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誰も言わない! いじめ問題解決の急所!【第2回】

2016-12-26 12:50:04 | 教育・いじめ問題・児童虐待・少子対策

[HRPニュースファイル1745]https://info.hr-party.jp/2016/3909/

幸福実現党 矢内筆勝 総務会長(兼)出版局長インタビュー

MC:畠山元太朗 党広報本部長補佐

◆なぜ!? 教師がいじめを隠蔽する理由

矢内: いじめが発覚したら、次に解決しようとするわけですが、ここで大きな問題があります。具体的には、教師の対応の問題です。

例えば、子供が「いじめられている、助けて」と言っても、先生がそれを見て見ぬふりをしたり、なあなあで済ませてしまう。要するに、問題に蓋をしてしまうんです。

よく指摘されているのが、例えば、「誰にいじめられたの?」「○○君です」「じゃあ、○○君と○○君で話し合ってみようね」と、その場で話し合わせて、「お互い悪いところがあったね。じゃあこれからいじめはしないようにね」とシャンシャンにする。こういう対応が、全国で見られました。

しかし、これは、いじめの「隠蔽」になるんですね。

畠山: 教師側が、いじめを隠蔽するというのは、ちょっと信じられないことですね。

矢内: 自分の学校やクラスでいじめがあると、教師や学校はマイナス評価を受けます。だから、どうしても、いじめを隠蔽してしまうんですよ。

例えば、2003年、文科省の中央教育審議会が「5年間でいじめを半減させる」って方針を出したんですね。

これ自体は悪いことではありません。しかし、それでどうなったかというと、学校側は一生懸命いじめを隠蔽するわけです。いじめが発覚すると、自分たちの評価が下がっちゃうから。

また、「いじめ防止対策推進法」では、「重大事態」という概念があります。「心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」などに適用されるものです。

※重大事態とは、「いじめ防止対策推進法」第二十八条で触れらており、以下の場合のこと。

1.いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
2.いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

でも、仮に、いじめを重大事態と認定したら、学校をあげての一大事になります。

速やかに報告しなきゃいけない。報告書も作らなきゃいけない。報告を受けた教育委員会も大変。上位機関が学校に乗りこんでくるかもしれない……そう考えると、みんな隠蔽しようとしますよね。重大事態と認定されないように。

例えば、横浜で、福島から避難した子に対するいじめがありましたが、「150万ものお金を自分から率先して渡していた」と学校側が認定していたそうです。

普通に考えたら、150万ものお金、自分から渡すわけないないですよね。常識的に。ですが、「自分から渡した」となると、重大事態には当たらなくなる。

◆いじめが減らない理由(1):「いじめ防止対策推進法」には、教師や学校への処罰規定がない!

畠山: 要するに、現在の法律は、いじめを隠蔽するモチベーションが働くようになっていると。何か解決策はありますか?

矢内: 私たちが訴えていた「いじめ処罰法」にヒントがあると思います。これは、大川隆法党総裁が提示されたものですが、政府の「いじめ防止対策推進法」と何が一番違うかというと、罰則規定の有無なんです。

いじめは犯罪ですから、やっぱり、いじめている子供へのペナルティーは必要ですよね。例えば出席停止になるとか。この部分は、「いじめ防止対策推進法」にも組み入れられています。

ですが、「いじめ防止対策推進法」には、学校・教師への罰則規定がないんです。例えば、戒告、減給、免許剥奪のような罰則です。ここが致命的です。

私たちは、いじめを隠蔽したり、黙認していた学校や教育委員会も、やはり処罰されるべきじゃないですかと訴えていたんです。

そうしないと、いじめ問題に真剣に取り組んでくれませんからね。でも、その「いじめ防止対策推進法」には、そこの部分がすっぽり抜け落ちているんです。

畠山: 確かに、私も法律の全文を拝見しましたが、教員の処罰規定というところに関しては、ほとんど触れられていない。

報告義務であったり情報共有、あとは重大事態の認定などについては詳細に規定されていますが、本当に重要な部分が、ガッサリ抜けています。

矢内: 学校の先生には良心的な方が多いし、頑張っていじめ対策に取り組まれていることを私も知っています。

しかし、自分たちの評価のことを考えると、学校の先生方や教育委員会も含めて、いじめ問題はなかったことにしたいんですよね。

そういう意味では、「教師への処罰規定」と言っても、処罰がしたいわけではないんです。ただ、そうした規定がないと、いじめを隠蔽したくなる。そうした誘惑から、学校や教師を守るための規定が必要なんです。

◆いじめが減らない理由(2):自分たちへの処罰を嫌がる、教師たち

畠山: 私の子供が小学生なので分かるのですが、確かに子供のケンカといじめの線引きは難しいところがあります。教師から見ても、遊んでいるのか、いじめに遭っているのか分からないケースもあると思います。

だから、なあなあにしようと思えばいくらでもできてしまう。一方、「いい悪い」をはっきりさせる先生なら、しっかりと指導してくれる。つまり、完全に先生任せの状況なんだと思います。

矢内: 先生の対応次第なので、責任を明確にするのは、本当に大事だと感じます。

これに関して、今年、文科省のいじめ防止対策協議会というところが、「いじめ防止対策推進法」の施行状況に関して議論を行ったそうです。

ある専門家の方がおっしゃっていますが、その場で、教師の処罰規定を明確にしたらどうかという提案もあったそうですが、「現場の教師を信用していないのか」という声が多くあるので、見送られてしまったそうです。

畠山: 要するに、「情報共有しなかった場合には何らかの罰則がある」ことを明記されたくなかったということですね。実際はもう、「情報共有しなければいけない」と法律に書かれているわけなんけれども(笑)。

矢内: その通りです。

畠山: 生徒や親御さんからしてみると、正直なところ、唯一の頼りは先生です。そこがなかなか動いてくれない場合に、本当に解決が難しい。先生にしっかりやっていただく仕組みにする、というのが基本原則ということですね。

(第3回につづく)


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