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劇団四季のミュージカルを中心に主観たっぷりで綴っております

李香蘭 12/3(土)マチネ、ソワレ追記

2005-12-04 | 観劇記録
昨日の感想がまとまりのないものになってしまったので
ちょっとまとめたいと思います(まとまるかなぁ~)

沼尾さん(李香蘭)
なかなか評判は良いようでしたが、実際に自分の目で見ないことには
それは判断できない。ということで期待しつつも過剰にならないようにと
心がけました。だって期待すし過ぎて・・・だったら落胆が大きいので。
昨日の感想を読んでいただいたら分かると思うのですが、沼尾香蘭は
大変素晴らしかったと思います。野村さんの時には感じられなかったものを
感じることができたし、あぁそうだったのか~と再認識することもできました。
まだ数える程しか演じていないのに、あそこまで演技が馴染んでいるのには驚きました。
野村さんにお稽古つけてもらっているはずなのでコピーのようになっていたら・・・
とちょっと心配していたのですがそこは大丈夫でした。
裁判のシーンの必死な台詞回しは多少似ている部分がありますが全体を通して
やはり演技が違いますね。私は正直、野村さんより沼尾さんの演技の方が自然に
受け入れる事ができました。
歌は申し分ないですし、李香蘭の年齢の設定からしてもやはり沼尾さんの香蘭の方が
私にはしっくりきます。
少し前までは福岡でベルを演じていましたが、ベルよりはこちらの方が合っているかも。
でもベルも可愛かったですけどね。
そして、やっぱりクリスティーヌ・・・見たくなりました。

濱田さん(川島芳子)
言う事ないですね。歌演技ともに最高だと思います。
濱田さんの芳子は場面によって結構表情が変わるので
端っこに立っていても時々チラチラと見ています。
やっぱり冷めた目つきをしていることが多いのですが
時折感情がこみ上げたようにちょっと泣きそうな表情だったり
可愛らしい笑顔を見せたりすることもありますね。
昨日印象に残ったのは「昭和モンタージュ」。
無邪気に遊ぶ香蘭を凄く寂しそうな目で見つめていました。
劇中はクールでカッコイイ濱田さんですが、カーテンコールの笑顔がいいですね。
名古屋公演と福岡のアイーダの開幕がダブってしまいますが、いったいどうなるの?
濱田さん以外の芳子って、ちょっと思いつかないんですけど。
絶好調で芳子を演じる濱田さんの次に出てくる人はちょっと大変かも。

五東さん(李愛蓮)
五東さんについては昨日の感想でも触れていますが
優しさの中に強さを持った愛蓮大好きです。
特に沼尾さんを相手にしているときに、その優しさや芯の強さを
感じる事ができました。
やっぱり演技がいいですね~。
自然なんだけど心に響く演技。自然だからこそ響いてくるのかなぁ。
密かに沼尾さんは五東さんにも指導してもらってるんじゃないかと思います。
福岡のBBで五東さんが一週間だけ出演された次の週の沼尾さんのベル
演技が良くなっていたんですよね~。
今思うと福岡で一緒に李香蘭のお稽古をしていたのかもしれませんが・・・
五東さんの演技には全く無理がなく役に生きるという言葉そのまんま
当てはまるような気がします。
今後ももっともっと見ていたい役者さんの一人ですね。

芝さん(杉本)
やっぱり芝さんは杉本というイメージではないのですが・・・
あまり引きずっても舞台を楽しめないので今回は考えないようにしました。
今回のソワレで、ようやく香蘭との関係を感じる事ができました。
昨日も言いましたが香蘭との別れのシーンは本当に凄かったです。
杉本に関しては今までは割りと淡々と歌われているイメージだったのですが
あんなに感情いっぱいに歌われている芝さんは初めて見ました。
というか今までも感情こもっていたのかもしれませんが、私が集中できて
いなかったので感じる事ができなかったのかもしれません。
でもやっぱり昨日の芝さん熱かったです。
沼尾さんの目に溜まった涙にグッときちゃったのかな~と思ったり。

今回やっとこの李香蘭をちゃんと見ることができたような気がします。
戦争が招く混乱や悲劇、またその残酷さは私の想像を絶するものかも
しれませんが、戦争による悲劇の一部分を今回感じる事ができたというか・・・

前回気になっていた香蘭と愛蓮の別れのシーンの端折られている歌詞
何故端折られているか分かりませんが(野村さんの負担軽減の為?)
できれば戻して欲しいな~
あの部分は凄く好きなんで。

李香蘭は大好きな演目です。音楽も好きだしあのドラマチックな雰囲気も
他のミュージカルとは一味違っていてクセになります。
名古屋公演、もしまた沼尾香蘭で見れるのなら行こうと思います。
これはもう賭けになってしまいますが、来月の先行・・・頑張ります。

最後になりましたが野村さんの香蘭についても。
土曜日のマチネ、歌がかなり厳しかったです。
東京公演もかなりヤバかったですが輪をかけてヤバくなっていたかも。
あれはちょっとまずいのではないでしょうか?
時折、何と言っているか聞き取れないところもありました。
声が出ていないんですね。
野村さんはある部分を越えた超高音は出るようなのですが
中低音部のとくにダメな部分にくると全く出ないようですね。
台詞に音楽が乗っている部分は生だったようですが、満映撮影所や
日劇のシーンは全てテープでした。
これってどうなん??演出上已む無くというならまだしも・・・
私はテープを聴きに来てるんじゃないんだけどーと言いたくなりますね。
リサイタルのシーンは声を出して歌っていない分、所作はは美しいですし
余裕の笑顔。華もオーラもありますね。
でも私にはダメでした。全くリアリティがなく冷めた目で見てしまうのです。
確かに演技は素晴らしいかもしれませんが、多少荒削りな部分があっても
私は沼尾さんの香蘭の方が入り込めますし、沼尾さんの香蘭を見て(聴いて)
しまうとのう野村さんを見るのは辛いかな~とさえ思ってしまいます。
香蘭は沼尾さんがしっかり受け継いでくれると思うので、野村さんは安心して
任せていいと思うのですが。
名古屋でも頑張るのかなぁ・・・

李香蘭 12/3(土)ソワレ

2005-12-04 | 観劇記録
日帰りだったため疲れているのですが眠たくないので感想をアップします。

本日(3日)マチネは野村香蘭でした。
これでソワレも野村さんだったらどーしよー・・とかなりドキドキでしたが
キャストボードを見て一安心。思わず「あ~よかったぁ~」と言ってしまいました(笑)
だって沼尾香蘭を見るために京都に来たと言ってもいいくらいですから。
でも過剰な期待はダメダメ・・・と自分に言い聞かせてソワレを見てきました。

びっくりしました。。

何がびっくりしたって、沼尾さんの香蘭がよかった!!

マチネに見た野村さんの香蘭は私のなかで一瞬にして過去のものに
なってしまいました。
ということで、今回はソワレの感想を。
マチネとの比較になってしまうことになるかもしれませんが・・・
ついでに言うと、舞台に集中できた分いろんな事を再確認することができました。

では、印象に残っている部分を(香蘭ばかりになりそうです)

1幕

上海軍事法廷
やはり始めはどんな香蘭なんだろう?という期待と興味から
すんなり舞台に入り込めることはできませんでした。
最初に目にした沼尾香蘭、まず思ったより背が高いですね。
小柄な印象でしたが五東さんと並んでもそんなに変わらなかったです。
顔が小さいから小柄に見えるのかな?
見た目は当然ですが野村さんに比べると可愛らしいですね。
台詞は野村さんに似ている感じもしますが、無理に力むこともなく不自然な
語尾上げもなくよかったです。
これが沼尾さんの香蘭か~そうか~~ととりあえずここで大分慣れてきました。
あ、あと香蘭は若かったのよね~と再確認(笑)

中国と日本
今日から二人は姉妹。
そう、愛蓮は香蘭を妹のように可愛がり香蘭は愛蓮を姉のように慕うのですね。
これも再確認。
そして沼尾さんと五東さんの歌声の綺麗な事!
沼尾さんは高音以外の声に特徴がありますが(ザラつきというかハスキーというか)
この演目の歌は歌いやすいのか稽古を重ねたのか、あまり気にならなかったです
というかむしろ高音以外も綺麗な声だったのでちょっとびっくりしたくらいです。
ちょっと沼尾さんの前髪がずれていたのが気になりましたが(笑)
ニコニコして可愛らしさが出ていたと思います。

昭和モンタージュ
ちょっとドキドキだった7歳の沼尾香蘭(笑)
身長がある分違和感あるかなぁ。
だいたい大人が7歳の子供を演じるのは大いに無理があると思うのですが
野村さんに比べるとやはり愛らしさのある沼尾さんの方が
まだイケるんじゃないかと^_^;
そして今までどうしても納得できなかった芳子の台詞
「この美声に奉天の放送局が目をつけた」。今日、ようやく納得。

マンチュリアンドリーム
マチネは野村さんが口だけ動かして声が聞こえてこないのが凄く
気になってしまったのですが、ソワレはそんなこと考える必要なし。
香蘭と杉本のあの微妙なダンス(?)、沼尾さん踊りは得意ではなさそうだけど
指先がとても綺麗なのでダンスも違和感なく見れました。
ただ、青木さんが抱えるシーンは野村さんより辛そうだった。
でもこれはしょうがないですね~。野村さんは本当に小柄な方なので。

北京の抗日学生
香蘭と愛蓮の別れのシーン・・・泣きました(T_T)
いつもここでは五東さんの演技に泣かされるのですが、途中で野村さんの
歌が入るとどうしても涙が引っ込んでしまって^_^;
ソワレは思いっきり泣いてしまいました。
ここの五東さんの演技は本当に大好きです。涙こそ流していませんが
目が真っ赤に涙で潤み、ほんの少しだけですが途中で詰まってしまったように
聞こえたのですが、泣いていたからからかもしれません。
五東愛蓮のここでの強い意志、辛さや優しさ・・・いろんな感情が
混ざり合っていると思うのですが、もう考える必要はないというか
ここでは五東さんを見ているだけで、全て感じ取れてしまうというか・・・
沼尾さんも良かったですよ~
初めてここで香蘭の表情をよく見た気がします。
「その時が来たら、その時が来たら・・・・」と追い込まれ
愛蓮と玉林に目をやる表情が印象的でした。
そして香蘭が愛蓮を姉のように慕っているというのも凄く感じられましたし
逆に愛蓮も香蘭を妹のように思っていた。
だからこそ別れが本当に悲しかった。
一人残された香蘭がもの凄く孤独に感じました。

満映撮影所
ここでまた再確認。李香蘭は歌姫だったんだ、と。
やっぱり生歌はいいですね~(というかそれが普通ですよね)
ミュージカルですから、やっぱり歌は生で聞かせて欲しいです。
沼尾さんはキュートな香蘭という印象。本当に可愛らしい。
何も知らず利用されていた、というのも分かる気がする。

2幕

日劇リサイタル
まずは赤い衣装で「何日君再来」と「蘇州夜曲」。
もう歌は申し分ないですね。聞き惚れてしまいます。
あの鬘もとっても似合っていて美しい香蘭でした。
扇子さばきや身のこなしなど百戦錬磨の野村さんには敵わないかもしれないけど
楽々歌う姿やあのフサフサの扇子で囲まれて踊り子さんの顔をひとりひとり見ている
姿を見ているとちょっと余裕を感じるほどでした。
このシーンの野村さんは本当に美しく綺麗な笑顔も全く崩れることはありませんが
それは歌っていないからですよね。
もちろん沼尾さんは本当に歌っていますが、5度目の観劇にしてやっと
香蘭の美声に酔う事ができました~。あぁ幸せ。
リアリティがあって、本当のリサイタルを見ているようでした。
白い衣装に着替えて「夜来香」。
赤いのより絶対こっちの方が似合ってる!
野村さんに負けてないと思いましたね~。とっても美しかったです。
歌も余裕。笑顔も余裕?!ちょっと貫禄さえ感じましたよ!
沼尾さん、場数を踏んで慣れてくるともっともっと素敵になるんじゃないでしょうか。
今日はこのリサイタルシーン、李香蘭というミュージカルではなくて
本当に李香蘭のリサイタルを見ている客になったような気分でした。

香蘭と杉本の別れ
リサイタルのシーンや愛蓮との別れのシーンもよかったけど
いちばんよかったのはこのシーンかな・・・
ここで、芝さんがあんなに目を潤ませて歌っているのを見たのは初めてかも。
杉本の「召集令状が来た」の言葉を聞いた時点でもう沼尾さんは涙目。
台詞も自然でよかったし、何より杉本と香蘭の関係が見えてきたのがよかった。
こんなに切なく心に響いてきたのは初めてでした。
芝さん杉本もあんなに辛そうに歌ってるのは初めて見た
香蘭と別れたくないという気持ちが伝わってきて本当に本当に辛そうだった。
今までこの二人の間に愛情というものを感じることができなかったのですが
今日はじめて感じることができました。
本当に切ないシーンでした。

日本の敗戦
愛蓮との再会。
ここもよかったですよ~。
個人的には沼尾香蘭の「どうしたのこの手」の台詞が
野村さん譲りのものになっていなくてホッとした。
ちゃんと自然に言っていました。
沼尾さんはちゃんと流れに沿った演技や台詞回しをされるのでこちらも
自然体で見ることができるような気がします。

上海軍事法廷
1幕冒頭の同じシーンでは慣れるまで違和感のあった沼尾香蘭でしたが
2幕では全く違和感なし。
私の中ですっかり沼尾香蘭ができあがっていたので、どっぷり浸かることができました。
もうここは途中から泣きっぱなしでした。
香蘭を見守る愛蓮、愛蓮を不安げな表情で見つめる香蘭。
ここでも二人の関係を感じ取ることができました。
ていうか今まで私は何を見ていたのだろう・・・
(だって舞台に集中できなかったんだもん!)
五東さんは凄いですよね。ここでは毎回五東さんに泣かされます。
泣きながらも香蘭の無罪を願い見守る五東さんの優しさや強さは本当に凄い。
五東さんの熱演に沼尾さんも応えているかのようでした。
「二つの祖国」いつもここで涙が引っ込んでしまっていたのですが
沼尾さんとってもよかったです。
目にいっぱい涙をためながらも一生懸命に歌い訴える姿にグッときました。

以徳報怨
無罪を言い渡され手で顔を覆う香蘭。
ヒックヒックいっているように見えるけど・・・泣いているの?
顔を上げた沼尾さんの頬に涙が流れていました。
五東さんまでもう顔真っ赤にして泣いちゃってて
そんな二人を涙無しには見れません。
最後の最後まで泣いてしまったのは始めてかも。
最後香蘭を抱きしよめうと手を広げる五東さんの母性のような
優しさに救われます。

とりあえずざっと書き出してみましたが
明日(というか今日か)マチネの感想もちょっと含めて
アップしたいと思います。

最後に今日のカーテンコール・・・
沼尾さんの香蘭は可愛らしくてみんなに愛されているという
印象ですがカーテンコールでもそんな感じだったんですよ~
まず濱田さんが鼻に皺を寄せてクシャっとした笑顔で
沼尾さんに手を差し出したのが印象的でしたし
沼尾さんは隣の芝さんを何度も見ては二人で微笑み合っていたし・・・
しかも芝さんの笑顔もすっごい優しいんだこれが。
微笑ましいカーテンコールでした。


李香蘭  沼尾みゆき
川島芳子  濱田めぐみ
李愛蓮  五東由衣
杉本  芝清道
王玉林  芹沢秀明