感染症内科への道標

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類鼻疽に対するST合剤vs ST合剤+ドキシサイクリン

2014-04-10 | 微生物:細菌・真菌
Trimethoprim-sulfamethoxazole versus trmetoprim sulfamethoxazole plus doxycycline as oral eradicative treatment for melioidosis
Lancet
Ploenchan Chetochotisakd et al

Melioidosis: Gram negative bacillus Burkholderia pseudomallei
Human melioidosisはタイ北部(死亡率43%)、オーストラリア北部(14%)で多い。 
渡航者も罹患する。第一選択薬はceftazidime又はカルバペネム系抗菌薬である。(少なくても10日間) 
推奨されている経口治療はST合剤+ドキシサイクリンである。(+クロラムフェニコールより継続し得た)→現在の2剤でも副作用が多い。→AMPC/CVA→再発に繋がる。 

オーストラリアの疫学研究ではST合剤のみで治療を受けた人の再発は2%以下であった。 
→ST合剤だけでよいのではないかとの仮説で研究 

多施設二重盲検、非劣性, ランダム比較試験 
タイ5病院。
15歳以上で培養でmelioidosis確定。静脈抗菌薬治療で反応性良好例又は軽症例 
ST合剤やドキシサイクリンに耐性の場合は除外(その他腎障害、肝障害例は除外)
ドキシサイクリンの耐性はdisk法12mm、ST合剤の耐性はEtest 4/76で決定。 
インフォームドコンセント取得後に施行
→ランダム化、二重盲検され内服 
治療;最低20週。→内服継続できない場合はCVA/AMPC

Power 80%, αエラー5% 600名 
311名;ST vs 315名;ST+ドキシサイクリン 
2005年10月24日-2010年2月1日

再発
ST群;再発26名(8%);培養5%、臨床3% 
ST+ドキシサイクリン群;再発29名(9%);培養7%、臨床3% 

死亡
ST群;19名(6%)
ST+ドキシサイクリン群;26名(8%) 

中止 
副作用;ST群 12% ST+ドキシサイクリン 19% 
治療失敗;ST群 2% ST+ドキシサイクリン群 2% 
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