鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

希望の後継者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第十一話

2019-09-03 21:21:51 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の後継者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第十一話


アベルトの機転と大胆な戦略により、勝利を収めたガミラス残存艦隊。
そのアベルトは、近衛艦のみを引き連れ、ジレルの母星と化したシャンブロウへと舵を切った。
残る艦艇はディッツ総参謀長の指揮下へ入る事を命じられ、ガミラス・イスカンダル星の中間点を目指した。


◆◆◆◆


その頃、宇宙戦艦ヤマトはシュヘラザードを牽引、護衛駆逐艦冬月と共に地球を目指していた。

木星と火星のほぼ中間点に差し掛かった時であった。
突如、右舷艦尾が被弾した。
激しい揺れがヤマトとクルーを襲う。
訳が分からず、辺りをキョロキョロする者、悲鳴を上げる者、無言で状況を把握しようとする者、艦尾以外の部署でも同じような光景が見られた。
それは艦の要である艦橋でも伺えた。

「何をやっている!」
「速やかに状況を確認、報告せよ!」
叱責する古代。

その中でも、いち早く報告を上げたのはレーダー長の折原であった。

「報告します!」
「右舷艦尾、第17ブロックに魚雷が命中したと思われます!」
「現在、詳しく調べていますが、亜空間魚雷と思われます!」
「ですが、不発だったようです!」

「不発!?」

「はい。そのようです!」
「現在、状況確認に向かった保安隊が処理をしています!」

「相原!艦内通話で保安隊の星名を呼び出せ!」



「はい。此方、保安隊隊長の星名。」

「星名。艦長の古代だ。」
「不発魚雷を艦内廃棄物処理室へ運んで、解体処理を頼む。」
「構造が複雑で、解体が困難と判断した場合には、射出し投棄せよ。」

「星名。了解しました。」

「全艦!第一級警戒配置!」
間髪入れずに古代は指示を飛ばした。

だが、その配置命令も束の間、ヤマトメインレーダーが、前方70.000の距離に、あのサーダ座乗のインペリアル・プレアデスを捉えたのだ。

「メインコスモレーダーに感あり!」
「……これは、これはインペリアル・プレアデス艦を捕捉!」

「ワープアウト直後と思われます!」

「インペリアル・プレアデスだと!?」
「やはり、素直に離脱した訳ではなかったようだな。」心の中で思う古代。

「全艦!第一級警戒配置から第一級戦闘配置へシフトせよ!」

古代の命令に被せるように通信長:相原が告げて来る。

「艦長!例のサーダを名乗る者から映像通信! 」
「メインモニターに繋ぎます!」



「古代艦長。一つ伝え忘れた事を伝えようと思いましてね。」
「こうして、追って来たのですよ。」
「うふふ。」

「ほう。それは有難い。」
「で、このヤマトと刺し違えるおつもりか?」
古代は嫌みを混ぜ、返答した。



「フッハッハッハッハッ。」
「お望みなら、後程。」
「その前に教えて差し上げましょう。」

「これをご覧頂こう。」メインモニターに映るサーダの正面、胸元辺りに空間ホログラムが浮かび上がる。




イスカンダルとガミラスが浮かび上がり、その後方にイスカンダルに似た水の惑星が浮かび上がった。

「この惑星をご存知?」

その問に古代は、「二つは知っている。」と短く返事をした。

「でしょうね。」

「でも、自由軌道惑星アクエリアスは、ご存知ないようですね。」

「……アクエリアス!?」ふと古代は思う。

「このアクエリアスは別名、水の惑星アケーリアスとも言われる惑星(ほし)。」その言葉に古代をはじめ、艦橋に居るクルーたちは、驚きを隠せなかった。
サーダの話は続いた。
「今、この水の惑星アケーリアスは自身の子であるイスカンダルとガミラス星を呑み込もとしているわ。」

「……アケーリアスの子!?」
古代は聞き返した。

「そう。アケーリアスの子。」
「惑星(ほし)の九割が水で出来た星アケーリアスは太古の昔、そう。宇宙創生の頃、まだこの宇宙に銀河が今みたくなかった頃、大マゼラン銀河が誕生した頃、このアケーリアスは衛星を落として次の銀河へと移動したの。」

「伝説の始まりね。」

「水多き惑星は、全てこのアケーリアスの衛星だったの。」
「あなた方の地球もね。」

「うふふ。ご存知なかったみたいね。自分たちの星の歴史も。」
「簡単に言えば、イスカンダルが長女でその姉妹にあたるのがガミラスと地球。」
「驚きを隠せないようね。」
「まぁ。無理もないわね。」
「伝説の女神と言われたアケーリアスに逢えば、解る事だけどね。」
「話を元に戻すと、あと数日でイスカンダルもガミラスも水没するの。」
「あと数日でね。」

「あと三日で地球はブラックホールに呑み込まれ、その二、三日後にはイスカンダルとガミラスがアクエリアスによって水没、地球人もイスカンダル人もガミラス人も、死滅する。」

「フッハッハッハッハッ。」映像通信は切れ、再びインペリアル・プレアデスは姿を消した。


第十二話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。