題名:Performance of the Verigene® enteric pathogens test, Biofire FilmArray™ gastrointestinal panel and Luminex xTAG® gastrointestinal pathogen panel for detection of common enteric pathogens.
雑誌:Diagn Microbiol Infect Dis. 2016 Dec;86(4):336-339.
著者:Huang RS
背景:腸管感染症の基準検査は培養検査だが、48-72時間と時間がかかるうえ検出率が低い。enzyme linked immunosorbent assay(EIA)法も感度が低い。multiplex PCRは診断に有用と言われており、Verigene(Nanosphere), Biofire FilimArray(BioFire Diagnostics), Luminex xTAG(Luminex Corportaion)を比較した。
方法:
急性胃腸炎症状を呈する小児患者の便検体を、前向きまたは後ろ向きに収集して検討に用いた。
・後ろ向きに保管した検体(98検体):培養検査やEIA検査で陽性になった検体、-70度で1-2年間保管
・前向き検体(54検体):Cary Blair mediaに検体を入れた。multiplex PCR検査で全て陰性だったも含めた。
Conventional method
・Salmonella、Shigella、Campylobacterは培養検査、Shiga toxin 1&2とrotavirusはEIA、norovirusはRT-PCRとした。
Multiplex PCR
・3機種ともメーカーの説明書通りに検査を施行した。
基準検査は以下の通りとした。
・真の陽性:培養検査・EIA・RT-PCRのいずれかが陽性、またはmultiplex PCR 2機種以上で検査陽性
・真の陰性;培養・EIA・RT-PCRのすべて陰性かつmultiplex PCR 2機種以上で検査陰性
結果:
・Campylobacter n=12
Verigene Sn/Sp 83.3/99.3, Biofire FilmArray 100/100, Luminex 91.7/100
・Salmonella n=24
Verigene 83.3/100, Biofire FilmArray 95.8/100, Luminex 79.2/100
・Shigella n=43
Verigene 95.4/99.1, Biofire FilmArray 100/100, Luminex 100/100
・Shiga toxin n=12
Verigene 91.7/100, Biofire FilmArray 100/100, Luminex 91.7/100
・Norovirus n=19
Verigene 89.0/100, Biofire FilmArray 94.7/99.3, Luminex 89.5/100
・Rotavirus n=7
Verigene 71.4/100, Biofire FilmArray 100/98.6, Luminex 100/100
今回は6つの病原体でしか比較を行っていないが、3機種とも寄生虫を含めさらに多くの病原微生物を検出できる。
いずれもconventional methodより感度・特異度は高く、有用性を示すことができたと著者の結論。
留意点:
・Shigella以外はサンプル数がかなり少ない。
・後ろ向き/前向きの検体が各微生物でどの程度の割合になっているかは記載されていない
Cary Blair media(前向き検体に使用)に入れた検体を用いてmultiplex PCRを行うと、メーカがFDA申請時に出した報告より感度が低かったとDiscussioninに記載あり。※感度が落ちた可能性
・基準検査の判断にmultiplex PCR 2機種以上の陽性・陰性を用いており、検査機器同士の比較になっている。
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