鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

希望の後継者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第十六話

2019-09-23 02:12:54 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の後継者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第十六話




容赦なくイスカンダルの大地に降り注ぐ、アクエリアスの小さな無数の水柱。
小さな水柱とは言え、小型から中型の台風並の雨量がある。
降水量で言えば一時間に50mm~100mm近い量だ。
その小さな水柱はイスカンダルだけではなくアンドロメダ級エンタープライズにも降り注ぐ。
直撃を喰らう度に小刻みに揺れた。
山南はイスカンダルから離脱しようとはしない。

「艦、固定制御スラスターをふかし続けろ!」
「アクエリアスから伸び墜ちる超巨大水柱のデーダー解析急げ!」
「機関長!エンタープライズが水没するギリギリまで、この場に留まる!」
「解析オペレーターと連携を取れ!」



山南がスターシャを説得して一時間が、過ぎようとしていた。
そんな中、娘サーシアが動き出す。
シュヘラザードをイスカンダルに降ろし、自身が母スターシャを救出しようと。

「司令!シュヘラザードが!」
「シュヘラザードが降下して行きます!」

「なっ!何ッ!?」
「通信オペレーター!シュヘラザードへ回線を繋げ!」

「無茶だ!サーシアさん!」
「戻るんだ!」



「ごめんなさい。司令。」
「……でも、わたくしの…。」
「わたくしの母です。わたしなら……。」

「ダメだ!君も無事では済まないかも知れない!」



「そんなに危険なら尚更!!」
「尚更、わたくしはイスカンダルに降ります。ユリーシャの叔母様も特使のメルダさんもまだしも脱出していないのです!」
「わたくしの事より、ガミラスの臣民を!」





「……。」
「これより、我がエンタープライズは盾と成る!」
「拡散波動砲発射準備!」

「……拡散波動砲!?」
「司令!安全距離が取れません!」
「それに拡散波動砲では、あの超巨大な水柱を粉砕出来ません!」
拡散波動砲発射の命令な船務長か待ったを掛ける。

「船務長。今、エンタープライズと水柱の距離は?」
「約7.200宇宙キロです!」
「拡散する前に水柱に当たります!」

「ならば、収束された状態で、あの水柱にぶち当てると言う事だな。」



「……計算上は、そうです。」
「しかし、水柱の落下速度からして拡散波動砲発射体制が整った時には、距離は2.000宇宙キロです!」
「拡散波動砲をぶち当てても、下手をすれば我がエンタープライズは、水没する可能性が大です!」

「船務長、今はサーシアさんに希望を託すしかない。」
「艦首を真上に回頭せよ!」

山南は、シュヘラザードがイスカンダルの大気圏突入を確認後、至近距離から拡散波動砲を発射された__。


◆◆◆◆


ボロボロで満身創痍ヤマト、場所によっては骨組が露出している。
数分間の沈黙が宇宙空間に漂う。

「……!?」
「みっ、みんな無事か?」
いち早く意識を取り戻した古代が口を開いた。

第一艦橋のクルーは皆、無事のようだった。
「……痛ぅ。」「ううう…。」と言葉に成らないものもあるが、返事はある。
古代は、間髪入れずに各部署の状況を確認した。
航海長である島が、とっさに緊急ワープした事で総員、怪我をする者が居たが無事ではあった。
到達空間を入力せずに緊急ワープした為、ヤマトは消滅してゆく人工ブラックホールの核(コア)が存在した付近に姿を現した。

だが、この状況下、古代の予測通り、サーダ座乗艦インペリアル・プレアデスが、当宙域に姿を現した。



「ほほう。」
「やはり、自分たちを犠牲にしてまで地球を地球人類を助けたか。」
「地球人類は必要な素材かも知れんな。」
「拿捕する!クルーは1人でも多く持ち帰るぞ!」

「益々、気に入った。忠誠心は高く評価できそうだな。」
「うふふ。」




艦(ふね)が大きく揺れる。

「どうした!?」

「あっ!ハイ!」
「艦長!コスモレーダーが損傷している為、三分の一のエリアしか映りませんが、インペリアル・プレアデスを捉えてました!」

「うむ。」

「機関長、エネルギー増幅!」

「……艦長!波動エンジンの損傷が激しく修復には、およそ48時間!」
「現在、補助エンジンしか使用出来ません!」

全クルーが気を失っていた為、艦全体の確認が遅れていた為の失態である。

重たい空気に包まれる第一艦橋内。
だが、そんな事はお構い無しに攻撃を仕掛けて来るインペリアル・プレアデス。
ただ、古代をはじめ、第一艦橋のクルーたちは、何か通常の戦闘とは違うと感じていた。

「奴はサーダは、ヤマトを沈める気はない!奴の目的は拿捕する事だ!」
重たい空気が流れる中、古代はこう告げた。


第十七話(最終話)へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

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