元世翬の気学観測

運気の流れを気学で読み解く

「元世翬の気学観測」第九十一話

2023年07月31日 | 気学よもやま話
今年の五黄土星の役割

天道はその九星の本源的な気質を高めるエネルギーです。このエネルギーを伴うと能力が活性化し、才能が開花するものと考えます。今年の五黄土星は乾宮という位置に天道を伴い入っています。この意味は乾宮を意味するものに大きな推進力が与えられるということです。乾宮には主人、資本家、経営者、組織の幹部、また国家、政府という意味があります。また国家や政府が責任をもって運営するものはすべて乾宮の意味を帯びてきます。例えば金融、通貨、税制、福祉、エネルギー政策もすべて乾宮の役目に入ります。五黄土星はどの宮に入ってもその力の調整が必要となり、方向性を誤るとすべてにおいて混乱を招きます。乾宮における五黄土星は国家、政府、企業としてどのような改革を行うのか。その大義が何よりも問われます。
 五黄土星はゼロから始まるエネルギー体であるため、前例のないもの、常識を超えたものになります。その中身はプラスマイナス双方の傾向が出ます。今年注目すべきことは企業においては今まで前例のないプロジェクトが始まり、また政府、国家においては前例のない改革が行われるということです。その動きは既に始まっています。但しこの大義と中身を誤ると国家・政府は暴走し世界は無秩序化してしまいます。乾宮の大義を貫くものは五黄と天道の力を得て成就の道を進み、乾宮の大義を見失ったものは国家と企業を混乱させ、破綻の道へと進んでいきます。
 この五黄土星の動きに準じて三碧木星も走り始めています。今年の三碧木星の役割は五黄土星が打ち立てるプロジェクトを推進する役割です。その内容が独創的であればあるほど、三碧木星の気質が活かされます。常識を超えたことの推進力は三碧の周囲の目もくれず走りぬく勢いが必要だからです。この三碧木星を正しい方向へ導く指南役となるのが一白水星です。その三碧木星が7月に中宮に入り、天道を伴った一白水星の導きを得て突き進んでいます。そして8月は天道を伴った七赤金星が坎宮という全体の動きを統括する位置に入り、縦横無尽な発想と知恵を発揮します。七赤金星の提示するアイディアにより、世界はいよいよ大きな変化の流れに乗っていきます。 


〔8月の傾向〕

8月は今年の後半が始まる月です。8月は二黒土星が中宮に入り、五黄土星が方向転換の艮宮に破という障害を持って入ります。五黄土星と破の重なりは凶作用がひときわ強く出るため、8月の方向転換は混乱とともに変化を余儀なくされるものと考えられます。二黒土星は浄化、初期化の働きがあります。この流れは世の中の矛盾点や汚点を浄化する一つの関門になります。
 この流れの中で七赤金星は天道を伴い周囲を統括する位置に入ります。七赤金星は難所を実に上手くすり抜けていく気質です。家族の結束力と組織のチームワークが乱れる中、個人の意思はしっかりとした柱を立てており、混乱に流されないよう機転を利かした対応で乗り切っていきます。機転を利かした七赤の見事な采配に乗るか、五黄の矛盾と混乱の中で不本意な転換を迫られるか。8月はいずれの立場に立っても世の中の大きな変化に乗っていかざるを得ない状況になります。


〔天道に乗る〕

天道は暦においてその九星のエネルギーを活性化させ、能力を引き出す特別なエネルギーです。このエネルギーは暦によって現れる場所が決まっています。我々が生まれ持つ本命と月命にも天道のエネルギーを身に着けています。従って人それぞれ天道を伴う九星が出生とともに決まり、その能力を活性化させる年月が決まるのです。
 その人しか持っていない特別優れた能力は天道に現れます。天道はその人が生まれながらに既に持っている能力を開花させます。また新たなことを始める時の天道は自分のみならず周囲の援助を得られやすい環境を整え、その経過と終着点を整えます。天道を得るということは成就の道を行き、天の時を得ることを意味するのです。
 天道はその人の能力を活かす道です。天はすべての人の能力が本来あるべきように発揮されることを望んでいます。だからこそ天道を得た道は進みやすいように環境が整えられているのです。天は我々が障害のある道を進むことを本来望んでいません。障害のある方向とは我々のエネルギーが偏った状態にあるときに現れます。それは導きではなく、我々自身が拘りによって選んでいる道です。
 暦は天道のある方向を示し、そのエネルギーを得られるタイミングを示しています。天は我々にこの道に従って進めと常に教えてくれています。道のりが厳しく成果が得られない方へ進むのか。それとも能力を開花させ周囲の援助が得られる成就の道を進んでいくのか。それはその人の選択にかかっています。その選択の中で、暦は常に光のある方向がどこかを示し、我々が生まれながらに持つ能力を開花させる道を明確に示し続けているのです。


〔企業は家族に支えられている〕

企業は家族に支えられています。このことは気学できちんとその関係性を捉えることができます。企業を九星に置き換えると六白金星の役割となります。六白は乾宮(けんきゅう)という位置を定位とし、それに向き合うのが巽宮(そんきゅう)であり四緑木星です。乾宮を雇用側とすると巽宮は従業員になります。ところが立ち位置は従業員側である巽宮の方が上であり、乾宮は下から支える側に立っています。その理由は従業員が本当の主役だからです。雇用を決める企業は本来下支えの立場であることが気の世界の実情です。
 この企業を裏側で支えているのが従業員とその家族です。乾宮と巽宮にクロスする艮宮(ごんきゅう)と坤宮(こんきゅう)は家族とその家族的結束力を意味します。企業はどんな規模のものでもこの関係性で成り立っています。従って六白側の経家者は従業員を本来家族と見なさなければなりません。この関係性はかつての日本、昭和時代の日本的雇用形態で出来上がっていたものです。こういうスタイルは日本固有のものと世界で考えられていましたが、気学から捉えるとこれが本来の姿と言えるのです。
 艮宮と坤宮の強みは血の繋がりです。家族は血の繋がりがあり、損得で動かないことが最大の強みなのです。親は子供が一人前に育つまで扶養し、子供が大人になってからもそのために使った生活費の返済を求めません。当たり前のことですが、これが艮宮と坤宮の家族としての強みなのです。このことを企業に置き換えると、企業は家族の損得勘定抜きの奉仕と結束力で成り立っているのです。こうした家族の支えがなければすべての企業は成り立ちません。このことを認識すべき立場が経営者なのです
 六白金星の本源は儲けを考えないことです。六白は与える一方の気質です。本来の六白は企業活動として得た利益をすべて元の所へ還元します。従って六白が私欲に傾くと、その私欲で得た資金は暦の定められたタイミングで剥奪を余儀なくされます。それは間接的な形として現れるため、経営者はなぜ利益が失われていくのか分かりません。それは本来の六白から逸脱しているからなのです。本来の六白の姿勢を貫く経営者にトータルの意味での損失はありません。なぜなら六白とは与えても尽きない気質を持ち、それに信頼する人々が六白にお金を使い、六白にお金を安心して預けるからです。
 企業の経営者は従業員を家族と見なすことではじめて本来の主従関係を結ぶことができます。例え一時業績が悪化しても従業員の家族的結束力があれば景気の波をなんとか切り抜けていけます。それが坤艮(こんごん)の力です。坤と艮は利害にも損得にも反応しません。こうした家族の支えがあるからこそ企業も国家も成り立つのです。このことを心に刻んでいる人が本当の六白気質を持つ人であり、本来の経営者です。





                                      (浅沼気学岡山鑑定所)

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