感染症内科への道標

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CDI感染の再発予防、死亡に関するバンコマイシン、メトロニダゾールの比較評価

2017-07-23 | 臓器別感染症:消化器系
Comparative Effectiveness of Vancomycin and Metronidazole for the Prevention of Recurrence and Death in Patients With Clostridium difficile Infection
JAMA Intern Med. 2017;177(4):546-553. doi:10.1001/jamainternmed.2016.9045

要旨:
米軍退役軍人病院データベース(2005-2012)を用い、後ろ向きに両薬剤の効果について比較検討を行った。 

1: 47147名の初回治療群の内、2068名(4.4%)でVCMによる治療が行われており、背景をマッチさせた8069名と比較した。2068名は1112名で軽症~中等症で、630名で重症であった。326名では重症度不明であった。

2: 再発率は16.3%で、両群に差はなく(RR 0.98)、いずれの重症度でも同様であった。

3: 死亡率については10.2%で軽症~中等症群では6.7%, 重症群では18.9%であった。比較ではVCMの方が30日死亡に対する成績が良好(0.86:0.74-0.98)で、軽症~中等症では予後の差はなかったが(0.91:0.72-1.14), 重症群では差が顕著であった。(0.79:0.65-0.97)

重症群ではVCMが推奨される。

重症の定義
WBC 15000以上
Cr がCDI診断より4日以内に, 90日以内の状態より1.5倍の上昇
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