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感染症内科への道標

研究学園都市つくばより感染症診療・微生物検査・感染制御の最新情報を発信しております。

ミシガンで野放しの鹿からの人へのMycobacterium bovis感染症

2024-06-17 | 微生物:細菌・真菌

・ミシガンで4名のMycobacterium bovis感染が報告
・4名中3名で肺感染症、1名で指での感染症。2名で免疫不全あり、1名で同居感染
・SNP(スニップ)で近縁の鹿からのM.bovisと関連する例あり。

要約
・米国ではM.bovis感染は人での結核の1-2%を占め、大部分がメキシコからの殺菌不十分な日常品から感染
・ミシガンでは、3名の鹿ハンターでのM.bovis感染が報告されていたが、2019-2022年に4名追加報告。

4名の経過:
・4名中2名は免疫低下者.3名は肺、1名で指に感染.IGRAはいずれも陽性. 1名は剥製師、1名は病気の小鹿との接触、2名は動物との接触なし. 
  • 指の感染:42歳剥製師、鹿の頭処理中に親指受傷し、経口抗菌薬不応の創部感染。地域の6頭の鹿から検出されたM.bovisと類縁
  • 肺感染:19歳女性→最初にスクリーニングIGRA検査で陽性→その後、呼吸器症状。病気の小鹿との接触+毎年コテージにいき友達と野生の小鹿を喫食。2015年に捕獲された鹿からのM.bovisとWGSで一致しており、13件とSNP1つの違いのみ
  • 肺感染:23歳男性、炎症性腸疾患で免疫抑制。IGRA陽性でイソニアジドを推奨もコンプライアンス不良。その後、粟粒所見が肺に出現し、治療。近縁の鹿との株と類似も接触歴確認できず。接触者29名中3名でIGRA陽性。
  • 肺感染:前述の同居者の女性、皮膚筋炎で免疫抑制療法。IGRA陽性+発熱、1cmの空洞所見出現。
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