ユナイテッドシネマ金沢で 「エルヴィス」を観ました。

パンフレットはピアノの前に座ったエルヴィスの写真。予告編やポスターでよく見るピンクのスーツでステージに立ってる写真じゃないのがちょっと新鮮。
監督:バズ・ラーマン
エルヴィス・プレスリー:オースティン・バトラー
トム・パーカー :トム・ハンクス
プレスリーの曲、と言われて浮かんでくるのは私の場合「ラブ・ミー・テンダー」「好きにならずにいられない」「監獄ロック」「ブルー・スエード・シューズ」…などかな。
800以上の曲を持ち、主演映画は33本、世界で最も売れたソロアーティスト、キング・オブ・ロックンロール:エルヴィス・プレスリーの伝記映画です。
ゴスペルやリズム・アンド・ブルースに囲まれた子ども時代を経て、エルヴィスの生み出した音楽はカントリー&ウエスタンとリズムアンドブルースの融合、誰も体験したことのない音楽でした。
激しいステージパフォーマンスで観客を魅了して行きます。
でもその斬新過ぎるパフォーマンスのために中傷を受けたり警察にマークされたりしますが、自分のスタイルを貫き、ファンたちに支持されます。
エルヴィスがまだトラック運転手兼歌手だったころに才能を見出しずっとマネージャーを勤めたのがパーカー大佐。うさん臭い人物でエルヴィス側から手を切ろうとしたことが度々あったにも関わらずふたりの関係はずっと続いた。
(ボラプ、とかロケットマンもそうでしたがミュージシャンのマネージャー≒小悪党なケースが多いですよね。時代劇のお代官様的立ち位置みたいなどと思ってしまった)
エルヴィスと家族(特に母親)の関係も丁寧に描かれていました。
生まれて間もなく亡くなった双子の兄(ジェシー)のこと。子供の頃父親不在で金銭面でとても苦労したこと。だから大きな家を買ってあげたかったしママにピンクのキャデラックをプレゼントした。
(そういえばドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」で余命僅かなマーティンが叶えたかったことが「海を見に行くこと」と「ママにピンクのキャデラックをプレゼントすること」でした
)

ハードなステージをこなし、コンサートツアーで家を開けがちになり妻プリシラともすれ違うようになっていく。
休むことよりも手っ取り早く体力を回復させる(投薬)ことでますます体は蝕まれていく。
しばらく休んでほしいという妻に「50歳と40歳になったら普通の夫婦に戻ろう」というエルヴィス。
身を削ってもファンの前で歌うことを選んだのでした。

プレスリーが語った足のない鳥の話が印象的でした。
足のない鳥は止まり木に止まることができず永遠に飛び続けるしかない、ほんの少し風に身を任せて休むだけ…それはエンターテイナーとしてずっと走り続ける自分自身のこと、でしょうか。
名曲の数々に酔いしれる160分間。
オースティン・バトラーのステージシーンほんとカッコよかったです。
そうそうプレスリーと言えばモミアゲときんきらのジャンプスーツ姿がまっさきに浮かんだのですが

↑こういうの、ね。(これは映画のシーンじゃなくてご本人です。)
これはリベラ―チェの影響なんだそうで、ほおぉと納得してしまいました。