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ー希望の後継者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第十二話
「あと三日で地球はブラックホールに呑み込まれ、その二、三日後にはイスカンダルとガミラスがアクエリアスによって水没、地球人もイスカンダル人もガミラス人も、死滅する。」
そう言って彼女サーダは自艦インペリアル・プレアデスと共に、再び古代らの前から消え、数分が過ぎた__。
艦長席に胸の前で腕組みをしながら、目を閉じ、どっしりと腰を下ろす古代に第一艦橋のクルーたちの視線が集まる。
そんな空気が流れる中、航海長の島が口を開いた。
「どうするつもりだ?艦長。」
島の問から数秒の沈黙を破り、古代は返答した。
「航海長。進路このまま地球へ。」
「サーシアさん。貴女の船をお借りしたいのだが。」
古代は第一艦橋に居合わせたサーシアに声を掛けた。
「シュヘラザードをですか?」
「はい。シュヘラザードには我々の持っていない速力と宇宙航路図のデーターが有りますね!?」
「そのシュヘラザードを貸して頂きたい。」
「自分は地球もイスカンダルも、そしてガミラスも救いたいと考えています。」
その話に横から島が口を挟んだ。
「しかし、いくらシュヘラザードが冥王星から火星までを僅か10分で航行する能力があるとは言え、五日や六日でイスカンダルまで行くのは不可能だろ。」
「島。マゼラニックストームの存在は知っているな!?」
「だが、本流の位置は解らない。」
「シュヘラザードの航路デーダーにはそれが書かれているはずだ。」
「そうですね?サーシアさん。」
「ええ。書かれています。」
「我々地球に救いの手を差しのべてくれた当時、ユリーシャさんやサーシャさんも本来なら、その本流を使うはずだった。そして、我々もまた使うはずだった。」
「ガミラスが航路封鎖してなけば使うはずだった。」
「ユリーシャさんもサーシャさんも、二人とも路先案内人兼特使として、ヤマトに乗艦し、地球からイスカンダルへは、マゼラニックストームを使い行くはずだった。だが、不幸にしてユリーシャさんは、テロと思える事件に巻き込まれ意識を戻せない日々が続いた。」
「サーシャさんは、乗船するシュヘラザードのエンジントラブルと思える事故で、還らぬ人と成ってしまった。」
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「迂回航路を使うしかなかった。それでも当時、ガミラスが管理する"亜空間ゲート"を利用して。しかし、その航路ではイスカンダルで積み込んだ食料では地球まで足りるはずもなく、ワープを含め、機関全開のワープ一歩手前の超亜光速のまま、低温睡眠でこれを乗り切るしかなかった……。」
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「だが今は、ガミラスとは同盟を結んでいる。」
「堂々とマゼラニックストームを使う事が出来る。」
「シュヘラザードの最大船速とマゼラニックストームの本流の流れを利用して"フライバイワープ"をすれば……上手くすれば、ギリギリ水没前に到達も可能と思う。賭けではあるのだが。」
「……ちゃんと計算してみなければ分からないけど、おそらく叔父様の言う通り可能。」
「……叔父様。シュヘラザードを提供します。」
少し不安な表情を覗かせるサーシアではあるが、シュヘラザードを提供した。
「感謝します。」
古代は挙手の敬礼をサーシアに向けた。
「そうとなれば、根津久保副長。貴官には特使として、サーシアと共にシュヘラザードでガミラスへ赴いて貰いたい。」
「デスラーならきっと共闘に参加してくれるだろう。」
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「了解しました。」
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※第三話参照。
こうして副長あやめは、サーシアと共に一足先にガミラスへ向かう事と成った。
「相原。第七艦隊司令へ回線を繋げ。」
「了解。回線を繋ぎます。」
古代は事情を説明し、シュヘラザードと合流し、共にイスカンダルを目指して欲しいと、具申した。
「うむ。古代艦長、了承した。」
◆◆◆◆
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「あれか。」
「そうです。あとは総統、貴方が膝を折れるかです。」
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第十三話へ
つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。
使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。