これは孫ではありません。イケメンのモデルです。
春休みで帰省していた東京の大学生の孫が、昨日帰っていった。そして帰省中の或る日、スーツと靴を新調したいという。今度3年生になるが、入学時にスーツや靴、そして身の回りのものを新調したのに、またスーツを作りたいと言う。登下校やアルバイト、そして普段の外出には滅多にスーツなどは着ないらしい。だから殆ど汚れたり痛んだりはしてないと思っていたが・・・。
娘夫婦の親は当然だというので訳を聞くと、就職活動にはスーツや靴などネクタイに至るまで必須だと言う。だがこのぼこ爺にはどうも解せない。まず就活なんて4年生に入ってからするもんだ・・・と。その昔、売り手市場の景気がエエ時代に、企業が早々と1年前に学生を手付けした、いわゆる「青田刈り」なるものが当たり前だったがね。そのころは支度金出して身の回りのもの一切の面倒までしていたもんだが。
それが不景気の今の時代、全く逆の現象となってまったとは・・・。だから2年先の卒業というのに、もう4~6月の間に猛烈にアタックせんと間に合わんらしい。2,3日まえのテレビでも100社受けてみんなあかなんだ学生がこぼしていたが、いささかオーバーだと思うが、相当に厳しいようだ。言うならば「青田刈り」どころか、撒いた稲のタネが発芽して、田植えに適するまでの大きさに育てる苗代みたいなもんだ。
そんな一人前にもならん学生が2年も前から学業のかたわら就活をせなあかんとは・・・。ぼこ爺としては孫たち多くの学生が可愛そうだと思うが、こんな不景気に出くわした学生に同情したい。いうならばパイが少ない買い手市場を開拓して売込むのは大変な事業だと思う。そこで田植え前の苗を売り込むさまは、さしずめ「苗代抜き」と名付けたい。
このたびのスーツなども贅沢かもしれんが、青木、青山クラスは目じゃないといい、一応有名百貨店にオーダーをした。当然これに見合う靴やワイシャツ、ネクタイもだ。そこで今度も、しがない貯金をはたいて、それなりの面倒を見る羽目になってまったがね。しがない年金暮らしのジジイが2年前に青山で1万8千円のスーツを買ったのとは雲泥の差だわ。
いずれにせよ今の就活はゼニがなかったら、身なりは当然のことで交通費、食費などまかなえなかったら、益々就職が困難になる。ああ就職できても安い給料に甘んじることになれば、就活事業費の投資の元が返ってくるのはいつの日だろうか。