元世翬の気学観測

運気の流れを気学で読み解く

「元世翬の気学観測」第九十五話

2023年11月30日 | 気学よもやま話
〔気学における12月と1月の意味〕
 一年の計は元旦にありと言いますが、気学的には一年の計は二つあります。一つは12月。もう一つは1月です。12月は個々人の価値観の転換がテーマとなります。世の中が変わるためにはまず個々人の考え方の転換が必要です。それが12月の意味です。ここで問われることは何を捨てるかです。それは物質的なものではなく、自分が持っている固定観念や思い込みや偏った考えです。これを切り捨てさせるために、気の世界は12月に子という十二支の気を旺盛にします。これにより価値観や行動の規範を意味する離宮(りきゅう)という場所に破という障害を設けます。破は気学では障害をもたらすマイナスの気と考えますが、その裏ではこの破によって何かを半ば強引に切り替えさせる意図があります。つまり12月は自分自身が持っている硬直化した考えや生き方を改める機会になるのです。
 そのポイントは本当の自分から出ていない価値観を捨てることです。そのために澱んだ気を浄化させる土の気を離宮に置いているのです。そして1月は12月の内面的転換に対し、外形的形式的な転換をテーマにします。具体的には世代交代、引継ぎです。このタイミングに気の世界は白黒明確に態度を決める気を置き、曖昧な態度を取らせないように気の配置を固めます。そして交代すべき人を交代させ、退くべき人を退かせ、止めるべきことを止めさせます。そして万人に選択の自由を与え、世の中に新しい気を吹き込み、人々が自由に活動できるよう、旧体制を入れ替えていきます。

〔自分の考え方を再確認する〕
 今年の12月は価値観を意味する離宮(りきゅう)に二黒土星が入り、旧来の価値観の崩壊が個々人の内面で生じます。今年の12月は実に2020年のパンデミックの年と同じ気の形が巡っています。これは2020年に私たち各自が感じ取った価値観の転換を再確認する意味があります。2020年の価値観の転換は生活環境の転換を余儀なくされ、私たちの生き方のパターンが崩れていきました。それは仕事の勤務スタイル、通勤、勤務時間などに直接反映しました。また何かを決めるうえで完全に信頼できる情報源を失い、各自がそれぞれ判断しなければこれ以上進めないという状況に追い込まれました。
 今年の12月は私たちが慣れ親しんできた考え方、判断基準を捨てなければ前に進めなくなりますよという、再確認、念押しになります。私たちは日頃物事を決める時、“これこれだからこうする”と何らかの判断基準を設けて決めます。その“これこれだから”の判断基準が、あなた自身の価値観ですかと問われます。本当の自分自身の内から出てくる価値観であるかどうかが問われます。何かを捨てるとは、何かが終わるということでもあります。気学的に捉えると、12月と1月は自分の生き方の確認場所でもあり、自分の生き方を明確にするという意味もあると思います。

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〔地球の成長に伴う時代の転換〕
 地球が生命体であることをより強く意識しなければならない時代になりました。地球は決して無機質な土や岩石の塊でもなく、ものを言わない物体でもなく、性格をもたないものでもないのです。我々地球に住む生命体はすべて地球を母体として生まれてきたものであり、特に人間は本命・月命・日命という波動を持ち、地球の波動、息遣いをそのまま写し取った生命体になっています。つまり地球は紛れもなく我々と同じ生命体であり母でもあるのです。
 地球が生命体であれば、地球も人と同じように成長します。地球と人は常に双方の運気を共有して活動しています。従って人の運気は地球の運気に影響を及ぼし、地球の運気は人の運気に影響を及ぼします。暦が示していることは地球の運気であり、地球の運気は即ち人の運気となります。だからこそ人の運気は暦によって読み取ることができるのです。
 地球の運気は主に三つの時間枠によって構成されます。それが年月日です。この年月日が運気の型を作ります。年の運気は本命となり、月の運気は月命となり、日の運気は日命となるのです。これらの運気の型は地球の運行とともにそれぞれの人の特徴を現わし、地球の運気にきちんと乗っていくための通行証のような働きを担います。
 三つの運気の型の中で本命は物質的世界の次元を担い、月命は精神的世界の次元を担い、日命は感覚的世界の次元を担います。この三つの運気にはそれぞれ異なる価値観が生まれてきます。本命世界はお金を含めた物質の蓄積が豊かさとなり、月命世界は生きがいに基づいた精神的充足感が豊かさとなり、日命は本能と直感が自分に合うと認めるものに安心を感じます。
 三つの命運はそれぞれの仕事観を築き、その中で月命が三つの価値観を束ねます。月命は三つの命運の軸となり、この軸がしっかり回転することによって本命・月命・日命のバランスが生まれます。                 


〔本命世界から月命世界への価値観の転換〕
 時代は本命的価値観の時代から月命的価値観の時代へ移っています。けれども二つの世界はバランスによって成り立つのであり、一方の命運が一方の命運より優位に立ち一方を犠牲にすることにはなりません。二つの命運は常に互いの役目を担い、互いに協調しながら人生を築き上げていきます。
 地球は地上の生命体と同じく、成長に伴い波動を変えつつあります。命運の軸が本命主導から月命主導に切り替わることで、我々の仕事の進め方も根本的に切り替わります。今までの仕事は必ず本命環境が整えた物質的環境の上で成り立ち、制度、規則、法律、しきたりという基盤の中で月命の求めることが納まるように動いてきました。これが月命環境の仕事観へ軸が切り替わると、物質世界に関わらない仕事がより多くなり、物質的価値を求めない人がより多くなっていきます。
 月命環境を軸とする世界では、その人の本当にやりたいこと、その人が本当に得意としていること、その人しか持っていない才能を発揮していくことが仕事の基本スタイルになります。つまり機械化しシステム化できることはすべてそこで完結させ、創造的な部分を人が仕事として行うようになるのです。これはすべての分野で起き得ます。今まで安泰と思われていた職業や肩書がシステム化によって省かれていきます。これによって失業という形はむしろなくなり、すべての人が固有の能力を発揮する機会が無限に生まれてきます。繰り返しになりますが、それを可能にするのは本命から月命の価値観に軸を移行した人です。その移行は我々一人一人の価値転換によってなされるものです。
 今までは物質的価値の現われた報酬をお金や物、権利で受け取っていましたが、その報酬がすべて形に見えないものに移行したらどうなるでしょうか。以前私たちは給与というものを現金で受け取り、それをもってものに変え、サービスを受け取っていました。それが給与の支給から買い物まで、すべてデータのやり取りに変わり、報酬そのものが目に見えない形で完結するようになっています。この傾向が益々進化すると、給与支給というシステム自体が不必要になり、すべての人がどのようにサービスや労力を交換していくかというテーマだけが残ります。そこでは限りなく物質の形を取らない形でサービスのやり取りが行われていくことになります。我々が物質の形で報酬を受け取らなくなると、最終的には形に見えないもので報酬を受け取っていくシステムに変わります。資本は紙幣でもなく、不動産でもなく、その人が持つ考え、感性、能力、可能性に置き換わっていくことになるのです。





                                (浅沼気学岡山鑑定所)

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