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Mikuのブログ

ユダヤ社会が自殺に「沈黙」し続けるのはなぜ? 霊的人生観が自殺の防波堤

2015-08-24 07:41:11 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題


http://the-liberty.com/article.php?item_id=10096

「ユダヤ教徒の自殺について沈黙が破られ始めている」というタイトルのコラム記事が、このほど英BBCに掲載された。

要旨は以下の通り。

●1995 年、イスラエル国防軍の活動に当たっていた青年が亡くなった。青年の家族には、訓練中の事故死と説明されていたが、その後、自殺だったことが分かった。自殺という言葉はユダヤ社会では触れてはいけないタブーであり、真実に蓋がされていた状態だった。ユダヤ社会が自殺に真剣に向き合うため、2008年、家族らは自殺防止に対する取り組みなどを描いた映画を製作し、公開したが、観客の反応は薄かった。

●ユダヤ教では、自殺は命を与えてくださった神への反逆行為と見なされるなど、厳しく禁じられている。自殺した人は、そうではない人と分けて埋葬されたり、自殺した人の兄弟の結婚にも悪影響が及ぶことが多い。

●自殺に蓋をすることに疑問を感じたユダヤ教徒たちが中心となって、近年自殺に対する沈黙を破り、しっかり向き合おうとする動きが盛んになってきている。弟を自殺で亡くした、ある女性は、「もし家族が自殺についてオープンでなかったならば、地域社会は助けてくれない。一方で、助け方が分からない、助けたくな いという地域社会も少なくない」と語る。そうした問題意識から、自身のブログを通じて、亡くした弟のことや自殺について意見を発信している。

このコラム記事にあるように、神仏に頂いた命を粗末するという点で、自殺は悪なる行為だ。ただ、女性の発言からうかがえるように、ユダヤ教は自殺についての、十分な解答を持っているとは言い難い。


◎自殺は尊い魂修行の機会の放棄

自殺の善悪を考えるには、人間はあの世とこの世の転生輪廻を通して、自らの本質である魂を磨いている存在であるという霊的人生観を知る必要がある。自殺して肉体はなくなっても魂は死なず、楽にはならない上に、自殺は尊い魂修行の機会を自ら放棄することに当たる。


◎天使の導きの下、反省を十分に行うことが必要

また、自殺した霊は一般的に、本来の寿命が来るまであの世に還れない。ではどうすれば救われるのか。

大川隆法・幸福の科学総裁は著書『永遠の生命の世界』で、自殺した霊が天国に行ける2つのポイントについて、次のように語っている。

「一つは、『本人が自覚する。目覚める』ということです。本人が、あの世の世界のことが分かり、自分の間違いを詫びれば、時が来て、成仏することもあります」 「もう一つは、非常に幸運に恵まれ、その人を諭す人が現れてくる場合です。(中略)過去に、どこかで、それだけの功徳を積んでおく必要があります。徳がなければならないのです」

自殺者が天国に還ることは簡単ではないが、天使などの導きの下、生前の自分の行いをしっかり反省することで可能だ。

こうした霊的人生観や霊的知識を知ることが、自殺防止の大きな防波堤になる。現代社会では、人々の生き方が多様になった分、悩みも複雑化している。社会の発展と共に、心の医者役である、宗教にも教義のイノベーションが必要だ。(冨)


【関連サイト】
幸福の科学グループ 自殺防止サイト「あなたに贈る真理の言葉」
http://withyou-hs.net/

【関連書籍】
幸福の科学出版 『永遠の生命の世界』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=139
幸福の科学出版 『地獄の方程式』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=968

【関連記事】
2004年12月号記事 自殺遺族の「心の危機」を救うには

http://the-liberty.com/article.php?item_id=213
2005年10月号記事 世界をつなげ!自殺ゼロの願い
http://the-liberty.com/article.php?item_id=280


イラン核協議、最終合意。 中東和平のヒントは日本にある?

2015-07-16 13:30:43 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9898

イランの核開発問題の解決を目指し、協議を続けてきた欧米6カ国とイランが14日、最終合意に達した。

イランのウラン濃縮活動などを、国際原子力機関(IAEA)による厳しい監視下で制限し、その交換条件として国連安保理などによるイランへの制裁を段階的に解除することで一致した。


◎核開発は遅らせられても止められない

オバマ米大統領は同日、制裁解除によるイランの勢力拡大を懸念するイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、「イランの核武装という不安を取り去ることになる」と理解を求めた。

一方、米議会からは、イランの核開発を遅らせることはできても、核開発を進める能力自体は残っていると懸念する声も上がっている。共和党のジョン・ベイナー下院議長は、今回の合意は大幅な譲歩であり、イランをつけあがらせると警告した。

もっとも、その制限さえ実効性を持つかどうか疑問だ。悪しき前例がある。北朝鮮は1994年、米国と核開発を制限する合意をした。しかし北朝鮮は密かに核開発 を推進し、合意は無意味となった。イランにも核開発の強い動機がある限り、IAEAの監視下であっても、内密に開発を進める可能性はある。


◎根本問題は解決していない

根本問題である紛争の火種は残っている。

イスラエルは欧米キリスト教圏による軍事兵器の供与などの援助を受け、中東で唯一の核保有国であり、軍事大国だ。この脅威から自国を守ろうとしているイランは、抑止力を持とうと核武装を目指している。

その背景には、ユダヤ教のユダヤ人によって建国されたイスラエルと、イスラム教のアラブ人によるイランの間に横たわる、根深い宗教対立・民族対立がある。


◎中東の宗教対立の解消には寛容な価値観が必要

和平は簡単ではない。しかし将来的に紛争の種を消すとすれば、ユダヤ教とキリスト教・イスラム教の違いや、恨み心を乗り越える必要がある。

この世界的な課題に対して、日本は大きく貢献できるはずだ。

幸い日本は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のいずれにも属さず、中東諸国との明確な対立関係もない。さらに日本は古くから仏教や西洋文化などを自国の文化にうまく融合させてきた歴史がある。日本には、異文化や他宗教の長所を認め、受け入れる寛容さがある。

素晴らしい日本の歴史の中に、宗教対立を解決するヒントが隠されている。(真)

 


【関連書籍】
幸福の科学出版 『中東で何が起こっているのか』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=913
幸福の科学出版 『イラン大統領vs.イスラエル首相』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=753

【関連記事】
2015年4月号記事 中東の憎しみの連鎖を断つには――国際政治にも「許し」を(Webバージョン) - 編集長コラム
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9431
2015年4月3日付本欄 イランの核開発ってどうなっているの? 【リバ犬×そもそモグラ博士のそもそも解説】
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9436


米国防長官が「イラク分裂」に言及。中東で宗派・民族は共存できるか

2015-06-30 20:26:03 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題


http://the-liberty.com/article.php?item_id=9843

米アシュトン・カーター国防長官が、米下院軍事委員会で、イラクが分裂する可能性を示唆したことを、このほど、米政治情報紙ワシントン・エグザミナーが報じた。

カーター氏は、イラクが統一された国家意識の下で機能できず、イスラム教のスンニ派、シーア派、そしてクルド人が支配する3つの国に分裂する未来があり得ると指摘する。

理由は、シーア派の政権である現在のイラク政府が、国内のスンニ派を排斥している事実があるからだ。そのため、同じスンニ派の「イスラム国」相手に、イラク軍内のスンニ派部隊は戦おうとせず、5月に主要都市の1つであるラマディが陥落。イスラム国の支配下に置かれた。


◎イラクやシリアはもはや国ではない?

識者の中には、「イラクやシリアはもはや国ではなく、事実上分裂している」と指摘する者もいる。米コラムニストのチャールズ・クラウトハマー氏は、米地方紙 タルサ・ワールドに寄稿し、第一次大戦後に英仏が中東の国境を勝手に引いたサイクス・ピコ協定はすでに崩壊しており、中東の未来は「バルカニゼーション」 しかないという。

「バルカニゼーション」(バルカン化)とは、国などが、より小さな対立する国々に分裂していく様を表わす。元々、バルカ ン半島や中東の大部分を支配していたオスマン帝国が、第一次大戦後に崩壊し、ユーゴスラビアやブルガリアなどの国々に分裂したことを語源としている。 1990年代にはユーゴスラビアが民族間の紛争が起こり、さらに分裂している。


◎欧米の植民地政策の名残に対する巻き返しが起きている

歴史的に見ると、いま中東では、欧米が第一次世界大戦後に行った植民地政策の名残に対して、巻き返しが起きているといえる。

たしかに、イラク国内の民族対立が解消できないものであれば、分裂も一つの手なのかもしれない。実際、オスマン帝国の崩壊で引き起こされたバルカン半島の民族紛争は、相次ぐ分裂でやっと住み分けができるようになり、落ち着いた経緯がある。

中東では、歴史的に「強権な独裁者が力で混乱をねじ伏せる」ことで内紛や混乱を抑え、国をまとめてきたが、今それをやろうとすれば、多くの血が流れるだろう。

それを防ぐには、イスラム圏が、「誰もが納得し、共有できる宗教・思想・信条をもとに統一を果たす」か、「宗派や民族の間に境界線を引き、紛争を終結させる」かの選択しかないのかもしれない。

国際社会は、中東の混乱が他の地域に波及するのを抑えつつ、中東の人々がお互いを尊重し、共存できるような選択をするために、思想・政治・経済・安全保障のあらゆる面で支援を続けるべきである。(中)


【関連記事】
2015年5月6日付本欄 シリア・アサド政権が危機に イスラム教圏に必要なこと
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9587
2015年3月14日付本欄 イスラム諸国は分裂する 外交評論家・加瀬英明氏に聞く中東問題(2)
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9327
2015年4月号記事 中東の憎しみの連鎖を断つには――国際政治にも「許し」を(Webバージョン) - 編集長コラム
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9431


エジプトのモルシ元大統領に死刑判決。中東の混乱を解決するカギは「寛容」の精神

2015-06-18 15:44:30 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9764

エジプトの裁判所がこのほど、ムハンマド・モルシ元大統領に死刑判決を言い渡したことを、主要各紙が報じている。

今回の死刑判決は、2011年の革命のとき、モルシ氏が刑務所からの脱獄や、警察への暴行に関わっていたことが理由とされている。

国連や国際社会からは、今回の死刑判決に対して非難が集中している。
2011 年に、30年以上もエジプトを支配してきたホスニー・ムバーラク氏の独裁政権が革命で倒れ、エジプト初の民主的な選挙が行われた。当選したのはイスラム主義組織・ムスリム同胞団を後ろ盾に持つモルシ氏だった。しかし、その独裁的な振る舞いが国民の不興を買い、2012年12月にはモルシ派と反モルシ派との間で大規模な衝突が起きる。これに終止符を打ったのが、2013年7月の軍事クーデターだ。
2014年5月には、当時軍のトップだったアブドルファッターフ・アッ=シーシー氏が大統領となった。

エジプトはいま、国の民主化を求めるリベラル・世俗派と、イスラム法の適用を求めるムスリム同胞団などのイスラム主義派の間で割れている。さらに、軍・裁判所・警察など、旧ムバラク政権時代から存在する組織は、自らの権力を維持するために独自の行動を取る。現シーシー政権もこれに与しており、リベラル派・イスラム主義派の両方から非難を受けている。

今回の死刑判決は、旧ムバラク派による、「ムスリム同胞団への牽制・弾圧」という政治的な意味を含むものだ。

こういったエジプトの情勢は、いま中東全域で見られる混乱の縮図と言える。西洋的な近代化を求める者と、旧来の伝統を守ろうとする者が対立し、そこに宗教・民族・既存権力などが複雑に絡まっている。
共通している問題は、国境、宗派、民族、そして信条の違いを基に秩序が崩壊していることだ。

中東の混乱を収束させるには、こういった違いを許せる「寛容」の精神がどうしても必要である。中東の人々が千年に渡って共有してきたイスラム教という宗教・アイデンティティーを改革すべき時が来ている。(中)

【関連記事】
2015年4月号記事 中東の憎しみの連鎖を断つには――国際政治にも「許し」を(Webバージョン) - 編集長コラム
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9431
2013年12月8日付本欄 「アラブの春」以降、深まる中東の混沌 「世界教師」の言葉が未来を拓く
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7049
2013年8月15日付本欄 エジプト軍がデモ隊強制排除で死者多数 長く忍耐の要る民主化への道
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6488


シリア・アサド政権が危機に イスラム教圏に必要なこと

2015-05-07 09:47:00 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9587

2011年に始まったシリア内戦は、イスラム国の台頭やアルカイダの介入などで混乱が増すと同時に、アサド政権に対抗する組織が力を拡大させ、こう着状態に陥ってきた。しかしこのほど、アサド政権を倒そうとする反体制派が、ジズル・アル・シュゴール市を攻略。アサド政権が倒れるという観測も出始めている。

シリア国内では現在、複数の勢力が三つ巴・四つ巴の戦いを繰り広げている。内戦に参加している勢力は大きく分けて、以下の通りだ。

●アサド政権(シーア派):地中海沿岸部を含むシリア西部・南部を支配。
●反体制派の武装勢力(スンニ派):シリア北西部を支配。比較的世俗的な「自由シリア軍」や、アルカイダの分派と言われる「アル・ヌスラ」などを含む。
●イスラム国(スンニ派):シリア中部から北部・東部を支配。
●クルド人(主にスンニ派。しかし、イスラム教の宗派よりもクルド人としての意識のほうが強い):トルコに面するシリア北部及び北東部を支配。

2013年当時は、アサド政権側が反体制派を追い詰めていた感があったが、イスラム国が台頭してシリア国内が割れて以来、人材不足、経済危機、そしてイスラム国との衝突で政権側は弱り、今年3月にはイドリブ県の県都が反体制派側の手に落ちている。

このほど反体制派の手中に落ちたジズル市は、アサド政権の中枢部である地中海沿岸地から目と鼻の先であり、アサド大統領の勢力が退潮気味であると分析されている。この見方に拍車をかけるのは、アサド政権の相次ぐ失敗である。

2月、反体制派の主要都市であるアレッポに対するアサド軍の攻撃が失敗し、同月にはアサド政権を支持するヒズボラやイランのイスラム革命防衛隊がシリア南部を制圧しようとして失敗した。また、アサド政権内におけるイランの影響力を巡って、政権内部で仲間割れが生じている。

シリア内戦は380万人以上の難民と20万人以上の死者を出しつつも、なお、治まる気配を見せない。また、他の中東地域においても、イスラム教圏は多くの混乱を抱えている。

歴史を振り返れば、キリスト教圏も中世の宗教戦争の末に、宗派間の共存と近代化の道を見つけた。イスラム教圏を取り巻く混乱は、イスラムの教えにイノベーションをかけるきっかけになるかもしれない。

もちろん、アサド政権による民衆への攻撃や化学兵器の使用は許されるべきではない。しかし、同じイスラム教を信仰する人々の間で、これ以上の惨劇が続いて、 一体、誰を利するのだろうか。欧米は、イスラム圏を感情的に敵視するのではなく、紛争の被害を最小限にするための努力をすべきだろう。

そして、イスラム教圏の人々も、宗派の異なる人々をまとめる新しい思想や心の教えが必要とされていることは言うまでもない。(中)


【関連記事】
2015年2月12日付本欄 オバマ氏 イスラム国に地上兵 信仰への理解も必要
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9193
2014年9月24日付本欄 アメリカ国内はシリア空爆を評価 戦略なきオバマ大統領は世論頼み?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8489
2014年6月14日付本欄 イラク陥落の瀬戸際 シリア内戦を放置したオバマ外交のツケ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7987


サウジアラビアが体制変革 対イラン動向に注視が必要

2015-05-02 10:49:00 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9569

1月下旬に即位したサウジアラビアのサルマン国王(79)はこのほど、ムクリン皇太子(69)を解任し、副皇太子だったムハンマド内相(55)を新たな皇太 子に指名した。また、新たな副皇太子に、国王の息子で30代前半とされるムハンマド国防相を指名した。なお、ムハンマド内相は国王の実兄の息子で甥にあた る。

このように、サルマン国王は即位後、アブドラ前国王派を遠ざけ、近親者を中心に権力基盤を固めている。一連の体制の変革は、外交や安全保障上の課題に対処するための新たな体制づくりを目指したものだ。

サウジアラビアは親米国家だが、1月に死去したアブドラ前国王は、オバマ米大統領の融和的な中東政策に不信感を示していた。サルマン国王も、アメリカに頼ら ない自主防衛の体制への転換を図ろうとしているようだ。4月29日、アラブ連盟首脳国会議でアラブ合同軍を創設するとの声明を発表したのも、その一環だ。

現在の中東地域での対立軸は、主に、イスラム教国対ユダヤ・キリスト教国、そして、イスラム教同士のスンニ派対シーア派、中でも、サウジアラビア(スンニ 派)対イラン(シーア派)の対立が顕著だ。その対立がシリアやイエメンなどでも代理戦争という形で表れている。サウジアラビアにとって、安全保障の確保は 必須である。

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、2014年のサウジアラビアの軍事費は世界第4位で、 日本の2倍近い808億ドル。前年比17%増で、軍事費の対GDP比も10%を超えている。サウジアラビアがこれだけ多くのの軍事費を確保でき、中東地域 に大きな影響力を持つ理由は、莫大な石油埋蔵量と石油生産能力を持つためだ。なお、世界の主要国のエネルギー消費において、石油は約3割を占める。

今後、サウジアラビア対イラン、そこから派生して、ほかの地域でスンニ派対シーア派の対立が、新たな紛争となって現れる可能性もある。先月からのイエメン攻撃で両国の対立が明確化し、サウジアラビアとイランの間で直接的な衝突へと発展することもあり得る状況だ。

また、最近イランは、欧米諸国などとの核開発に関する協議で、枠組みの大筋合意に至ったが、イランがいつ何時裏切ったり、開発を秘密裏に続ける可能性は十分 残っている。イランが核兵器を持てば、サウジアラビアも核兵器を持とうとするだろう。今後の中東情勢は、緊張状態が続くサウジアラビアとイランの動向で、 大きく変わってくる。今後も、両国の動きを注視していく必要がある。(泉)


【関連書籍】
幸福の科学出版 『中東で何が起こっているのか』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=913
幸福の科学出版 『ムハンマドの幸福論』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1236

【関連記事】
2015年6月号記事 今後も混乱する中東情勢に備えよ - イラン核交渉が枠組み合意 - The Liberty Opinion 2
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9536
2015年3月28日付本欄 サウジアラビアがイエメンに空爆 イスラム教同士の争いに終止符を
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9416


サウジアラビアがイエメンに空爆 イスラム教同士の争いに終止符を

2015-03-29 18:40:10 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

サウジアラビアがイエメンに空爆 イスラム教同士の争いに終止符を
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9416

サウジアラビア率いる中東諸国連合が、アラビア半島の南部に位置するイエメンのフーシ派武装集団に対する空爆を始めた。連合軍には、サウジアラビア、トルコ、エジプト、アラブ首長国連邦、クウェート、バーレーン、カタール、ヨルダン、モロッコ、スーダンが参加しており、アメリカも支援している。

イエメンは現在、四つ巴とも言える内戦状態にある。その内訳は次の通りだ。

1.サウジアラビアやアメリカの支援を受ける「スンニ派のイエメン政府」

2.イランの支援を受けていると言われる「シーア派のフーシ派武装集団」

3.「スンニ派のアルカイダ」 4.「南イエメンの独立勢力」

特に対立しているのは、イエメン政府と、政治的な発言力を与えられず、排斥されていることに不満を持つフーシ派武装集団だ。

この内戦は一見、イエメン国内に限定されたものにも見えるが、今回サウジアラビアが、フーシ派の空爆に踏み切った背景には、イラク、リビア、イエメンなどで 影響力を増しているイランを牽制したいという思惑もある。つまり、イエメンの内戦は、スンニ派のサウジアラビアと、シーア派のシリアの宗派間対立の代理戦 争という側面も持っている。

中東では、日増しに混乱が拡大している。例えば2月には、エジプトがリビア内の「イスラム国」勢力を爆撃したが、中東の国々が隣国との国境を無視して空爆に踏み切ることなど、つい10年前には考えられなかったことだ。

しかし、中東やアフリカのイスラム圏の国境は、約100年前にヨーロッパ諸国が宗派間・部族間の違いを無視して一方的に引いたもの。この歴史的事実を踏まえると、長い年月を経て、欧米のキリスト教国がつくった秩序に対する反発が起きていると言える。

また、さらに長い目で見れば、数百年前にヨーロッパが経験した宗教改革に似たような運動が、現在、イスラム圏で起こっているという見方もできる。確かにイス ラム教には、自由や寛容さといった精神が欠けている面があり、それが宗派・部族間の争いにもつながっている。血で血を洗う争いは一刻も早くやめるべきだ が、これはイスラム教が宗教改革を迫られていることを暗示しているのかもしれない。

国際社会で起きている諸問題は、その多くが善悪の分かりにくい複雑なものになっている。だが、善悪を分ける基準の一つとして、その思想・信条・行動が世界中に広がった時に、多くの人々に幸福をもたらすか否かという点は大事だ。

混沌とした中で、イスラム圏の国々や欧米諸国は衝動的に戦うのではなく、一度冷静になって、中東の人々にとってどのような結末が望ましいかを再考すべきだ。 また日本も、欧米とは異なる近代化のモデルを指し示し、イスラム圏が「イスラム的近代化」を果たす手助けをするべきである。(中)


【関連記事】
2015年3月26日付本欄 国際ニュース、今週のこれだけ5――3月26日版
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9408
2015年4月号記事 イスラム国の「正義」 - 日本は欧米と中東の仲裁者たれ Part2 イスラム教vs.キリスト教
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9237
2014年10月28日付本欄 イエメンの首都陥落 広がる中東の混乱
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8653


日本が果たすべき「ワールド・ジャスティス」への使命―「イスラム圏」編(2)

2015-03-29 18:15:58 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

日本が果たすべき「ワールド・ジャスティス」への使命

―「イスラム圏」編(2)

[HRPニュースファイル1320]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2116/

文/幸福実現党・茨城県本部副代表 中村幸樹(なかむら・こうき)

世界の紛争は宗教的対立を含んでおり、世界的正義がどこのあるかを判断するということは大変難しいことです。これを解決するためには、各宗教を束ねる全地球レベルの価値観を示すことができなければなりません。

社長が、経営者として会社の全責任を持っているように、「地球」の経営に対して全責任をもっている「至高の神」「地球神」の考えがあるとすれば、誰でもが聞きたい話です。この考えに基づけば、地球の紛争も解決できるからです。

今回は、その世界の紛争を解決するために必要な地球レベルの「ワールド・ジャスティス(世界的正義)」について述べて参ります。

◆「寛容」と「許し」の論拠

世界の紛争を根本解決には、お互いの理解を妨げる壁を取り除き、「寛容」と「許し」の論拠となる、決定的叡智が必要です。

それは、「地球神の存在」「霊界構造と教えの多様性」「人間神の子の思想」であると考えます。

◆「地球神の存在」

イスラム教、キリスト教、ユダヤ教を指導した、同一の神が現実に存在します。

『旧約聖書』で「エロヒム」と呼ばれ、現在は「エル・カンターレ」と呼ばれる、創造主、根本神(根本仏)、至高神にして、地球神が、マホメットもイエスもモーセも地上に遣わし、最高責任者として彼らを指導してきました。

「アラー(イスラム教)」「天なる父(キリスト教)」「在りて在るもの(ユダヤ教)」が同一の神であり、信仰の対象が同じであると明確に認識すれば、互いに「悪魔の宗教」とレッテルを張って攻撃するような考え方を改めることができます。

地球神は実在し、諸宗教を統合できる地球的仏法真理は存在します。

この事実が、「寛容」と「許し」への第一の論拠となります。

◆「霊界構造と教えの多様性」

霊界は、悟り(心の境涯、愛の発展段階)に応じた、さまざまな階層(次元)に分けられ、地域性や心の傾向性によっても、空間的に分けられています。

地球神(至高神)ではない神々、天使、聖霊は、必ずしも全知全能ではなく、認識力や考え方に違いがあると知ることは、寛容さの基礎になります。

例えば、ヤハウェの考えはエロヒムの教えと違い、絶対の真理ではないと理解すれば、裁き心の緩和につながります。

救 世主や預言者が地上に降りても、至高神の法の全てをストレートに受けられるわけではなく、自らの悟り、地域性、時代性、教えを説く対象、通信役の天使の個 性等の影響を受けつつ教えを説くため、人類普遍の法と、人・時・所で解釈や内容に融通を利かせるべき教えとが混在します。

こうしたメカニズムを知れば、教えの普遍的な共通部分は祝福しつつ、教えの違いや多様性は、寛容に理解し合い、学び合い、必要に応じて教えをイノベーションすることができます。

仏神と霊界の実在、永遠の生命と転生輪廻、波長同通の法則、原因結果の法則、愛と慈悲の心、反省の心、魂修行とユートピア建設等。

以上の変えられない本質的で普遍的な法の根幹と、変えても良い部分を判別することで、他宗教との矛盾点、生活様式や慣習、経済・科学・学門等の新しい課題に対しても、教えに必要な修正をかけて、「寛容」と「許し」につなげることができます。

◆人間神の子の思想

人間が神の子であり、すべての人間の魂に神の性質が宿っているなら、すべての人間の尊厳は護られるべきとの考えに到ります。

「憎しみを捨て、愛をとる」考えが正当となり、報復や、テロ、虐殺への防波堤となります。

唯物論、人間罪の子、性悪説など、神性を否定する思想は、人間不信、犯罪、殺戮につながる、間違った思想です。

すべての人間には、根本神(根本仏)から分かれてきた尊い神性(仏性)が宿っています。

「ワールド・ジャスティス」の根底には、地球神の慈悲の心があり、人間の魂も神の子としての慈悲の心を宿している尊い存在だという真実が、前提としてあるのです。

幸福実現党は、地球神、ワールド・ティーチャーの智慧と慈悲を基盤とした宗教政党であるからこそ、宗教が根底にある全世界の課題に対して、「ワールド・ジャスティス」(世界的正義)を明らかにし、根本的な解決を図ることができます。

幸福実現党は、全世界の平和と繁栄へ、「ニュー・ワールド・オーダー」をつくり出して参ります。

 

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緊迫する中東情勢――日本文化・教育の輸出で中東の平和と安定に貢献を!

2015-03-27 13:17:17 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

緊迫する中東情勢――日本文化・教育の輸出で中東の平和と安定に貢献を!

[HRPニュースファイル1318]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2112/

文/HS政経塾 第1期卒塾生 彦川だいし

◆「イスラム国」騒動の影で拡大するイランの影響力

3月25日、イラク政府の要請により、米軍など有志連合が北部ティクリートの奪還に向けた空爆支援を開始しました。

ティクリートはイスラム国の拠点であるモスルと首都バグダッド結ぶ交通の要衝であり、イラク治安部隊が戦闘を展開する上で重要な地域です。

米国防総省のウォーレン報道部長は、ティクリート奪還作戦はイラク治安部隊が主導しており、同作戦の成功は「米軍が最も頼りになる連携相手だとイラク側が理解することが重要だ」と指摘しています。

この発言は、対「イスラム国」戦争の影でイランがイラクに対する影響力を拡大していることを念頭においたものと思われます。

というのも、3月2日にティクリート奪還作戦が開始された当初、シーア派民兵約3万人を含むイラク治安部隊の戦闘指導が同じシーア派国家であるイランの軍人が行っており、米軍に対してイラク政府側から支援要請がなかったという経緯があったからです。

イラク戦争後、「民主的な」プロセスを経て成立した政府がシーア派系イラク人による政権だったとしても、それが対「イスラム国」戦争を通じてイランの息のか かったシーア派系国家に変質することは、イランの核開発を問題視する米国として、とうてい受け入れられる事態ではないと言えます。

◆イエメン内戦に見る、「イスラム世界」の厳しい覇権争い

イランの影響力が拡大することを受け入れられないのは、米国だけではありません。イランが中東で影響力を拡大するとなれば、サウジアラビアなどスンニ派諸国との緊張が高まる恐れがあります。

例えば、先ごろからシーア派反政府組織による内戦が激化していたイエメンを見ると、同国のハディ暫定大統領がサウジアラビアなど湾岸諸国に軍事介入を要請したため、3月26日よりサウジ軍などからシーア派反政府組織「フーシ」に対する空爆が開始されています。

イランはこのような湾岸諸国による軍事介入に対して、「イエメンの主権侵害に当たる」として非難すると共に空爆の即時中止を求めました。

当のイランは今年、「フーシ」が内戦で優位に立つとすぐに経済使節団を交換していたほか、「フーシ」支配地域と航空機の定期便を就航させるなど、実に「手際の良い」対応をとっています。

イランはイエメンの「フーシ」に対する支援を公には認めていませんでしたが、水面下の支援なくして、とうていありえない対応だと言えるのではないでしょうか。

仮にイエメンとイラク、二つのイラン系シーア派国家が誕生したとしましょう。その時一番困るのは、これら両国に直接南北を挟まれることになる、サウジアラビアだと考えられます。

サウジアラビアは、かつて2011年にトゥルキ・ファイサル王子がイラン、イスラエルと二つの核武装国に囲まれた場合、自らも核武装のオプションを検討せざるを得ないと発言していることから、イランの勢力伸長に対して強い警戒心を持っていることが伺われます。
 
対「イスラム国」の戦争を通じてイランの影響力が増し、緊張が過度に拡大しないよう、米国としても神経を尖らせているのではないかと推察します。冒頭のウォーレン報道部長の発言からは、そうした印象が伺えます。

◆中東の平和と安定のために、日本ならではの貢献を

中東情勢が不安定になった場合、原油価格・資源価格の上昇という形で我が国の経済は打撃を受けてしまいます。遠い中東の地であったとしても、中東の混乱を放置するわけにはいきません。

エネルギー安全保障の観点から、シーレーン防衛を固めるのはもちろん必要ですが、重要な点はイスラム圏の意識改革です。イスラム文化の良さを壊すことなく、経済と社会の発展を実現できる日本的な「和の精神」を広めていく仕組みをつくることが必要だと考えます。

具体的には、イスラム圏でも評価の高い日本型の学校教育を輸出し、日本にあこがれを持つ若者を育てること。さらにそのような若者を、留学生として日本の大学に迎え入れ、日本と本国の架け橋となる人材として送り出すという仕組みを作ることです。

戦前、日本が多くの若者の留学を受け入れ、母国を発展させる人材として送り出したことを、もう一段大きなスケールで実行するわけです。

日本経済を発展させた、日本人の商道徳。多様な文化を受け入れ、新たな価値の創造を可能にする和の精神。それらの根本にある日本人の倫理観や宗教観。

こう言った有形無形の文化体験を通じて、日本と中東の架橋となり、母国の発展を後押しできる人材を育てることが重要だと思います。

 

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チュニジアのイスラムテロ 日本人は「イスラム教」について学ぶとき

2015-03-21 16:15:37 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

チュニジアのイスラムテロ 日本人は「イスラム教」について学ぶとき
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9347

観光名所の博物館に響く銃声、逃げ惑う外国人観光客――。

北アフリカ・チュニジアの首都チュニスにある国立バルドー博物館で18日、武装集団が観光客を人質に立てこもり、無差別に銃を乱射するテロ事件が起きた。3人の日本人を含む外国人観光客ら計21人が死亡したほか、40人以上が負傷した。

その翌日、「イスラム国」がインターネット上で音声による犯行声明を公表した。声明の中でイスラム国は、今回のチュニジアでの襲撃は「最初の雨粒にすぎない」と述べ、新たなテロ攻撃を予告した。


◎民主化後、安定していたチュニジアでなぜ……

チュニジアといえば、2010年から11年にかけて「ジャスミン革命」と呼ばれる民主化運動が起きた場所だ。「アラブの春」と呼ばれる中東の民主化運動の中、 チュニジアは民主化のプロセスが進み、政情も比較的安定している。「『アラブの春』の唯一の成功例」と言われてきた。そんなチュニジアで、なぜこのような テロが起きたのか。

一つには、外国人観光客を狙うことで、国際社会にイスラム国の恐怖を植え付ける意図があったと考えられる。

また、イスラム思想研究者の池内恵・東京大学准教授によると、イスラム国にとって中東諸国の安定化は、自らの勢力拡大にとっての障害になるという。イラクや シリアのように国家が崩壊していれば、テロ集団に対して手が打てない。しかし、国家の体裁が保たれている国ではテロ活動は困難となる。特に西側諸国の影響 の民主化運動が成功しているチュニジアに、イスラム国はいい印象を持たないだろう。

そんな中、日本政府は1月、「中東諸国の社会を安定化させる」という名目で、各国に人道支援を表明。日本人人質事件につながった。


◎「対岸の火事」ではなくなったイスラム国問題

こうした背景を見ると、イスラム国の問題は日本人にとって「対岸の火事」ではないことがわかる。

では日本は、イスラム国にどう対峙すればいいのか。欧米諸国のイスラム国殲滅を支援するべきか。他の道を探るべきか。

今まで日本にとって、イスラム教は遠い世界の存在だった感がある。しかし今後は、当事者意識を持って、彼らへの対処を考えていかなければならない。そのためには、イスラム教とは何か、どのような歴史があり、なぜ一部の勢力はテロを繰り返すのかを学ぶ必要があるだろう。

3月末に発行される月刊「ザ・リバティ」5月号では、「中東の10年先の設計図」として、大川隆法・幸福の科学総裁によるイスラム問題解決の提言を解説する。 イスラム国の設立の歴史的背景や思想を理解し、「何が正義なのか」を知りたいと願う方は、ぜひ参照されたい。(真)


【関連書籍】
幸福の科学出版 『スピリチュアル・エキスパートによる徹底検証 「イスラム国」日本人人質事件の真相に迫る』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1415
幸福の科学出版 『イスラム国 "カリフ"バグダディ氏に直撃スピリチュアル・インタビュー』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1411
幸福の科学出版 『ムハンマドよ、パリは燃えているか。―表現の自由VS.イスラム的信仰―』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1394
【関連記事】
Web限定記事 イスラム国 バグダディ氏守護霊霊言 「イスラムにも大義がある」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9146
Web限定記事 イスラム国 人質事件 日本は善悪の価値判断を示せ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9124
Web限定記事 後藤さんたちは今何を思う? イスラム国、日本人人質事件の真相に迫る
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9156
2015年3月10日付本欄 「イスラム国」 彼らが背負う悲しい歴史【そもそも解説】
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9313


近づきつつあるイラン・イスラエル有事――中東には今すぐ新たな「調停者」が必要だ

2015-03-04 10:59:57 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

近づきつつあるイラン・イスラエル有事

――中東には今すぐ新たな「調停者」が必要だ

[HRPニュースファイル1295]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2065/

文/幸福実現党山形県本部副代表 城取良太

◆シーア派・イランの伸長、アメリカ・イスラエルの隙間風

世界中から「イスラム国」が注目を集める中、イランを巡る動きが慌ただしくなっています。

まず、イエメンで事実上のクーデターを起こし、政権を転覆させた同じシーア派系勢力であるフーシ部族に対して、イランは衣料品や食糧、民間定期便の就航に合意するなど、本格的な支援を開始しました。

また、フーシ部族を主体としたイエメン政府の使節団をテヘランに受け入れ、更に踏み込んだ関係強化の協議も始まっており、イエメンにおけるシーア派の影響力強化を着々と進めています。(読売3/3)

一方、イランが進める核開発に対して、オバマ政権は3月末下旬までに外交的解決を目指していますが、その融和路線を危険視するイスラエルのネタニヤフ首相がオバマ大統領との調整なしに訪米するという異例の事態が起こっています。

ネタニヤフ首相は3日の議会演説に先立って「米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」の年次総会で演説を行い、「イランと結ばれようとしている合意はイスラエルの存続を脅かしかねない」と訴えました。

それに対し、オバマ大統領は同日、「10年以上はイランの核開発を制限する必要がある」との認識を示し、イスラエルの理解を得るスタンスを取りつつも、核問題解決に向けての手法は「イスラエルとは異なる」という姿勢は崩しておりません。

任 期がわずかとなった米大統領は、得てして議会の抵抗の少ない外交分野でレガシー(政治的業績)を残そうとしますが、ノーベル平和賞を受賞し、アメリカに 「世界の警察官」をやめさせたオバマ大統領としては、話し合いと協調をベースにした不介入路線をより強めていくことが予想されます。

◆「イスラム国」の台頭に繋がったオバマの消極主義

しかしながら、そうしたオバマ大統領の不介入路線が、各地で混沌の種を撒きつづけてきたことも現実です。

「イスラム国」の台頭に関しても、オバマ大統領のイラク、シリアにおける2つの消極主義が主な原因になったと言えるでしょう。

一つは、2011年にイラクから完全撤兵したことです。

ペトレイアス将軍の元、2008年のサージ(大規模派兵)以降、地元のスンニ派を上手く取り込みつつ、宗派間のバランスを上手く保っていましたが、米軍が撤 退したことでスンニ派は後ろ盾を失い、シーア派政権に虐げられていたため、新たな後ろ盾として登場した「イラク・イスラム国」が急拡大したと言えます。

二つ目には、シリア内戦にアメリカが不介入主義を採ったことです。

シリア・アサド政権の早期打倒を行わず、内戦を長期化させたことで、「イラク・イスラム国」がシリアに勢力を拡大するチャンスを与え、結果として「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」が出来上がったのです。

◆イスラム国の台頭で「漁夫の利」を手にしたのはどの国か?

一方、「イスラム国」の台頭で漁夫の利を得ていたのはシーア派・イランであったという見方も出来ます。

というのも、イランは「イスラム国」掃討の大義名分を掲げ、同じシーア派が政権側のイラク、シリアに対する後方支援を行いながら、欧米側とも共闘姿勢を見せ、核開発交渉で見返りを求めつつ、時間稼ぎを行ってきました。

今後、「イスラム国」の弱体化が予想されますが、イラク・シリアに生ずる力の空白に対し、シーア派が今まで以上に伸長し、イランからレバノン、そしてイエメンにより強い影響力を持つ可能性が強いと言えましょう。

その結果、サウジアラビア等、スンニ派国家を包囲しながら、イスラエルの喉元に刃を突き付ける格好となるのです。

◆予想されるイラン・イスラエル有事は日本に大打撃を与える

このような展開が現実化することで、オバマ大統領のイランに対する融和路線は結局、平和と安定はおろか、大規模な戦争を招きかねません。

なぜなら、時間の限られたイスラエルにとって、頼りにならないオバマ政権を見限り、最も警戒しているイランを始めとするシーア派勢力の伸長に対し、核攻撃を含めた実力行使は厭わないからです。

そしてイラン・イスラエル間で有事が発生した場合、中東へのエネルギー資源依存度が90%近い日本にとって、国家存亡の根底を揺さぶるようなエネルギーショックの到来も、近い将来の現実かもしれないのです。

だから、中東で起こっている一連の有事に対しても、日本は関与すべきでないと考えるのは無責任なのです。

◆アメリカに代わる「調停者」は日本しかいない

元々は、第一次世界大戦後にヨーロッパとイスラム世界の「調停者」として期待されてきたアメリカでしたが、約1世紀経った今、イスラム圏からの信を失い、もはや「調停者」としての耐用年数は過ぎたと言えるでしょう。

しかし、スンニ派とシーア派の宗派対立、イスラム圏と欧米圏の歴史的遺恨、イスラム教とユダヤ・キリスト教の一神教対立など、多層的な対立構造の中で、いまそこにある深刻な危機を抱える中東地域には、新たな「調停者」が必要なのです。

その非常に難しい役割を担えるのは世界中を見渡しても、日本しかないでしょう。

そのためにも、経済・文化的のみならず、日本は安全保障面においても、しっかりと貢献できる体制を整えるべきです。

自国の国益をしっかり守るためにも、中東の平和と安定を保つためにも、新たな「調停者」として両者を納得させるような「自立国家」となる必要があるのです。

 

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ネタニヤフ首相がユダヤ人にイスラエル移住を呼びかけ

2015-02-23 14:50:31 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

ネタニヤフ首相がユダヤ人にイスラエル移住を呼びかけ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9259

コペンハーゲンのテロ事件で、ユダヤ教の礼拝所が標的になり、犠牲者が出た。容疑者とイスラム国とのつながりも噂されている。そんな中、イスラエルのネタニヤフ首相はヨーロッパに住むユダヤ人に、イスラエルへの移住を呼びかけている。

ネタニヤフ首相はフランスのシャルリー・エブド事件の直後、ユダヤ人向けスーパーが襲撃された時にも同様の発言をしている。2014年には、フランス在住のユダヤ人の移民が、前年比2倍の約6000人に増えるなど、移住の動きは加速している。

イスラエルは、ユダヤ人にとっては「神から約束された地」である。旧約聖書には、イスラエルをめぐって、ユダヤ人が争いを繰り返してきた歴史が記されている。長年、祖国を失い、放浪していたユダヤ人にとって、イスラエル建国は悲願だった。

ただ、1948年にイスラエルを建国する際、もともと住んでいたアラブ人であるパレスチナ人は排斥されてしまう。その後も、アラブ諸国とイスラエルとの間で 戦闘と停戦が繰り返されてきた。1993年にはパレスチナ自治区が設定されたが、合意は守られず、繰り返し戦闘が起きた。

和平交渉を妨げているのは、イスラエルがパレスチナのヨルダン川西岸地区の広い範囲に入植し、住宅地を建設し続けていることにある。そのため、アラブ人の自治が行われているのはパレスチナ自治区の40%にすぎず、広範囲はイスラエルの統治下にある。

ネタニヤフ首相が言うように、ヨーロッパのユダヤ人がイスラエルに移住する動きが加速すれば、問題となっている入植を推し進めることになる。ただ、ユダヤ人の中にも入植に疑問を呈する人々がいる。

その一人は、イスラエルの国立ヘブライ大学の設立時の教授で、正統派ユダヤ教徒のイェシャヤフ・レイボヴィッツ氏だ。レイボヴィッツ氏は1967年にイスラ エルがヨルダン川西岸を占領した段階で、「我々はヨルダン川西岸からただちに退去すべき」と提唱。本誌2015年3月号に登場したユダヤ人のナクム・シッ カーマン氏は「現在でも入植が問題になっていることを考えれば、先見性のある発言だった」と評価する。

ユダヤ人学者であるハンナ・アーレントもその一人で、「隣人の民族が承認せず、尊敬しないなら、場になるだけ」との言葉を残している。

大川隆法・幸福の科学総裁は、2014年5月に、旧約の預言者、第二イザヤの霊言を収録した。第二イザヤの霊は、イスラエル・パレスチナ紛争について、「イスラエルのほうが“引っ越し"すべき」として、エルサレムの地に対する執着はないことを明らかにした。

争いの根源は、イスラム教徒であるアラブ人を、ユダヤ教が敵視していることにある。ユダヤ・パレスチナ問題を解消するためには、宗教的寛容の精神によって共存の道を探る必要があるだろう。(晴)


【関連書籍】
幸福の科学出版 『宗教社会学概論』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1243
幸福の科学出版 『イラン大統領vs.イスラエル首相 中東の核戦争は回避できるのか』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=753

【関連記事】
2015年3月号記事なぜユダヤ人向け食品店が狙われたのか- スッキリわかる中東問題【後編】 Part2
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9100
2015年2月号記事 ユダヤの神の正体とは
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8948
2014年12月号記事 イスラム国 サダム・フセインの呪い スッキリわかる中東問題【前編】 Part2
(元イスラエル大使とパレスチナ大使のインタビューを共に掲載)
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8604


イタリアがイスラム国による侵略を懸念 憎しみの連鎖を止めよ

2015-02-21 13:28:43 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

イタリアがイスラム国による侵略を懸念 憎しみの連鎖を止めよ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9217

「イスラム国」が、北アフリカのリビアで、キリスト教の一派であるコプト教徒のエジプト人21人を殺害し、国際社会が強く非難している。公開されたビデオは「血塗られた十字架の国」に宛てられたもので、「我々はローマの南にいる」というメッセージが盛り込まれていた。

リビアとイタリアは、地中海を挟んで国境を接している。リビアからイタリア南部のシチリアまでは約500キロメートル程度で、これは東京‐大阪間とほぼ同じ距離だ。この状況に、イタリアはイスラム国の暴力の流入に神経を尖らせている。実際2014年に、リビアやトルコからイタリアに入国したのは17万人に上 る。その中にイスラム国の武装勢力が紛れ込んでいたとしても特定することは難しい。

イスラム国のメッセージに対し、イタリアのマッテオ・レンツィ首相は、リビアの首都トリポリにある大使館を閉鎖し、将来的に軍事行動を起こす可能性を示唆した。

しかし、イタリアは2年前の欧州経済危機の後、軍事支出を40%削減しており、展開できる兵員はせいぜい5000人と言われている。その結果、レンツィ首相 は、「今は軍事介入の時ではない」「我々は国連安全保障理事会の提案を待つ。国連の力は、単なる過激派武装集団の力を遥かに上回る」とした。

イスラム国の支配圏が広がれば、多くの不幸が生まれる。しかし、イスラム国がここまで広がった背景には、それなりの理由がある。それは、第1次大戦後、欧米 の植民地政策で分裂させられたイスラム圏を「再統一したい」という思いに共感する人々が多いからだ。人質の殺害などの残虐な行為には必ずしも賛同しなくとも、統一というイスラム圏の人々の悲願は依然として存在する。

だが、イタリアの対応には目を覆うばかりである。イタリアは、欧州連合(EU) と共同安全保障防衛政策を掲げており、ソ連崩壊後、大きな軍事的脅威もなくなったため、長年国防をおろそかにしてきた。そのツケが回ってきたと言えるかもしれない。

日本が学ぶべき教訓は、国連や他国に頼っても、最終的に国を守ることはできないということだ。たとえ守れたとしても、それは自らの努力の結果ではなく、他国に自分の運命を委ねているに過ぎない。

一方、日本はこのイスラム圏と欧米圏の対立の仲裁役を担うべきだ。

現在、欧米諸国は、イスラム過激派を「悪魔の化身」と見立てて、民間人もろとも虐殺することを「正義」と見ている節がある。これまでの欧米の軍事介入は外科手術的な側面も見せてきたが、キリスト教的価値観に照らして理解できないものは、殲滅も辞さないという過激さがある。第2次大戦の日本への原爆投下がそれ を示している。

かたやイスラム教国も、人命を軽んじる傾向が強い。古い慣習や恐怖心で人を縛り、それに反した人を簡単に殺すなどしているが、もっと人間の幸福について考える信仰へと、改革を図るべきだろう。

もちろん、宗教や民族、国や家族のために敵を倒したり、命を投げ出すことが美しい場合もある。だが、そこに「正しさ」や「真理」が失われ、「憎しみ」や「怒り」だけが増幅するのであれば、片方がもう一方を殲滅するまで争いは終わらない。

この憎しみの連鎖を止めるべく、キリスト教国とイスラム教国のどちらにも属さない日本は、「正しさ」を掲げ、双方の歩み寄りに尽力すべきである。それを実現するための智慧は、すでに存在している。(中)


【関連記事】
2015年3月号記事 イスラム・テロをなくす道 - スッキリわかる中東問題【後編】 Part1
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9101
Web限定記事 テロをなくすための考え方 「イスラム国」は悪魔なのか?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9183
2015年2月12日本欄 オバマ氏 イスラム国に地上兵 信仰への理解も必要
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9193
2015年2月7日本欄 霊言を読み解く イスラム国をヒロシマ・ナガサキにしてはならない
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9176


オバマ氏 イスラム国に地上兵 信仰への理解も必要

2015-02-13 14:01:41 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

オバマ氏 イスラム国に地上兵 信仰への理解も必要
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9193

イスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」の問題について、オバマ米大統領は11日、限定的な地上兵投入を求める決議案を米議会に送った。

オバマ氏は、その理由として「イスラム国を野放しにしておけば、中東全域やアメリカ本土に対して深刻な脅威となり得る」と説明した。

しかし、オバマ氏の提案に慎重論を唱える声も多い。下院のジョン・ベイナー共和党議員は、「大統領が示した戦略が、目的を達するに足るものか分からない」と し、ティム・ケイン民主党議員は、「地上兵の使用を求める提案は漠然としており、不明瞭なので、説明を必要とする」とした。

今回の地上兵投入は、オバマ政権の大局観のなさを露呈しているように見える。イスラム国が生まれた経緯をたどると、アメリカが2003年に始めたイラク戦争で、スンニ派のサダム・フセイン政権を打倒し、イラクに新しくシーア派の政権を誕生させたことに行き着く。

その後、アメリカは、イラクが混乱している最中に米軍を撤退させた上、隣国シリアの内戦で数万単位で死者が出る状況に何も手を打たなかった。スンニ派がつくるイスラム国は、イラクのシーア派による圧迫に対抗するために、シリア国内の混乱に乗じて台頭したのだ。

確かに、イスラム国のような武装集団が中東地域に広がれば、さらに多くの不幸が生まれるだろう。イスラム国の武力闘争を押しとどめることは重要だ。しかし一方で、武力のみでは根本的な解決に至らないという現実も忘れてはならない。

仮 に、イスラム国に集った民間人を含む数万人を殺害・殲滅したとしても、イラク国内におけるスンニ派への弾圧状況が改善されない限り、新たな「イスラム国」 が誕生するだろう。実際、イスラム国は、元アルカイダ系の過激派集団と、イラクの新政権に排斥されたバアス党(フセイン元大統領が率いていたスンニ派政 党)の、二大集団が基礎となっている。

オバマ政権は、イスラム国の武力闘争を押しとどめつつ、スンニ派の人々の声を政治に反映させるように、シーア派のイラク政権に働きかけるべきだろう。

そもそもイラクなどの中東は、さまざまな民族や宗派、言語が異なる人々が混在していた地域で、ヨーロッパ諸国の勝手な都合で国境線を引いて、無理やり「国」としてまとめた歴史がある。

ここまでもつれた糸をほぐすには、武力だけでなく、中東の人々の信仰への理解を前提にした政治的・外交的な努力が不可欠だ。人質などを殺害されている日本や欧米は頭に血が上っている状態だが、これ以上の混乱を避けるためにも、冷静な対応が必要である。(中)


【関連記事】
Web限定記事 テロをなくすための考え方 「イスラム国」は悪魔なのか?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9183
2015年2月7日付本欄 霊言を読み解く イスラム国をヒロシマ・ナガサキにしてはならない
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9176
2015年2月4日付本欄 ヨルダンのパイロット殺害の映像公開 イスラム国への空爆強化は中東平和につながるか
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9163


「イスラム国」の問題を通じて中東に、世界に、そして宗教に目を向けよう

2015-02-12 15:18:49 | 中東・ユダヤ教・イスラム教・IS問題

「イスラム国」の問題を通じて中東に、世界に、そして宗教に目を向けよう

[HRPニュースファイル1275]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2025/

文:幸福実現党世田谷区代表・HS政経塾第二期卒塾生 曽我周作

◆複雑な中東の歴史

先日のISIS(通称「イスラム国」)によって日本人人質が殺害されたとみられる事件について日本中に衝撃が走りましたが、私たち日本人にとっては中東問題の本質についてはなかなか理解が難しいのが現実ではないでしょうか。

2月3日付の当ニュースファイルでは、幸福実現党山形県本部副代表の城取氏が「今まで大半の日本人からすると、中東は『遠くて縁の薄い地域』」だと指摘しいています。また外交評論家の加瀬英明氏も指摘するように、中東の歴史は複雑を極めるといわれます。

私 たち日本人は永く単一民族で海に囲まれた国家として和を尊び生きてきたため理解が難しいものの、まずその多民族と宗教の入り乱れる中東の歴史を学ばなけれ ば、現在起きている中東での問題も結局のところ本質が見えず、理解ができないまま翻弄されることになるのではないでしょうか。

◆キリスト教国によって引かれた中東の国境線

それ以前、オスマン・トルコ帝国が支配していた広大な地域に対して、サイクス・ピコ協定といわれるものをもとにして引かれた、定規で引いたような不自然で直線的な国境線は、そこで暮らしている住民の宗教や民族の実態を無視しています。

それを進めたのはキリスト教国であるのイギリスとフランスというヨーロッパの強国であり、植民地支配を進めていた第一次世界大戦後に行なったものです。

自分たちの住む場所に、実態を無視した国境線を引かれたらどう思うでしょうか。

それも、他の国の植民地支配を受け、植民地支配をする国同士で勝手に決めて押し付けられた国境線です。不満が募るのは当然の結果だと言えます。

この国境線の存在と、そこでの分断された民族の問題という一つをとっても、私たち日本人にとってはなかなか理解するに難しい問題です。

◆宗教を教えない戦後教育

イスラム教という宗教についても日本では十分な宗教教育が行われていないため、いったいどのような宗教であるのかについて、それぞれの個々人が自発的に学ぼうとしない限り、ほとんど理解も進まないのが現実です。

そしてそれはキリスト教やユダヤ教についても同様です。敗戦後「宗教」そのものをタブーにして教育の場から追放してしまった結果、日本人は宗教の問題についてとても疎くなっているのではないでしょうか。

宗教を信じない人が戦後増加し、宗教について学ばないゆえに、世界での宗教対立の歴史や現在ただいまの問題についても適切な理解が進まないのではないでしょうか。

◆宗教教育の大切さ

私も知人と話す中で「宗教というものがあるから対立が起こる。宗教がなければいいのだ」というようなことを言われたこともあります。

しかし、それは人間の内心の自由を侵すものであり、単なる「無神論のススメ」であり、何の解決をもたらすものではありません。内心の自由を否定されたならば人間はその自由と尊厳を完全に失うことになります。

また、神や仏の存在を否定した無神論国家の中国や北朝鮮の行っている激しい人権弾圧やその蛮行をみても、神や仏や信仰を否定するとことが人間の目指すべき道ではないと思います。

今私たち日本人は、なぜキリスト教・ユダヤ教文明国とイスラム教文明国との間で対立が起こるのか、戦争はなぜ起きているのか、テロはなぜ起きているのか、イスラム教国内でも内戦が起きているのはなぜなのかについてもっと関心を持たなければなりません。

そして、「イスラム国」などと名乗る過激な集団はなぜ生まれたのか、彼らの掲げる大義は何なのか、ということについて考える中で、中東の問題、宗教に対して理解を深めるべき時が来たのかもしれません。それは必ず世界への理解を深めるものにもつながるはずです。

◆「和をもって尊し」としてきた日本の使命

今回、ISISによる痛ましい人質殺害によって失われたお二人の尊い命の犠牲を無駄にしないためにも、国民の安全を守るための法整備を進めることは当然です。

さらに日本が世界の中で国や宗教や文明間の紛争や対立の調停役を果たせるような国家へと一歩でも歩みを進めるべきです。

平和を愛する国家として、「和をもって尊し」としてきた国家として、その使命を果たすためにも、私たち日本人は今回の事件を契機とし、中東から世界に目を向け、そして宗教というものに目を向ける必要があるのではないでしょうか。

参考:『加瀬英明のイスラム・ノート はじめての中東入門』
『日本は中東から決して退いてはいけない!』HRPニュースファイル2月3日
http://hrp-newsfile.jp/2015/2009/

 

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