元世翬の気学観測

運気の流れを気学で読み解く

「元世翬の気学観測」第七十五話

2022年03月31日 | 気学よもやま話
(今という時代の気学的な意味)
後天図は波動のしくみを表すと同時に生命成長の順路を表すものでもあります。これを文明進化の順路に置き換えると次のような流れになります。坎宮(天地人一体)→艮宮(同族主義)→震宮(競争と争奪)→巽宮(帰属と忠誠)→離宮(自立と覚醒)→坤宮(解体と再生)→兌宮(多様性と寛容)→乾宮(権威と伝統)→坎宮。後天図において離宮(りきゅう)は南天に位置し、進化の一つの頂点となります。この流れの中で今の時代はどの段階に達しているでしょうか。私は長く続いた巽宮(そんきゅう)の時代が終焉し、2019年から2022年にかけて離宮の時代へ移ったと観ています。離宮は自立と覚醒の宮。ここで人は自分が生まれてきた本当の意味を知ります。そして自分が持って生まれた唯一無二の天性に気付きます。ここに依存はありません。自分の中心から離宮のエネルギーに直接繋がることによって自己覚醒が起きるのです。離宮には物事の正体を見極める、問題解決、悩み解消、抑圧からの解放の作用があります。巽宮には何かに依存し、何かに忠誠を尽くし、自分でない軸に動かされることで社会に適応する意味があります。その巽宮から脱却し、自分の力で考え、自分の力で立ち、本当の自分に目覚めるようになるのが離宮に移行することの意味です。今年からそういう時代に完全に入ったと私は観ています。

(本命的価値観から月命的価値観へ)
人は生まれた時は既存の社会へ適応するために本命環境への適応を優先します。これが36歳まで続き36歳以降から後半人生が始まると命運は本命から月命へと徐々に主導権が移り、月命すなわち非物質的価値観を軸にして世界を見るようになります。目に見える物質的環境よりも生きがいという精神的価値を優先するようになるのです。この流れに逆行し、後半人生を本命的価値観主導で押し切ろうとすると、人生の足取りは次第に重たくなり月命が欲する“本当にやりたいこと”を現実化しにくくなります。価値観の主導権が月命に移ると、本命の価値観は月命の価値観を裏側から支えるようになります。こうして本命と月命は常に表裏一体の関係を保ち、本命は月命の生きがいを支える基盤となり生活の安定をもたらすのです。これが物質的環境の真の意味です。

(価値観転向の流れに乗る)
2020年の価値観転向の流れに乗り、物質的波動はますます精神的波動へと移行しています。七赤時代はこの流れを後押しし、物質的価値の象徴である六白の貨幣を非物質的な価値へと転換していきます。この流れに乗るとお代というやり取りは最終的には言葉と同じようにコミュニケーションの一つの手段でしかなくなります。これが七赤天道のあるべき姿です。こうして七赤金星が6年をかけて生活環境のあらゆる場面に天道エネルギーをもたらし、権力と結びついた俗世の六白は与えても尽きない光の六白へと移り変わります。貨幣という概念はそう遠くない将来、権力から完全に切り離され、与えても尽きない非物質的な価値に置き換わっていくことでしょう。

(喜びから始めたことはなぜ持続するのか)
喜びから始めたことはずっとそのエネルギーが受け継がれていくという法則があります。気の世界は喜びをエネルギー源とするため、喜びから始めたことをどこまでも持続されるように要所要所で補助エネルギーを与えてきます。喜びを意味する七赤金星の動きを暦で追いかけてみるとこのことが如実に分かります。七赤は四緑、一白とタッグを組み、環境変化が生じる空間に達する時、必ずこの三つの九星が変化ラインに並ぶようになります。三つの九星が変化ラインに並ぶときはエネルギーバランスが常に整います。変化ラインは運気が転換する場所ですから、ここが不安定になると持続してきたことが止まります。七赤は喜び。一白は慈愛。四緑は良縁。これら三つの気の力によって喜びのエネルギーが途絶えないように仕組まれているのです。

(なぜ気の世界は断絶を作るのか)
喜びから始めたことはどこまでも続くという法則がある一方、義務、恐れ、不安、圧力、利害から始めたことは一定期間を経ると必ず途絶えるようになっています。気の世界には持続させるか断絶させるかを決める関門があり、これを変化ラインと言います。この関所を通るには気の連携がなされていないと潜り抜けられないのです。この変化ラインを難なく通る九星は喜びの七赤。情で繋ぐ一白。良縁で繋ぐ四緑となるのです。一方三碧、六白、九紫及び二黒、五黄、八白の組み合わせはこの変化ラインを通る時、気のバランスが必ず不安定になります。これらの九星は継承、引継ぎに特徴的な弱点を持ちます。気の世界は意味のないことをしません。この断絶には奥深い意味があるのです。

(断絶を確実にする気)
三碧、六白、九紫は一つのグループとしてまとめることができます。この三つのグループは断絶を確実に作るグループとして位置付けすることもできます。三つの九星に共通する特徴があります。それは物事に対して妥協しないことです。一途、頑固、YESかNOか。こうした特徴は一見融通が利かず他との連携を図りにくいため欠点弱点として見てしまいます。ところが同じことを必要以上に続けることも全体のバランスを崩す要因になります。三碧、六白、九紫の気の強大化をいつまでも放置しておくと次のステップへ移る流れをせき止めます。これら三つの九星は一定の目的を達成すると自分の為したことを後に引き継がないという気質があります。これが却って時代の流れを刷新することを促しています。気の世界はバランスを究極の目的とします。ですから三碧、六白、九紫という三つの九星を同じタイミングで変化ラインに立たせ、敢えて同じ状態を続けず、断絶しやすい状態を作っているのだと私は観ています。




                                                 (浅沼気学岡山鑑定所)

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