月刊パントマイムファン編集部電子支局

パントマイムのファンのためのメルマガ「月刊パントマイムファン」編集部の電子支局です。メルマガと連動した記事を掲載します。

アーティストリレー日記(87)バンバンさん

2018-04-22 20:35:56 | アーティストリレー日記
今号は、TOKYOマイムカレッジ生の若手パントマイミスト、バンバンさんの日記をお届けします。

初めまして、バンバンです!
TOKYOマイムカレッジで細川紘未氏に師事しパントマイムを学んでおります。よろしくお願いします。

信号を渡る時、「青は進め!黄色は急いで渡れ!!赤は気をつけて渡れ!!!」と教えられて育った生粋の浪速育ちです。
焼きそばとお好み焼きとたこ焼きがソウルフードです。
納豆が苦手で、コロッケが大好きです。

あ、そんなことはどうでもいい?

失礼しました。
パントマイムの話をするのでした。

目下、6月に開催される国際パントマイムフェスに向けて奮闘中ですが、
普段は、年に3回ほどTOKYOマイムカレッジ主宰のLive Party(ライパ)に出演し、年に1回くらい試演会に取り組んでいます。
音楽アーティストのソロライブに飛び入りでパントマイムをしたり、
絵の個展で即興のパントマイム作品を贈ったりもしています。
とにかく楽しいことが大好きなので、楽しそうなところに出没します。

そんな私がパントマイムと出会ったのは、3年半前の夏。

仕事で「病院の小児病棟に行って、子どもたちを楽しませよ!」
という命を受けたのです。

さて、困りました。

当時の私には、何の特技もありませんでした。

病室の中で、大きな音を立てずに、
言葉ではコミュニケーションが難しい子どもを笑わせる…

周りに相談しました。
すると、職場のある人が言いました。
「パントマイムなんてどう?」

あ、いいかもしれない。

早速、ユーチューブで「パントマイム」を検索。

一番上に出てきた「シスターひろみのパントマイムレッスン『かべ』」!

なぜか迷いなくこれをやろうと決めました。

1週間くらい空き時間に練習し、
タンスをひっくり返して、
シマシマシャツに、ダボダボジーパン&サスペンダー、麦わら帽子を準備し、
いざ病室訪問へ!

お客さんは小4の女の子と中3の男の子。
車いすの上から、じっと見てくれています。

緊張する暇もなく、ただ一生懸命に大汗をかいて、
「壁に囲まれ、困り、ドアノブを見つけて、脱出してホッ」、
時間にして、ほんの2分半ほどの作品をやり切りました。

終わって、静寂…

女の子は、私と会った時からニコニコしてくれて、
そのニコニコのまま、パントマイムを見守ってくれました。
男の子はずっといぶかしげな表情でいました…
が、演じ終えてしばらくして、「ニヤリ」と笑ったのです。

その瞬間です、私がパントマイムの深淵に落ちたのは!

帰ってすぐに、パソコンでシスターひろみのワークショップ情報を調べて即座に申し込みました。

ワークショップで初めてかけくみさんと作った「焼き芋になる」というパントマイムは楽しかったなぁ。

そこからは発見に次ぐ発見の数々でした。

すべてを真似るパントマイムをするために、
人だけでなく、電車や道、雲、空、風、草、木、花、象、ペンギンetc.
色々な事物をきちんと見るようになり、世界の見方が変わりました。
自分の中にある感情を見つめ、自分の見方が変わりました。
自分の過去を肯定し、未来に期待することもできるようになりました。
これまで以上に人が好きになりました。
生きることが楽しくなりました。

パントマイムに出会えて、本当に良かったです。
パントマイムを通じて出会ったたくさんの人々に感謝しかありません。

その感謝をこめて、
「国際シアターパントマイムフェス2018」のステージに立ちます。
http://pantomimeweek.com/fes2018/

マイムリンク主催の年に1度のこのフェスには、昨年から参加させていただいていますが、大先輩のパントマイミストの方々のすぐ傍で刺激を受けながら学ぶことがてんこ盛りです。今年はさらに「国際」ということで、海外のパントマイミストの方々と触れ合えると思うとワクワクする気持ちが爆発しそうです。

「芸術は爆発だ」とおっしゃった岡本太郎氏が作った『太陽の塔』のように、大きく手を広げて、色々なものを吸収していこうと思います。

これからもバンバンを少しはお見知りおきくださいね。

バンバン


コメント
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