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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

やめられバイ、とまらバイ…

2011年11月26日 22時05分01秒 | バス運転士

某住宅地に到着… 次々と降りてゆく乗客たち… 最後に残っていた“車内観覧席”の母子3人(推定3~4歳の男の子と、推定2歳の女の子と、推定20代後半の母親)も、すぐに降りて… いかなかった。お母さんが私に「すいません。すぐに降りますから…」と言ったので、私は「はい、いいですよ」と答えた。

どうやら… 寝ているところを起こされたのか、男の子が愚図っていたのである。困ったお母さんは、再び「すいません」と言いながら、とりあえず女の子を抱えてバスを降りた。そして「ここで待ってて、動かないでね」と念を押してから、再びバスの中へ…

お母さんが、座っていた席の周辺をチェックしている時、男の子が立ちあがって通路に出てきたので、車内ミラー越しに私と目が合った。その瞬間、私は反射的に「バイバイ!」と手を振ってしまった… そんなこと、考えてもいなかったのに…

それを聞いたお母さんが「運転士さんにバイバイしたの?」と言うと、男の子もその場でバイバイ… と思ったら、タタタタタタッと通路を走って来て、私のすぐ横で「バイバイ…」と手を振ったのである。私も、もう一度「バイバイ…」と手を振った。

私は静かに扉を閉め(あくまでも気持ちとして…)、バスをグルッと回して待機場所へ止めた。そこは、待機場所のバスと降車場所の人たちが向かい合う格好になるので、私の正面には母子3人の姿が… その時、男の子が再び私に向かって「バイバイ…」と手を振ったのである。もちろん私も手を振って、しばらくの間「バイバイ」の応酬が続いた。

こういうことはとても嬉しいのだが、止めるタイミングが難しい。すぐに発車時刻になれば、それで“本当にバイバイ”できるのだが… その時は、次の発車まで10分以上あったので、結局、その母子たちが立ち去るまで、私は運転席付近から動けなかった。う~む、何か今後の対応策を考えねば…