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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

女性を追いかけた後は…

2008年06月09日 22時11分58秒 | バス運転士

終点の某所へ到着した。先発のバスが乗り場にいたので、次発の私はその後ろにバスを停めて乗客を降ろした。一人の女性が残額30円のバスカードを通した後、現金420円を運賃投入口へ… しかし、デジタル表示は320円だった。運転席側にある投入金確認用の小窓を見ても、320円しか落ちていなかった。もしも硬貨が詰まっていた場合、通常はカラカラカラ~と音がするのだが… それもなかったので、私は「すいません。あと100円お願いします」と言った。その女性は「いいえ、420円入れました」とは言わず、「はい、すいません」と言って100円を投入した。すると、その100円玉がカウントされ、デジタル表示も420円となり、ピンポ~ンと機械が精算完了の音を鳴らした。その後、3人ほどがバスカードで精算して降りて行った。

私が忘れ物チェックをして運転席へ戻ると、ちょうど先発のバスが出て行った。私はすぐに行き先等をセットして、バスを前進させて乗り場へ… その時、運賃箱の小窓に「ポトン!」と1枚の100円玉が落ちてきたのである。「あれ? もしかして… そうなの???」驚いた私は外を見た。すると、先程の女性が50mほど前方を歩いていた。私はすぐに前扉を開けてバスを降り、彼女の後を追った。この運動不足の体では、“走る”と言っても“ジョギング並み”である。しかも相手は若い… 歩く速度もそれなりに速い… 後ろから声を掛けようと思ったが、残念ながら“耳栓”をしていた… 結局、私は彼女を追い越すまで走り続けなければならなかった。私に気付いた彼女はすぐに“耳栓”を外した。そして私は「すいません…(後略)」と簡単に事情を説明して100円を手渡した。彼女は少し驚きながらも「すいません…」と言った。

私は急いでバスへ戻り、運転席へ… 先発バスが出たばかりだったので、乗客どころか周囲には誰一人いなかった。しばらくすると、バスを見ながら近づいてくる学生らしき男がいた。「バスに乗るのかな?」と思ったが、乗ってこなかった。またしばらくすると、前方から一人… また一人…(しかも男ばっかり…) しかし、誰も乗ってこなかった。その後、二人の男がやってきて、私が乗降したまま開けておいた前扉から乗ろうとしたので、私は「あの… 乗車は後ろからです」と言った。すると、二人は後ろ扉の方へ歩きながら「まだ開いてねぇじゃん…」と言ったのである。「ん?」私はすぐに扉開閉レバーを見た… 見事に後ろ扉のレバーは【閉】になっているではありませんか! 「あっ! ごめん、ごめん…」私は彼らに謝りながら扉を開けた… すると、ドドッと10名近い男女が乗り込んできたのだ。あらま… そんなに多くの人が待っていらしたのね… 気付かなくてごめんなさい。てっきり、後ろ扉も開けてあるものだと思い込んでいました…