乗降客確認の完全実施！？

例の“メール＆通話機器”には、毎日毎日「運行ミスするなよぉ～」的なメールが何通も届く。そして、昨日も今日も「各バス停では乗降客確認の完全実施を！」というようなメッセージが届いた。まぁ、相変わらず「言われんでも分かっとるわぃ！」という内容だが、運転士が「鬱陶しいなぁ～！」と思うくらい送信することで、効果があればいいんだけど…

さて、ある交差点を右折した後、少し減速しながら○○停に接近…　「誰も塀の陰に隠れてないよなぁ～」と思いながら“バス停の真ん前のマンション（アパート？）の出入口”をジィ～ッと凝視…　そして「○○停、通過します」と言って、バス停表示送りボタンを押した瞬間！　塀の陰から１人のお婆さんが飛び出してきたのである。

私はすぐにブレーキを踏んだのだが、バス停から少しズレたところにはガードレールの切れ目がなく…　２０ｍくらい先の脇道のところまで進んでからバスを止めた。そして、急いで歩いてくるお婆さんを左ミラーで確認…　車外スピーカーを通して「すいませぇ～ん」と声を掛けると、お婆さんも申し訳なさそうに「時計を忘れて、時間を※△◎◇…」と何か（隠れていた理由を？）言っていた。

“乗降客確認の完全実施”を本気でやろうと思ったら…　○○停では、バスを止めるだけでは駄目で、バスから降りて塀の陰を覗き込まなければならない！　なんちゃって…　そもそも、塀の中は“他人様の敷地”なんだから、勝手に入ってはいけないんだけど…　そのうち、地主から「ウチの前にはバス停なんかいらん！」と言われたりして！？

今回、私は気付いて乗せることが出来たけれど…　これまで「バスに置いてかれた！」という苦情というか、言い掛かりというか…　そんなものは数え切れない。バス停から十数メートル離れた銀行の軒下にいたとか、バス停の真ん前のそば屋の玄関に隠れていたとか、道路の反対側で信号待ちしていたとか…　そういう苦情が入ると、上司がドライブレコーダーの映像で確認をして…　有罪か無罪かを判定する。

そう、ビデオ判定が取り入れられているのはプロスポーツの世界だけではない。バス運転士の世界にも取り入れられているのだぁ～　が、しかぁ～し…　両者には大きな違いがある。スポーツの場合は「インかアウトか」のように、誰が見ても明らかなのだが…　バスの場合は「乗客か否か」のように、判定基準が“人によって異なる”ことが多いので…　今後は、バス停を中心に半径２ｍの円を描いておいて、“バスの鼻先がバス停を通過する前に”そこへ一歩でも足を踏み入れていたら「乗客」と判定する！　なんちゃって…