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「75歳、心房細動と共に生きる。老いや病、経済的な問題を抱えても、自分に満足するためのヒントとは」2023年10月23日鎌田實#医師、作家

2023-10-26 17:05:50 | 連絡
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鎌田實
医師、作家
1948年東京都生まれ。75歳。
東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任し、長年地域医療に携わる。
チェルノブイリ、シリア、東日本大震災の被災地支援に精力的に取り組む。『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』
 
『鎌田式健康手抜きごはん』
 


など著書多数
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毎日機嫌よく過ごしたくても、生きていれば悩みや心配ごとは尽きないもの。
これまで多くのいのちに寄り添ってきた鎌田實先生に、幸福度を上げるコツを教えてもらいました(構成=山田真理 イラスト=太田裕子)
〇今を楽しむために欠かせないこと
毎年3月に国連の関係機関から発表される「世界幸福度ランキング」
日本はGDPや健康寿命のスコアは決して悪くないのに、今年も47位という低い順位でした。
もしかすると日本人は、身近にある幸福を実感しにくい国民なのかもしれません。
しかも年を重ねると病気や介護、経済的な問題といった不安が加わり、ますます幸福を感じにくくなる。
患者さんと話していても、「そんなに先のことばかり心配しなくてもいいのになあ」と思うことがよくあります。
私自身は、現在75歳。
数年前から心房細動
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芸能界加山雄三さん桂三金さんで長嶋さんオシムさん発症続出 脳卒中の明暗を分ける「3つの条件」とは2019年11月16日日刊ゲンダイヘルスケア
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/8a8aafb9b8b7955863160f5c8d15e149


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をたびたび起こし、2021年には太ももからカテーテルを入れて心臓の筋肉を焼く手術をしました。
心房細動は高齢になるほど増える病気ですし、手術後は絶対安静ということで初めてオムツをつける経験もして。
「いよいよ自分も老いの仲間入りか」と、落ち込み半分、おかしさ半分で苦笑いしたものでした。
しかし私は長年、「がんばらない生き方」を提唱してきました。
自分の「老い」や「病」についても、なるべく無理なく自然につき合っていきたいと考えています。
実はこの2年でまた心房細動を何度か起こし主治医には「もう一度手術をしたほうがいい」と提案されました。
けれども私の望みは、生きている間はピンピンと元気に過ごし、ひらりとあの世へ逝くこと。
75歳という年齢を考えると、今は負担のかかる手術はしないほうがいいと判断し、薬物治療と運動で対処することにしたのです。 
現在は、ウォーキングや自宅でできる筋トレに加え、スポーツジムにも通っています。
今日はベンチプレスで37.5kgのバーベルを持ち上げ、「最高記録ですよ」とトレーナーさんに褒められました。
がんばらないと言いながら筋トレを続けるのは、今を楽しみたいからです。
私はスキーが大好きですし、仕事で東京に行ったときにジャズ喫茶を巡る趣味もある。
スキーはもとより、ジャズ喫茶は地下にあることが多いので、階段を下りるために足腰の筋肉を鍛えておかなければならないのです。
もちろん無理はしません。
でも、持病があったとしても自分の足で歩き、買い物に出かけ、美味しい物を食べることが人生の最期までできたら最高でしょう。
老いや病気、経済的な問題を抱えたからもうダメだとあきらめるのではなく、そこをどうコントロールして楽しむのか考えるのが、人生100年時代には大事な姿勢です。
がんばらないけど、あきらめない。
毎日を前向きに生きるために、私も実践しているちょっとしたコツをご紹介します。
〇体を動かすとやる気が湧いてくる
心配ごとを抱えると人はうつむき加減になり、視線も下を向きがちです。
心がうつうつとしたときは、両腕を上げて胸を大きく開く「バンザイ・ストレッチ」をしてみましょう。 
(1) 足を肩幅に開いて立ち、息を吸いながら前へならえ。
(2) そのまま息を吸いながら片足を前に踏み出し、
胸を大きく広げて「バンザイ」をします
(3) 息を吐きながら、姿勢を(1)に戻しましょう。
踏み出す足を替えて、左右5回ずつ行ってください。 
腕を上げるとき、吸い込んだ息で胸を膨らませる胸式呼吸をすると効果的です。
腹式呼吸が副交感神経を刺激してリラックス効果をもたらすのに対し、胸式呼吸は交感神経を刺激するので、気分がリフレッシュします。
気持ちも明るく前向きになり、やる気が湧いてくるはずです。
らにおすすめなのが、朝日を浴びながらこのストレッチを行うこと。
太陽の下でリズミカルな運動をすると、「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質・セロトニンが分泌され、心が安定し、幸福感を得やすくなります。
心のモヤモヤを頭の中で整理しようとしても、深みにはまってうまくいかないもの。
内科医の私としては、体を動かして心へアプローチしたほうが、前を向くための近道になるのではないかと思うのです。
 ほかにも、私が年齢を問わず始めやすい筋トレとしてすすめている「スクワット」や「かかと落とし」
これらを毎日少しずつでも続けると、テストステロンという男性ホルモンが分泌されます。
男性だけでなく女性もつねに少量は出ていて、筋トレによって分泌量が増えるとチャレンジ精神が旺盛になり、気持ちが積極的に。
集中力も高まるため、私は「なにくそホルモン」とも呼んでいます。
人生後半をポジティブに過ごすためには、筋肉が何より大切なのです。 
〇人生に対する自己肯定感を上げよう
先日、大村崑さんとお会いする機会がありました。
86歳で筋トレを始めた大村さんは、91歳の現在も若々しくお元気です。
よく眠れるようになり、外出が億劫ではなくなった、と嬉しそうに話していました。当
初はスクワットも満足にできなかったそうですが、ジムでトレーナーから励まされ、5回10回とできる回数が増えるうちに筋トレの楽しさにハマっていったとか。 
目標を達成したり褒められたりしたとき、脳はドーパミンという報酬系の快感ホルモンを出します。
すると気持ちよさや満足感が得られ、「またがんばろう」と意欲的になれるのです。
 ドーパミンをうまく出すコツは、あまり高すぎない目標を立て、達成できたときは「やったー!」と素直に喜ぶこと。
そして、家族や友だちに報告して褒めてもらうといいでしょう。自分で自分を褒めてもいいのです。
どんなに小さな進歩でも、「昨日より今日のほうが少しいい」とつぶやいて。次第に人生に対する自己肯定感が上がり、良いサイクルが生まれます。
とはいえ生きていれば、思い通りにいかないことのほうが多い。
なぜかむしゃくしゃしたり、許せない気持ちになったり、ネガティブなことばかり考えてしまったり。
そういったモヤモヤした感情を無自覚に溜めこんでしまうと、自分も苦しいでしょうし、不機嫌オーラを振りまくことで周囲の人も嫌な気持ちにさせてしまいます。
もし不機嫌のサイクルに陥ってしまったら、自分が今どんな感情を抱いているのかを確認し、その感情に名前をつけてみましょう。
たとえば私の場合、「仕事が滞りぎみで焦っているんだな。
つまり〈仕事あせあせ症候群〉だ」とか。
名前をつけると客観視できるので、どうしたらいいか対処法も考えやすい。
なるべくおかしな名前を考えてクスッと笑えば、気持ちも少し晴れると思いますよ。不機嫌な気持ちを忘れて、一息つく時間を大切にしてください。 
〇老いと上手に付き合っていくには
私は医者という職業柄、人前に出るときは地味な色の服ばかり着ていました。それが8年ほど前、いつもスーツを仕立ててくれる洋服屋さんが「筋トレで体がすっきりしてきたから、白のスーツも似合うと思いますよ」とすすめてくれたのです。
初めは照れ臭かったけれど、意外と周りには好評で、不思議と気持ちも元気になった。
それからはスーツの下に明るい色のシャツを着たり、ピンクのブレザーや点字柄のスーツなど、遊び心のある服に挑戦したりして楽しんでいます。
年甲斐もなく」と言われるかもしれませんが、逆に70歳を過ぎたら誰にどう思われたって関係ない(笑)。
もちろん失敗もありますが、恐れずチャレンジできるのも「老いの特権」じゃないかと前向きに捉えているのです。
「あなたは自分が何歳だと感じていますか」という質問に対して、実年齢より若く答えた人ほど、日常生活動作の機能低下がゆっくりである――。
これはドイツ老年医学センターの研究結果です。実際の年齢を忘れたほうが老け込まずに済むのだと、医学的にも証明されている。
年齢という数字だけでなく、病院で測る検査の数値にも、あまり振り回されないほうがいいと私は考えています。
たとえばコレステロール値は、低すぎると死亡率が上がってしまうというデータがありますが、とくに70歳以上であれば、少しコレステロール値が高い「ちょいコレ」を心配する必要はありません。
悪いデータを見せられて「自分はもうダメだ」と落ち込むのではなく、少しずつ生活習慣を改善しながら「この数値なら大丈夫」と折り合いをつけて、自分の楽しみもあきらめない。
それが、長い人生を幸福に生きることにつながるのではないでしょうか。
 ただ、長く生きていると別れの機会も増えます。
家族に先立たれてひとりになる、外出が難しくなった友人と会えなくなる。
ひとりの時間が増えるそのときに備えて、少しずつウォーミングアップを始めるのがおすすめです。私はそれを、「ソロ立ち」と名づけました。 
 たとえば夫婦で京都旅行をするとき、新幹線を降りたら夫はお寺巡り、妻はショッピングと別々に行動してみる。ランチで一度合流したら、午後はまた別行動。そんな楽しみ方もあるでしょう。映画館にひとりで出かけるのもいいですね。
友人と一緒に行く場合、お互いに遠慮して無難な作品を選びがちではありませんか? 本当に観たい映画を選べたら、「あら、私って実はこういうジャンルが好きなんだ」と新しい自分を見つけたり、自分の価値観を再確認できたりするかもしれません。
ひとりの時間は、自分の考えで判断して行動するという「自己決定」の訓練になります。
この自己決定ができるようになると精神的に自立し、物理的に誰かと一緒にいなくても充実した時間を過ごすことができる。
そういう人は、人生の最終局面でもオロオロしません。
どのような医療を受け、どんな最期を迎えたいかを自分らしく選び、それに満足できるからです。
自分の人生を肯定的に捉え、最後に「ありがとう」と「さようなら」をきちんと言うためにも、先のことばかり心配してクヨクヨしていてはもったいない。前向きに今を楽しんでいこうではありませんか。
出典=『婦人公論』2023年10月号 
 


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