昨日は頭痛と発熱に襲われて、フラフラして身体も起こせない感じで一日中臥せっていた。
まるで最近の様々な疲れがドッとでてきて危険信号を発した身体が私の行動を制止したようだ。
睡眠時間を削って仕事をしたり、付き合いで深酒したりと、結構無理することもあるから
ある日突然、こんな風に身体が悲鳴をあげて無理矢理にでも身体を休めようとするのだ。
おかげで、夕方から予定していた弦楽四重奏の練習を休んでしまった。
…忙しい中遠路練習場に集まった他のメンバーには申し訳ない限り…
一晩明けた日曜の今日(8/21)、すっかり夏は去ってしまったかのような肌寒い一日だった。
昨日一日の休養…といっても汗だくで横になっていただけだが…の甲斐あって熱は下がり、
身体中の節々の痛みも消えて気分もよく、心身ともにフワフワと軽くなった感じになった。
…といって大したダイエット効果があったわけではない…
で、何の予定もない一日だったので、午前中はバッハの無伴奏チェロ組曲と読書を楽しみ、
午後は娘のヴァイオリンの先生のお宅まで伺い、そのレッスンに付合ったりした。
娘のヴァイオリンのレッスンンは毎週木曜日で、先生からはお父さんもぜひ見に来てください
と声をかけられてはいるのだが、木曜日は葛飾フィルの練習と重なりそれはかなわぬ話。
が、今日は日曜日だし女房も一緒に来いというので、娘は嫌がったがレッスンに同伴した。
…女房にしてみれば、先生のお宅まで車での道がわからず私を運転手にしたかっただけ…
さて、私自身は先生のお宅に伺うのは実に4年ぶり。
レッスン室は我が家のリビングよりも数倍広い先生のお部屋である。
壁に整然と並んだ本棚には様々な音楽関係書籍と色々な楽譜がギッシリ並んでいる。
レッスン生は、広いこの部屋の中ほどに譜面台を立てて先生に対し斜めに構えて演奏し、
先生は、少し距離を置いた部屋の片隅のご自分の椅子に腰かけてそれをじっくりと見据える。
レッスンには夏休みがあったので、娘が先生にレッスンをみていただくのは1か月振り。
この夏休み中の娘は、陸上部の活動に夢中で、毎週のように陸上競技会やら記録会やらで
とにかく真っ黒に日焼けするまで走り続け、あまりヴァイオリンの練習には熱心でなかった。
…今日、レッスンを受けるだけの練習はちゃんとやれとんかいの?…
音階からアルペジオ、いくつかの課題曲と、とにかくお披露目しなければならない課題を
次々と弾き進めていくが、徐々に練習量の足りなさが露呈されていく・・・。
ポジション・チェンジがスムーズでない。
音程が不安定。
ボウイングの右腕の使い方が不明瞭。
弓を持つ右指の使い方が固い。
先弓の課題なのに中弓によっている。
構えた楽器がだんだん下がってくる。
弦が水平になるように構える。
娘の力量で毎日丁寧に練習していれば、指摘される必要もないような簡単なことが
何度も何度も指摘され続ける。
とりあえずクリアできた課題もあるようだが、私が聴いても「サボってたな」とわかる。
1時間近くのレッスンが終わり次の課題曲もいただいてはみたものの、今日やった課題は、
次のレッスンの時に、再度、先生に聴いていただかねばならないようだ。
女房が言うには、今日は私が見学していたので先生も遠慮気味だったが、普段は手厳しく、
あまり弾けてないと「今日は止めておきましょう」とか、できるまで何度も繰り返すらしい。
今日もそうなるはずの場面はいくらでもあったとのこと。
これから先、娘が本気でヴァイオリンを勉強するつもりなのかどうなのか。
先生のお考えは、本気でやるなら陸上なんてやっている場合ではないというものだが、
今の娘はヴァイオリンより陸上に気持ちが傾いている。
女房は、最近、先生からその取組姿勢についてお叱りを受けることがあったり、
娘があまり熱心に練習しなかったりすると、かなり深刻な調子で私に愚痴ることがある。
まあ、若いうちは色々とやりたいこともあるし、中学入って陸上始めたばかりだから、
しばらくは様子みとったらええやんかとも思う。
子供だって、色々と模索して自分のやりたいことや将来のことを考えていたりするから、
あまり方向性を決めつけてしまうようなことは避けたいと思うのだ。
が、今日のレッスンの状況をみていると、先生が心配されるのもよくわかるし、
女房が娘の姿勢に腹立たしくなるのもよくわかる。
陸上に夢中になるのもいいが、ヴァイオリンが嫌じゃないんだったら課題をこなし、
しっかりと練習を続けて欲しいとも思う。
今の楽器を買い求めたときの娘は、将来ヴァイオリニストになると公言していたこともあり、
本人が本気でその道を目指したいと考えた時に、それが選択肢のひとつにできる状況だけは
なんとか維持してやりたいというのが我々の正直な気持なのだ。
娘のレッスンを見学して、色々と考えさせられた。
今日、私を連れだした女房は、私がそんなことを考えることを期待していたのだろう。
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