バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

お盆休みということで…

2014年08月14日 23時17分32秒 | バス運転士
お盆休みは“休日ダイヤ”ということで、案の定… バスは1分くらいしか遅れていないのに“怖い顔したお婆さん”が私をチラ見して乗ってきて… そのすぐ後ろから、お爺さんが「今日は日曜(ダイヤ)だで…」と囁きながら乗ってきた。これはもう、夏の風物詩と言えるかも…

また、休日と言うことで“土日切符”を5枚(5人)売ったのだが… その内の2人(どちらも女性)が「一日乗車券ください」と言いながら850円を出したのである。私が土日切符を手渡しながら250円を返却すると、どちらも「あら… 土日切符…」と嬉しそうに受け取ったのだった。ついでに私の愛も受け取っ…(やめとけ! どうせ叩き落とされるから…)

さて、お盆休みと言えば“乗り慣れない人”もチラホラ… 朝の某駅で「乗客ゼロでスタートかな?」と思っていたら、1人の若い女性が「○○行きますか?」と言いながら乗ってきたので、私は鼻の下を伸ばしながら「はい、あなたのためならば何処へでも…」と答えた(ウソつけ! そんな勇気もないくせに…)。

某駅を発車して、一つ目のバス停を通過… 二つ目も通過… 三つ目を通過すると同時に、私が“バス停表示送りボタン”を押して「次は○○停~」と車内に流れ、それに応えるように彼女は降車ボタンを押して「ピィー!」と… 2人の愛のシンフォニーの完成である(なんのこっちゃ!)。

それから僅か十数秒(距離にして約150m)で○○停に到着… 私はいつものように「ご乗車ありがとう~」と喋りながらバスを止めて中扉を開けた。ところが、中扉のすぐ後ろの席に座っている彼女が、まったく動こうとしなかったのである。

私が「そうか、そんなに私と別れたくないのか!」と思いながら(アホか!)車内ミラーを見ると、彼女は下を向いたままラブレターを私に差し出し…(ないない!) 否、スマホを操作しているようだった。きっと、自分がボタンを押してから十数秒で○○停に着くとは、思ってもみなかったのだろう。

待つこと十数秒… 彼女はハッと顔を上げて周囲を見回し、慌ててバスから降りて行った。私の存在など無視して…(当たり前じゃ!) きっと、そこで私を見てしまうと、バスから降りる決意が揺らいでしまうと思ったからだろう…(はいはい、死ぬまで言ってろ!)