元世翬の気学観測

運気の流れを気学で読み解く

「元世翬の気学観測」第九十話

2023年06月30日 | 気学よもやま話
〔7月の運気〕

7月は未月。未は物事の締めくくりを担い、同時に物事を解体し振出しに戻す働きがあります。これは未が世の中の浄化と刷新を図っていると考えるべきです。今年の7月は三碧木星が中宮に入り、六白金星が環境変化を司る艮宮に破の障害を伴い同会します。艮宮の六白金星破には人事の決裂、失墜、利権構造の転換などの意味があります。これと同時に五黄土星は六白すなわち政府や資本家による所業の矛盾と財の中身を暴き出す働きにあります。六白金星は柔軟性を欠く気質のため、物事に対し鋭角的な身の処し方をします。これは六白の欠点と捉えることもできますが、物事の矛盾にきっぱりとけじめをつける気質と捉えることもできるのです。人事において不本意な展開があっても、それは行き詰まりを打開するための流れと捉えるべきでしょう。
 その六白金星に強い縁のある一白水星は天道という活性化エネルギーを伴い、震宮という運気のスタート地点に入ります。水は不足する人の元へ平等に流れていくことを本望とし、一方的に偏ることを戒めます。一白水星の持つ人的交流が新たな局面を生み出し、難渋する課題を現場レベルで解決していきます。震宮の一白水星には能力開花の意味があります。今年の前半から後半への移行に際し、隠れた能力の開花、隠れた計画の開示が世の中を刷新していくことになります。


〔六白金星という気質を理解することの意義〕

六白金星に破が生じると六白を意味することに欠けが生じます。六白金星が意味するものは主人、権威、資本、国益、公共の福祉です。大きな資産が失われる一番の理由は、六白金星が持つ気質の不理解からもたらされると考えます。お金という気はその額が大きくなればなるほど自分のものではなく公の気質を持つようになります。このため使う目的を誤ると六白の気の反動をもたらし、資産や国益を失うという出来事に繋がっていくのです。
 六白金星は公益の気であり、自分以外の誰かのために使う気です。多くの人はこの気質を知りません。なぜ自分が稼いだお金なのに不本意な形で失われていくのか。六白は公益の気ですから我欲や損得勘定のために使われることに合わないのです。それ故我欲のために巨額の資金を手にすると、直接的あるいは間接的にこの資金を放出せざるを得ないような出来事に遭遇するのです。
 また六白金星には権威の意味があり、その公の尊い権威を蔑ろにすると六白の気が穢され、同じように六白特有の反動エネルギーが生じます。その一つに疫病の蔓延があります。六白金星は衛生環境の整った状態を表すため、権威あるものを汚すと衛生環境が悪化し、人体においては免疫力の低下が起きます。これが疫病の蔓延に繋がるのです。気の世界はそれぞれの九星や十二支が持つエネルギーの特性に応じて特有の現象を起こし、法則から外れる流れをその都度矯正していきます。これをもって人心の乱れに警鐘を鳴らし、我々が気の法則に準じて生きるよう諭してくるのです。


〔七赤金星と六白金星の気質の違い〕
     
六白の象意はお金ではなく資本です。六白金星という気は施す一方の気です。ですから自分のために六白の気を使うと須らく損失という形で結果が返ってくるのです。お金は額が大きくなればなるほど個人の気から離れ、自分以外の誰かのため公のため使う気質へと移行していきます。
 六白金星が自己を意味する坎宮に入ると暗剣殺という障害を伴います。これは公を意味する六白の気と私を意味する坎宮の気が相剋を起こすからです。これが公私混同となり、公のお金と私のお金の区別を明確にしない人はここで財を剝がされます。これはお金のことのみならず、公の立場としての自分とプライベートの立場としての自分との区別も問われます。例えば社内での上司と部下の関係や取引における社の立場と私的な立場を混同することも六白の気の障害として掲げられます。
 いつも自分の手元にあり自分の欲しいものに使えるお金は七赤金星の気からやってきます。七赤金星には衣食住の充足という意味があり、これが個人の使えるお金です。また七赤には食べ物の施し、励ましの言葉の意味があります。このことは個人が持つことのできる本当の豊かさは決して物質的なものだけではなく、豊かさは形に現れるものだけではないことを教えます。人から何気なく投げかけられた言葉が励みとなり、この励みがエネルギーとなって物質的豊かさへ変化していくのです。七赤の気から発する励ましの言葉がモノやお金に変化し、その蓄積が最終的に六白金星という人のために動く大きなお金、資本へと変わっていくのです。


〔傘地蔵が教えること〕

傘地蔵の話は本当の七赤の豊かさが何かを教えてくれます。おじいさんは雪の中で寒そうにしているお地蔵さんに持っていた傘を着せて差し上げます。この行為に対しおばあさんは良いことをしなさったと褒め称えます。その夜お地蔵さんはおじいさんの家に恩返しの品を届けにやってきます。この話は七赤の本質をよく表しています。七赤とは自分が持てるもので相手をもてなすこと。手持ちの物がなければ言葉で相手を励まし喜ばすことです。これが七赤の本質であり七赤天道の行いです。七赤の心遣いはいつでも誰にでもできることなのです。七赤の気が溜まると同じ金性の六白に移行していきます。これが純白の富となるのです。六白金星の富とはこうした七赤金星の無償の恵みと心遣いが底にあります。ですから私欲から発するものは真正の六白とはなり得ず、いずれその中身を明かされ損失となって剥がされていくのです。





                                     (浅沼気学岡山鑑定所)

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