世界標準技術開発フォローアップ市場展開

ガラパゴス化から飛躍:小電力無線IEEE802規格開発会議・・・への寄与活動拡充

製造の「中国離れ」進むか 欧米との賃金格差が大幅縮小2023.02.07Milton Ezrati

2023-02-07 15:01:40 | 連絡
:::::
Milton EzratiContributor
I consult on economics and investment strategy and serve as chief economist for the NY-based communications firm, Vested. 
I am a contributing editor for The National Interest and an affiliate of the Center for the Study of Human Capital and Economic Growth at the University at Buffalo (SUNY). 
In my long career in finance, I have held positions as portfolio manager, director of research, and chief investment officer. 
My most recent book, Thirty Tomorrows, takes up the question of how economies can meet the challenge of globalization and aging demographics. 
I hold an MSS in mathematical economics from Birmingham University in England and a BA in economics from the State University of New York at Buffalo.
 :::::
翻訳=遠藤康子/ガリレオ
:::::
これまで中国の強みだった、「生産コストの低さ」が失われつつある。
40年以上にわたって中国経済の支柱になってきたのは、安価な労働力だ。
それを目当てに、欧州や北米の製造業者が中国に殺到。
はじめはシンプルで安い製品を、やがては、より精巧で高価な製品を製造するようになった。こうした投資により、中国経済は驚異的な急成長を遂げた。
しかし、しばらく前から、中国とアジア全般における賃金は西側諸国よりも速いペースで上昇しており、いまでは低コストという強みはほぼ消えつつある。
かつて、西洋と中国の間には非常に大きな賃金格差が存在した。
中国の国家統計局によると、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年当時中国人の平均賃金は年間およそ9333元、米ドルに換算して約1127ドル(約15万円)だった。一方、米社会保障局(SSA)によると、同時期における米国の平均賃金は年間3万846ドル(約410万円)で、中国の30倍近くに上っていた。
そのころ全米自動車労働組合(UAW)が実施したある調査によると、中国の自動車業界で働く労働者1人の平均時給は米ドル換算で59セント(約78円)で、米国の同業界で働く労働者が得る時給の3%にも満たなかった。
遠く離れた中国での製造となれば、複雑な条件とコストが伴うし、米国の労働者のほうが質の高いトレーニングを受け、生産性も高かったが、人件費の差は抗しがたいものだった。
こうしてメーカー側は、中国での製造に重心を移していった
しかし、しばらく前から、中国とアジア全般における賃金は西側諸国よりも速いペースで上昇しており、いまでは低コストという強みはほぼ消えつつある。

かつて、西洋と中国の間には非常に大きな賃金格差が存在した
。中国の国家統計局によると、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年当時、中国人の平均賃金は年間およそ9333元、米ドルに換算して約1127ドル(約15万円)だった。
一方、米社会保障局(SSA)によると、同時期における米国の平均賃金は年間3万846ドル(約410万円)で、中国の30倍近くに上っていた。
2011年になると、中国の平均賃金は年間4万1799元、米ドル換算で6120ドル(約81万円)まで増えた。同年の米国の平均賃金は年間およそ4万ドル(約531万円)で、中国を大きく上回ってはいたものの、その差は6.5倍にまで縮小した。
その後、新型コロナウイルスの流行により、中国から西側諸国への物流にさまざまな問題が生じたころまでには、賃金の差は大きいとは言えないものになっていた。
中国の国家統計局が公表した21年通年データによると、中国の平均賃金は年間10万5000元、米ドル換算で1万6153ドル(約214万円)。
一方、米国の平均賃金は年間およそ5万8120ドル(約771万円)と、中国の3.5倍だ。格差は依然として大きいが、以前ほどではない。 
人材コンサルティング会社ECA International(ECAインターナショナル)の22年10月に発表した年次報告書「サラリー・トレンド・リポート」によると、賃金格差は2022年も縮小を続けており、23年にはさらに縮まりそうだ。
2023年の中国ならびにアジア全般では賃金上昇率がインフレ率を上回るとみられる一方、欧米では賃金上昇率がインフレ率を下回る見通しだという。
同報告書はまた、2023年の実質賃金は中国で3.8%上昇し、インドなど他の一部アジア地域ではさらに早いペースで上昇すると予想している。
これに対して欧州は、実質賃金がおおむねマイナス1.5%、南北米大陸はマイナス0.5%との予想だ。
こうなると、米中の賃金格差は3.3倍近くまで縮小する可能性がある。 
賃金格差は今も存在するが、もはやかつてのように、中国で製造するほうが合理的だと思えるほどの差ではない。
生産性はいまも米国の労働者のほうが高いことから、この人件費の差は完全に相殺されるかもしれない。

最近はそれ以外にも、切迫した問題が持ち上がっている。
中国はもはや、物資調達先として、かつて考えられていたほど信頼できる存在ではないのだ。
中国政府はコロナ禍のあいだ、マスクなどいくつかの重要物資に輸出規制をかけた。
その理由は十分に理解できるが、そうした措置が、海外のバイヤーやメーカーに良い印象を与えたとは言えない。
中国政府はさらに、ゼロコロナ政策を導入し、長期間にわたって製造を停止させた。
そうした状況は、コロナ流行が世界の大半で収束したとみなされた後も続いたため、西側メーカーが中国からの調達を見直すさらなるきっかけとなった。
中国経済は、以前とは異なり、西側諸国に頼る必要が減っている。
西側メーカーが製造の場を他国に移動したとしても、成長は可能だ。
ただし、縮まり続ける賃金格差と、上記の諸問題によって、中国経済の成長はこれまでのペースに遠く及ばない水準まで減速するだろう。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿