鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

希望の後継者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第十七話

2019-09-23 14:30:35 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の後継者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第十七話




無限に拡がる大宇宙__。
静寂に満ちた世界。
死にゆく星、生まれてく星、そう宇宙は生きているのだ。

アンドロメダ級エンタープライズが、至近距離で撃ち放った拡散波動砲によって、イスカンダルは静けさを取り戻したかに見えた__。

だが、イスカンダルの王都イスク・サン・アリアその中心にスターシャが住んでいる大宮殿クリスタルパレスは、水没した。
二割ほどの大地も一割強しか確認出来ない。

スターシャは死亡してしまったのか?
母であるスターシャを救出に向かった娘サーシアは?
ユリーシャやメルダの姿もまた、そこにはなかった__。

そして、イスカンダル上空に浮遊するエンタープライズもまた、生存者は確認する事が出来なかった__。


◆◆◆◆




「総員、第一級戦闘配置!」
「白兵戦に備え、銃の携帯を許可する!」
「機関長。補助エンジンを最大パワーに!」
「各部署はオートから手動に切り替えよ!」

「主砲!波動カートリッジ弾装填!」
「山本!待たせたな。航空隊全機発艦せよ!」

「ラジャー!!」




「佐々木、椎名隊はヤマト護衛にあたれ!!」

「ラジャー!!」
イメージ曲新コスモタイガーのテーマ「宇宙戦艦ヤマトーヤマトよ永遠にー」より。

だが、ヤマト航空隊が発艦した事で、サーダは、心を乱され、ミサイル砲を乱射させた。

「クッ!奴は気が変わったのか?」
「バカスカ撃って来やがる!」
「みんな!何かに捕まれ!」





「避けきれない!」
島の神業的な操艦を持ってしても、多大な直撃を喰らってしまう。
軽微で済んだが第一艦橋もまた、例外ではなかった。
しかし、飛び散る破片の一つが島の腹部に直撃、必死に痛みをこらえ操縦悍を握るのが、やっとであった。

「ぐわっ!」

「ん!?」
「島。どうかしたか?」
顔をしかめる島に古代は声を掛けた。
心配させまいと島は嘘をつく。
「何でもない。ちょっと突き指しただけだ。もう痛みも和らいだ。」



「隊長!ヤマトが、護衛隊が酷くやられているようだ!」

「此方、山本。了解した。」
「坂本。あとを頼む!陽動撹乱だ!」
「私は椎名隊とヤマト護衛に回る!」

「ラジャー!!」

ヤマトに急行する山本。

「好き勝手やってくれちゃてッ!!」
「気でも狂ったか!!」
「チッ!二発抜けた!?」
「艦橋に直撃コースじゃんかよ!」

「ん!?ヤマトの動きが変だ!」
「このままじゃヤマトが、沈む!」

「やらせるかぁぁぁぁぁーーーッ!!」







「やっ!……山本!?」
「山本ォォォォォーーッ!!」

また一つ尊い命が散った__。
航空隊隊長:山本が戦死した__。

死闘が繰り広げられる中、シャンブロウに赴いていたデスラーの参戦により、サーダは撤退を余儀なくされ、ワープで撤退した。
ヤマトはデスラーの力を借り、デスラー砲艦カタパルトに接続され、イスカンダル、ガミラス星を目指した__。




◆◆◆◆






「島……山本……。山南司令……。」

「地球を救う事は出来たが、イスカンダルをスターシャさんを救う事は叶わなかった……。」
「本当に地球の平和は宇宙の平和に繋がるのだろうか……。」




「新たな後継者のもと歩むのも悪くはないと言う事か。」




「それぞれの新たな旅立ちね。」


◆◆◆◆




「さて、脱出したは良いが陛下にごねられては、このまま総統の所へ行ける訳もなく、俺としてもどうしたら良いものかと……。」

「キャプテ~ン。」
副長のハイニが何時もの口調で呼んでくる。

「何か?」

「陛下から映像通信であります。」


【無限軌道航行宇宙船アルゴー・イスク・サン・アリア号】イメージ



「キャプテン。ご相談があります。」
「此方のアルゴーまでお越し頂けません?」
「ドッキングベイ(接岸区画)を開けておきます。」


◆◆◆◆




「古代艦長。わがままをお許し下さい。」
「私は元々、ダンサー。軍服よりコッチが落ち着きます。それと……。」








無限に拡がる大宇宙__。
静寂に満ちた世界__。

この静寂な世界で、誰一人として、スターシャとフラーケンキャプテンそして、乗組員たちを見た者はいない__。

エンディングイメージ曲真っ赤なスカーフ「宇宙戦艦ヤマト2199ver.」より。


~fin~




「お父様。地球いや、ヤマトとクルーの拿捕は失敗に終わりました。」
「申し訳ありません。」

「サーダよ。いずれ手に入れる時が来る。」
「その時こそ手に入れろ。」
「お前は我が種族を残せる唯一の存在。今は、無理をするな。」

「はい。お父様。」



プロローグはコチラ。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

希望の後継者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第十六話

2019-09-23 02:12:54 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の後継者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第十六話




容赦なくイスカンダルの大地に降り注ぐ、アクエリアスの小さな無数の水柱。
小さな水柱とは言え、小型から中型の台風並の雨量がある。
降水量で言えば一時間に50mm~100mm近い量だ。
その小さな水柱はイスカンダルだけではなくアンドロメダ級エンタープライズにも降り注ぐ。
直撃を喰らう度に小刻みに揺れた。
山南はイスカンダルから離脱しようとはしない。

「艦、固定制御スラスターをふかし続けろ!」
「アクエリアスから伸び墜ちる超巨大水柱のデーダー解析急げ!」
「機関長!エンタープライズが水没するギリギリまで、この場に留まる!」
「解析オペレーターと連携を取れ!」



山南がスターシャを説得して一時間が、過ぎようとしていた。
そんな中、娘サーシアが動き出す。
シュヘラザードをイスカンダルに降ろし、自身が母スターシャを救出しようと。

「司令!シュヘラザードが!」
「シュヘラザードが降下して行きます!」

「なっ!何ッ!?」
「通信オペレーター!シュヘラザードへ回線を繋げ!」

「無茶だ!サーシアさん!」
「戻るんだ!」



「ごめんなさい。司令。」
「……でも、わたくしの…。」
「わたくしの母です。わたしなら……。」

「ダメだ!君も無事では済まないかも知れない!」



「そんなに危険なら尚更!!」
「尚更、わたくしはイスカンダルに降ります。ユリーシャの叔母様も特使のメルダさんもまだしも脱出していないのです!」
「わたくしの事より、ガミラスの臣民を!」





「……。」
「これより、我がエンタープライズは盾と成る!」
「拡散波動砲発射準備!」

「……拡散波動砲!?」
「司令!安全距離が取れません!」
「それに拡散波動砲では、あの超巨大な水柱を粉砕出来ません!」
拡散波動砲発射の命令な船務長か待ったを掛ける。

「船務長。今、エンタープライズと水柱の距離は?」
「約7.200宇宙キロです!」
「拡散する前に水柱に当たります!」

「ならば、収束された状態で、あの水柱にぶち当てると言う事だな。」



「……計算上は、そうです。」
「しかし、水柱の落下速度からして拡散波動砲発射体制が整った時には、距離は2.000宇宙キロです!」
「拡散波動砲をぶち当てても、下手をすれば我がエンタープライズは、水没する可能性が大です!」

「船務長、今はサーシアさんに希望を託すしかない。」
「艦首を真上に回頭せよ!」

山南は、シュヘラザードがイスカンダルの大気圏突入を確認後、至近距離から拡散波動砲を発射された__。


◆◆◆◆


ボロボロで満身創痍ヤマト、場所によっては骨組が露出している。
数分間の沈黙が宇宙空間に漂う。

「……!?」
「みっ、みんな無事か?」
いち早く意識を取り戻した古代が口を開いた。

第一艦橋のクルーは皆、無事のようだった。
「……痛ぅ。」「ううう…。」と言葉に成らないものもあるが、返事はある。
古代は、間髪入れずに各部署の状況を確認した。
航海長である島が、とっさに緊急ワープした事で総員、怪我をする者が居たが無事ではあった。
到達空間を入力せずに緊急ワープした為、ヤマトは消滅してゆく人工ブラックホールの核(コア)が存在した付近に姿を現した。

だが、この状況下、古代の予測通り、サーダ座乗艦インペリアル・プレアデスが、当宙域に姿を現した。



「ほほう。」
「やはり、自分たちを犠牲にしてまで地球を地球人類を助けたか。」
「地球人類は必要な素材かも知れんな。」
「拿捕する!クルーは1人でも多く持ち帰るぞ!」

「益々、気に入った。忠誠心は高く評価できそうだな。」
「うふふ。」




艦(ふね)が大きく揺れる。

「どうした!?」

「あっ!ハイ!」
「艦長!コスモレーダーが損傷している為、三分の一のエリアしか映りませんが、インペリアル・プレアデスを捉えてました!」

「うむ。」

「機関長、エネルギー増幅!」

「……艦長!波動エンジンの損傷が激しく修復には、およそ48時間!」
「現在、補助エンジンしか使用出来ません!」

全クルーが気を失っていた為、艦全体の確認が遅れていた為の失態である。

重たい空気に包まれる第一艦橋内。
だが、そんな事はお構い無しに攻撃を仕掛けて来るインペリアル・プレアデス。
ただ、古代をはじめ、第一艦橋のクルーたちは、何か通常の戦闘とは違うと感じていた。

「奴はサーダは、ヤマトを沈める気はない!奴の目的は拿捕する事だ!」
重たい空気が流れる中、古代はこう告げた。


第十七話(最終話)へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。