忘憂之物

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             渋沢栄一

北朝鮮が夜にも3発の弾道ミサイルを発射EEZ外に落下

2022年11月04日 | 忘憂之物




金日成が死んだとき、多くの識者は「これで北朝鮮は崩壊する」と言った。1994年だ。軍事専門家やらジャーナリスト、あと「朝鮮半島情勢に詳しい」が枕に付く大学教授などだ。

「へーそうなんや」とお茶の間のおばはんは信じるかもしれないが、テレビをあまり見ない人は信じなかった。だって旧ソ連の崩壊は誰も予想していなかったが崩壊した。最近なら「ロシアはウクライナに侵攻しない」もあった。前回の衆院選も「自民はかなり議席を減らす。立憲と共産は微増する」とか素人丸出しもいた。いずれも分析や解説でメシを喰う人らの「予想」だった。不特定多数の「ネットアンケート」の精度のほうが高いのも同じだった。

「ジェリービーンズの法則」だ。「政治的意図を隠した」専門家より「その他大勢の意見」は信頼に値するということだが、だから北朝鮮は今も崩壊せず、今日も元気に弾道ミサイルを飛ばしている。正義の国際社会から何十年も経済制裁よろしく、世界の最貧国と言われながら、一日100億円以上かかる、と言われるミサイル発射を繰り返している。

以前、ここにも書いたが、北朝鮮の国家予算はトヨタより少ないとか、島根県の県予算より低いとか言われるが、その当時、調べてみるとそれどころではなく「ミニストップ」の全国総売り上げと同じくらいだった。つまり、日本もアメリカも韓国も「コンビニレベル」の経済規模の一族に振り回されているとわかる。要するに「本気で崩壊させよう」なんて誰も思ってない。だから岸田も「断じて許さない」ではなく「許されることではない」と他人事だ。

本気で潰したいなら、いまの統一協会のように、マスコミが煽りに煽る。統一協会は核実験もしないし弾道ミサイルも発射しないが、朝鮮総連は今でも日本全国にある。そして堂々と「朝鮮学校も無償化しろ」とやっている。既に地方自治体からは補助金も出る。平成21年は5.5億円。大阪がトップで1億8千万円以上(都道府県補助)を支出している。最近、減額されているが、それでもまだ令和2年では平成21年度比で半分ほど出ている。異常だ。

つまり、北朝鮮は「崩壊しない」のではなく「崩壊させないようにしている」のが実態だが、他にもいくつか理由がある。例えば旧ソ連などはゴルバチョフもいた。改革派だ。エリツィンもいた。民主化を推し進めた。西側も旧ソ連の崩壊を望んだ。その後のシナリオもあったが、これらすべてが北朝鮮にはない。中国共産党も韓国左派も米民主党も北朝鮮の崩壊は望んでいない。

また、ルーマニアは軍部が分裂して崩壊したが、そこには反政府運動もあった。これらも北朝鮮にはない。軍部は不穏な動きがなくても粛清されるから、分裂するまでもない。そして北朝鮮は個人崇拝と儒教精神を徹底的に刷り込んだ軍事国家である。批判勢力も反対運動も存在しない。あったら小さい芽のうちに摘み取るか、芽も出ないのに踏み潰す。

ようやく、それに気づいた習近平が「個人崇拝の軍事国家」をつくろうと躍起になっているが、おそらく、あのままなら「崩壊する」のは目に見えていたからだ。だから自国の経済も殺して、人民を閉じ込めてでも無理を通す。ただ個人崇拝はやれても儒教精神は真似できなかった。衆目の中、胡錦涛を排除してしまった。だから間に合うかどうかは不明だが、要するに習近平は「大きな北朝鮮」になろうとしている。実現すれば間違いなく、人類にとっての悪夢になるが、たぶん、その前に「崩壊」する。

しかしながら「崩壊」の前に「暴発」があるかもしれない。ちなみに北朝鮮も「追い詰めすぎると暴発する」とか、日本国内でも左巻きが煩かったが、これも「暴発しない」のではなく「暴発できない」とみる専門家も少なくなかった。理由は「石油がないから」だ。

戦争、紛争を起こすには石油がいる。継続的に戦闘行為を行うとなれば弾薬だけではなく燃料がいる。日本も大東亜戦争で苦労したアレだが、今年の9月7日、ロシア外務省第1アジア局のゲオルギー・ジノビエフ局長はコロナで止まっていた北朝鮮への「原油供給を再開する用意がある」と述べている。国連安保理は1年間を通じて北朝鮮に供給できる原油と精製油をそれぞれ400万バレルと50万バレルに制限しているが(2017年決議2397号)、さて国連の常任理事国にロシアがいたかどうかを失念しないようにしたい。

ホワイトハウスの副報道官などは「経済制裁にてロシアの軍事サプライチェーンを窒息させている」と威張るが、エネルギーを必要としない国は存在しないのも自明だ。売り先は西ヨーロッパや日本だけではないが、もちろん、そんなことは子供でも分かるわけだ。とすればこの先、近い将来、中間選挙直前、非常に不気味な1週間になる可能性はないか。

そして、こんな状況ながら、我が日本国の舵取りは「検討を加速する」とか言う昼行燈なわけだ。マスコミは「Jアラートなんか無意味」と小馬鹿にし、タレントコメンテーターは「地下施設なんかないですよ」と嘲笑う。相変わらずメディアも国会も旧統一協会一色。

そりゃ北朝鮮如きにも舐められるはずだが、朝鮮半島の導火線が燻り始めている今、とても悠長に見ていられないはずだ。




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