れるので、今まで使っていた切れ味の悪い愛用のハサミは、早速分別回収ゴミ行きに決定。
そこで、切れ味を試してみることと相成った。ちょうど手元にプリント不良で破棄するA4サイズのP.P.C紙が3枚あったので、短冊形に切ってみた。さすがに裁縫の裁断用だけあって、中古で老いたりとはいえシャキッと切れる。
翌日、朝刊新聞にどっさりとついてくる広告に一通り目を通したあと、ふと広告を切ってみようという衝動に駆られた。切れ味もいいから束にして切ってみようと5,6枚重ねて切ってみたが指は痛くない。こうなればもっと細かく刻もうと、ぼこ爺の悪巧み心が沸いてきた。あとはハサミ任せ、指任せでどんどんと切り刻んでいった。気付いたときは紙吹雪が山になっていだ。
その紙吹雪の山を眺めていると、おやおやこれはどうしたことだ・・・と言いたい現象が起きた。それは三日前、ある人に理由もなく罵倒されので、どうにも腹の虫が納まらぬままこの日まで引きづっていた。そんな状態のなかで、この紙吹雪つくり(?)が、いつの間にか腹の虫を追っ払ってくれたのである。おぁこれぞ大発見とばかり、この日を境にほぼ毎日、最低5,6枚の広告刻みで紙吹雪づくりと相成った・・・というわけである。
こうして指や手を動かしているときは、我を忘れて無心になれるのである。よく考えれば、人は何かに夢中になっていると世の憂さを忘れ、ときにはストレスも吹っ飛んでいくようだ。つまりこの広告紙吹雪作りこそ、吾がぼこ爺にとっては、まさしく怒りを納め、ストレスも解消といった、ゼニのかからん精神健康法であるかもしれない。
ただ、部屋のあちこちの片隅に掃除忘れの紙吹雪の残骸をバアさんが見つけて文句をたれるのを耳にすると、チョコットばかりわだかまりが残るが、まぁしょうがないわ。
これで憂さ晴らしができるわ