GAOの隠れ処「ムンダナ」

都内のアマチュアオーケストラでVnとVaを弾いているGAOの、音楽を中心とした関心事についてのあれこれ

左手のためのフィンランディア賛歌

2009-06-28 21:30:12 | 音楽日記
最近、女房がにわかにシベリウスづいている。
来月下旬、地元のアマチュアオーケストラの定期演奏会にエキストラ出演するのだが、
その演奏会でのプログラムが、どうやらオール・シベリウスらしい。

演奏する曲は、1曲目はアマチュアで演奏するのはかなり珍しい曲だと思うが、
あとの2曲は女房も何度か弾いたことのあるメジャーな曲である。
どの曲も我が家にCDがあるので女房が予習するには不自由はないのだが、
せっかくシベリウスを演奏するのだからと、この機会に様々な曲を聴いているようで、
今日(6/28)は、午後ののんびりしたひと時、一昨日、近所の図書館で借りてきたという
「アイノラ抒情曲集~吉松隆の風景」というCDをリビングで聴いていた。

「アイノラ」とは、言わずと知れた作曲家シベリウスの愛妻“アイノ”に因んだ
ヘルシンキ郊外にある山荘の愛称である。
私のシベリウス好きの友人など、シベリウスの交響曲を中心とした作品を取り上げる
アマチュアオーケストラに所属しており、そのオケの名前はアイノラ交響楽団という。
(だからどうしたというわけでもないが・・・)

で、このCD自体は、北欧作曲家の演奏と、最近では左手のピアニストとして有名な
舘野泉氏のために、作曲家吉松隆氏が作曲・編曲した曲が収められている曲集である。
吉松氏独特の音楽空間がこの曲集には満ちていて、舘野氏の感性も吉松ワールドに
自然に共鳴している感じがして、その演奏も心地よい。
その中に、唯一、編曲ものとしてシベリウスの「フィンランディア賛歌」が入っている。

この演奏がなかなか心にしみいってきた。

勿論、既に有名な旋律で、この曲が持つ歴史的、民族的な意味もよく知られている。
そういう既知の感動的な想いが、旋律を聴いただけで気持ちを高ぶらせてしまうが、
それだけではない。
舘野氏のピアノ演奏は、おじいさんが可愛い孫に昔話を語り聞かせるような口調で、
ただただ淡々と話しているのだけれど、そこに秘めた想いがひしひしと伝わってくる。
私にはそんな感じのする演奏だ。
勿論、フィンランド賛歌の歌詞が、“おおっ、スオミよ立ち上がれ!”と、
圧制支配に屈することなく、自ら祖国の夜明けを切り開いていく民族的決意が
高らかと歌い上げられるものなのであり、クライマックスに向けて盛り上がりを
みせることは言うまでもないが、舘野氏の演奏はそこまでストレートな感じはしない。
それだけに、何やら悟りめいた、静かだが力強い説得力を感じずにはいられない。

この短い曲を聴いたわずかの間にそんなことを感じたが、
これが今日一日ずっと印象に残っていて頭から離れない。

CDの解説書に目をとおすと、左手で演奏するために編曲されているというが、
そういうことは言われればそうかとも思うが、あまり音楽とは関係ない気がした。


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もうひとつの10周年記念会合?

2009-06-25 23:42:47 | 日記
先日(6/12)、10年前のある出来事を祝う10周年記念の会合があったばかりだが、
今日(6/25)も、10年前にある仕事をやり遂げた仲間達が集まった。
ある仕事”というのは、当時の論者をして“国家百年の計”などと言わしめたくらい
大がかりで大変な仕事であった。
当時、約130人くらいの人間が集まった組織でそういう大きな仕事をやったのだが、
自分の貢献度は別として、そのような組織に仕事できたことは得がたい体験だった。
今日の会合は、そのうちの私が所属していたチームのメンバーが集まった。

そして、今日の話題といえば、当然のことながら当時の秘話や苦労話を中心とした、
それぞれの10年間を振返るお話、お約束の近況報告などなど。
また、組織解散以来10年ぶりに再会する者同士や、つかず離れずで10年間日常的に
顔を合わせてきた者同士もいたりするので、思い思いの時空間の話題が飛び交った。

更には、数週間後海外赴任することになっているS1氏からの離日の挨拶や、
いよいよ来年身を固めようかというS2女史からのおめでたい報告なども、
今日の会合に彩を加えることとなった。

さて、我々の仕事の成果を問うというか、しみじみ感慨深いとでもいうのであろうか。
年長格のI氏が、この10年間で我々の仕事が世の中にどのように影響してきたのか、
その間に世間で話題になってきた事柄との関係に言及して挨拶されたのには、
事を起こした当事者の気持ちと、それを契機に発生する事象やその評価との間には、
必ずしも意図が反映されない場合や、思わぬ方向に展開する場合があるということを、
今更のように実感させられ、なんとも複雑な心境を伴った。
夢みていた将来像が、必ずしもそうならないという経験は誰しも覚えがあると思うが、
我々の仕事も、実現した夢と、手を離れた途端に歪められてしまった夢とがある。

あれだけ頑張ったのに・・・。
そう思ってしまう部分もなくはない。

と、まあ、そんなことを思ったのはほんの瞬間で、
今日の会合は、まだ話し足りないくらい、あっという間に終わってしまった。
「また、来年集まろう!」という話はでなかったが、この会合は一昨年もあった。
(前回、私は参加できなかったのだが・・・)
きっと、また数年後に集まることだろう。


全員で記念撮影・・・10年前と相も変わらず楽しい面々

先日(6/12)の10年前のある出来事を祝う10周年記念の会合の時もそうだったが、
思い出話がベースにはなるものの、当時のメンバーが集まるというのは、
その時に抱いていた夢や将来像、それに向けた熱い想いを想起させてくれる。
それは、ちょっと大袈裟かもしれないが、原点に返るきっかでもある。

少し気持ちが若返り、ヤル気がわいてくるような会合だった。


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傘がない

2009-06-15 23:18:53 | 日記
今日(6/15)は、仕事帰りに久しぶりで井上陽水の歌なんぞ口ずさんだりした。

夕方から降っていた強めの雨が、21時頃には一度止んで、道も乾き始めていた。
今日は、傘を家に置いてきたので、今がチャンスとばかりに職場を出た。
大事をとって、すぐ近くの駅から地下鉄に乗ればよかったのに、何を血迷ったか、
女子医大、曙橋、防衛省を経て、JR市ヶ谷駅まで歩くことにした。

それで、曙橋まではよかったのだが、そこからが悲惨であった。
ポツポツと小降りが始まり、防衛省前の歩道にさしかかった頃から、
突然、大粒の土砂降りに変わった。
街路樹の下を誤魔化しながら進むがあまり効果もなく、たちまちずぶ濡れになった。


  ♪ だけども 問題は今日の雨 傘がない


やっとの思いでJR市ヶ谷駅にたどり着くと、私と同じ輩が何人かいた。
ほどなくホームに滑り込んできた総武線の電車にに乗り込んだらひんやり!
車内の冷房がやけに効いていて、これが濡れた身体にはえらく堪えた。
どうして、雨が降るかもしれないのに、わざわざ歩いたりしたんだろう。
なんだか自分が馬鹿に思えて、情けない気持ちになった。


  ♪ つめたい雨が今日は心に浸みる


新小岩の駅に着いても雨は相変わらず激しい。
女房に電話して車で迎えに来てもらうことにした。


  ♪ 行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
    君の家に行かなくちゃ 雨にぬれ


陽水の詩の「君」は、多分、奥さんではないだろうし、
「君の家」も、自分が同居している家ではないだろうから、
このへんの現実が、『傘がない』というようにはいかないところ。

まあ、こんなことがあって、帰宅の道中はずっと、
陽水のこの歌が頭の中で繰り返し流れていたのであった。


・・・んっ?そうでもないな。
御茶ノ水駅あたりでは、
実は、さだまさしの『檸檬』なんかも思い出したりしたな・・・



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液晶かプラズマか、それが問題だ…

2009-06-13 23:03:50 | 日記
先日(6/9)、讃岐の国は観音寺の田舎から親父とお袋が上京してきたのだが、
その際、我が家のテレビをみて説教されてしまった。

我が家とごく親しい人々や子供達の友人達にはすっかり知られていることだが、
ウチのテレビは受信したテレビ放送の画像は映すが、音声がでないのである。
電気屋にみてもらったら、修理してもダメだから新しいのを買いましょうと言う。
それから、もう半年以上になるだろうか・・・?

で、もともと、私も女房もテレビ番組をあまり観ないので、音声がでないなら
別にテレビ観なくても不自由しないし、まっ、いっか。・・・ぐらいに考えていた。
そのうち地デジになるので、いつかは買い換えなきゃいけないし、
少しまとまったお金が貯まったら買うことにするか。・・・と思っていた。

しかし、大人はよくても子供達の場合はそうは問屋が卸さないのである。
音が出ないので、子供達も必然、テレビを点けようとすらしなくなったのだが、
時として、友人達の会話についていけないことがあるというのだ。
テレビ番組の話題になりゃ、そりゃ観てないんだから何もわからんわな。
やや、我が子たちが不憫に思えることもあり、次男坊は中学生になったことだし、
子供達には、夏のボーナスがでたら考えるゾ!と宣言していた。


そこへ上京してきたお袋の説教である。
なんで半年間も壊れたテレビをほったらかしにしとるか!
あんたら大人がよくても子供には観たい番組もあろうに!
友達との会話についていけなくて仲間はずれにされたらどうすね!
グズグズしとらんと、早よ買うてきなさい!

横で聞いている我が子たちは、アサッテのほうを向いて黙っちゃいるが
どうやら笑いをこらえながら無言でおばあちゃんの説教を応援しているようだ。


ということで、今日(6/13)は、近所の家電屋さんにでかけてテレビを物色した。
音声が出なくなったテレビは、1993年の沖縄時代にベスト電器那覇店で購入した
ソニーのトリニトロン21型である。15年以上働いたので十分頑張った。
当時、他社の製品に較べて赤色が鮮やかで美しく感じたので、迷わずこれに決めた。

さて、時代は変わって薄型で大画面が主流である。
長らくブラウン管に慣れ親しんできた私の目には、デジタル大画面はちょっとキツイ。
金額的に1ケタで買い物しようとすると、32型か37型くらいまでである。
だが、いろいろみて回っていると、40型とか46型くらいが適当な大きさに思えてくる。

あまり熱心にあれこれながめていたせいか、頼みもしないのに若い店員が、
親切丁寧にいろいろと教えてくれたり、あの手この手で商品を勧めて来る。

プラズマ画面と液晶画面の動きの違いや、表面の固さ、電力消費量の違いなど、
素人の私にもよくわかるように教えてくれる。
どこのメーカーは何が得意だとか、一番売れているS社は×××で売れているとか、
誰もが知っている常識的な話なのかもしれないが、なかなか面白い話も聞ける。
液晶の画面で倍速処理をし、2倍速、4倍速なんていうのがあると、初めて知って、
最初はうっとうしかったこのあんちゃんも、なかなか勉強しとるやないか。
と、ついつい時間の経つのも忘れて、テレビコーナーを2時間くらいで蹂躙した。
一緒についてきた娘は、かなり疲れていたようだ。

で、だいたい、これにしようかな~というのが固まってきてはいるが、
まだ迷っているのが、液晶にするかプラズマにするかだ。
消費電力的には液晶だろうが、私は映画が好きだしスポーツ観戦も好きなので、
どうやらプラズマのほうが良さそうな感じもする。
かといって、そんなに頻繁にテレビをみるかというと、そうでもない。
普段はせいぜい朝のニュースだろうし、週末になんか観るかな~?・・・
それ以外にも色々考えると、やはりまだ迷ってしまう。

結局、今日はいくつか候補を固めただけで、
実際に購入するのは来週、我が家に置かれるのが再来週って感じかな。
液晶か、プラズマか、それが問題だ。

“To be, or not to be, that is the question.”

一週間考えよう。


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とある10周年の記念会合

2009-06-13 09:48:19 | 日記
昨晩(6/12)は、10年前のある出来事を祝う10周年記念の会合があった。
この出来事に関わった偉い先生方や我が社のOB、先輩諸氏、同僚達が集合し、
10年前の出来事が、その後の世の中においてどのような関わり方をしたのか、
それぞれの10年間に想いをはせながら、感慨もひとしおの話に花が咲いたのだ。

主だったメンバーの挨拶は、やはり10年前には画期的だったその出来事が、
今となってはすっかり常識化して世の中に定着していることを実感しているとか、
反面、その出来事が正当に評価されていない一面のあることを憂えていたりとか、
多分、歴史的な出来事だったに違いないことは皆同様に感じてはいながらも、
今あるその姿は、生みの親の思いから離れてその時々に多様な表情をみせている。

私も、その10年のうちの大半の歳月に、その当事者として身をおいた立場から、
先輩諸氏と共有できる想いや、自分だけの秘かな想いもあり、やはり感慨深い。

う~ん、このわかる人にしかわからないような話。
私にとっては、滅多にお会いすることのできない偉い先生方や大先輩と話しができ、
それだけで、なんとも有難い貴重な会合だった。
ストレートには書けないのが残念だが、いつの間にか世話役の1人になっていた私も、
集まった大先生や大先輩といった方々にとっても、記念碑的なイヴェントであった。
と思う。


全員で記念撮影・・・みる人が見れば物凄い顔ぶれだ

来年も集まろう!
という大先生や大先輩も多いが、毎年では有難味がないという大御所もいらっしゃる。
果たしてどうなることやら。


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明日は葛飾フィルの第37回定期演奏会

2009-06-06 23:57:37 | 葛飾フィルハーモニー管弦楽団

第37回定期演奏会を明日に控え、我々葛飾フィルハーモニー管弦楽団の面々は、
今日(6/6)午後から、会場の“かつしかシンフォニーヒルズ”モーツァルトホールで、
舞台のセッティングや受付周りの準備に入った。



昼過ぎにホールを開け、13:30頃には役員や実行委員が続々と会場入りする。
最初は、明日の開場時から受付窓口でお客様をお迎えすることになる
チケット係や当日券販売係など、実行委員会の面々が集まり、
担当する仕事の手順を確認したり、窓口の設営を始める。

葛飾フィルの場合、預かりチケットや当日券の販売窓口のほかに、
座席指定券と引き換える「チケット引換券」をお持ちのお客様のための窓口と、
区内外から抽選で招待する「ご招待当選ハガキ」をお持ちのお客様のための窓口と、
都合3種類の窓口が設けられているため、お客様が混乱することのないように、
それぞれの窓口が遠くからでもよくわかるように各窓口に案内掲示をしている。

さらに、当日は、開場時間の30分程度前から、お客様の列を整理する係が数名
エントランス前でお客さまをお迎えし、様々なお問い合わせやご相談に対応している。



受付カウンターも早々にセッティングし、窓口で必要となる文具一式や、
演奏会前当日の進行表や楽団員の役割分担表、それに座席表などを備える。
葛飾フィルの演奏会は、以前は全席自由だったが、6年前から全席指定にしており、
チケットに記載された座席番号を座席表で確認してお客様に案内することも、
受付窓口での重要な仕事になっている。

また、明日は、この受付窓口のしごとを、葛飾フィルのサポーターの方々が数人
お手伝いに来てくださるので、その方々が難なくお手伝いしていただけるよう、
役割分担別にやるべきことを説明したメモなども用意している。
こういった細かい段取りは、演奏会実行委員会が中心となって準備を進めているが、
ここ数回は実行委員会でも要となっているK嬢が、段取り良く用意しているので安心だ。



さて、演奏会に向けた準備は受付窓口だけではなく、舞台でも始っている。
オーケストラ演奏に必要な譜面台や椅子、指揮台やら大物楽器は奈落にあるので、
ホールの舞台さんたちが見守る中、せりを奈落まで下ろしてエレベーターよろしく
舞台の上まで持ち上げるのである。
はいはい、危ないから近寄らないでくださいよ~!



で、奈落の底をのぞいてみるとこんな感じ。
地下の楽器庫からハープやコントラバスを持ち込んできている様子が見える。
さらに譜面台や椅子にティンパニをはじめとする打楽器類もここから持ち上げる。
この手の作業に動員されるのは、葛飾フィルの中でも比較的若い男連中である。
といっても、人出が足りなければ私のように40過ぎた輩も一緒に汗かいている。

今回はホールの舞台さん方々もいつもより多くの助っ人が参加。
この4月から“かつしかシンフォニーヒルズ”を管理運営する指定管理者として、
昨年度とは異なる新たな事業者が担当されているが、今回のコンサートが、
我々葛飾フィルとの初顔合わせのコンサートでもあり、不測の事態に備えての
手厚い布陣で臨んでいただいたようである。(感謝感激雨あられ)



奈落から持ち上げた譜面台や椅子、舞台袖から持ち出したひな壇用の板や足などは、
こうして、一旦舞台の前面に並べて、反響板をセットしてから舞台づくりとなる。

今度はセリにティンパニ等の打楽器類を置き、ひな壇最上段として持ち上げて、
金管楽器が横一列に並び、その前に木管後列、さらに木管前列とひな壇を作っていく。

ところで、客席1Fを上った後方に、緑色の非常口案内灯がみえるが、
その扉の向こうはホワイエとなっている。
この舞台セッティング作業に並行して、ホワイエでも別の作業が行われている。



さて、ホワイエでは15:00スタートで、演奏会プログラムに、アンケート用紙や
次回演奏会のお知らせ、かつしかシンフォニーヒルズや他団体の演奏会のチラシを
挟み込み、ペグシル(アンケート記載用の筆記用具)を取付ける作業が行われている。
単純な作業なので、それなりに世間話で盛り上がりながら賑やかにやっている。

この作業は、舞台セッティングと受付周りの準備に回っている楽団員以外は
基本的に全楽団員(必須)で行っている。
つまり、葛飾フィルの定期演奏会は、前日の午後から楽団員の誰かが何らかの
準備作業に従事しており、全員体制で演奏会づくりを行っている。
勿論、土曜日にも仕事を持っている楽団員もいるので、作業に参加できない者は、
別の準備作業や役割を担うことによって何らかの貢献をしている。
・・・アマチュアだし、当たり前といえば当たり前のことではあるが・・・

このチラシ等挟み込み作業であるが、楽団員の他に、チラシを挟み込みたいという
他のアマチュアオーケストラなどの団体からは作業要員を派遣していただいている。

私が葛飾フィルに入団した頃は、他団体からのチラシ挟み込み依頼などほとんどなく、
挟み込むものも、葛飾フィルが用意しているアンケート用紙と楽団員募集のチラシに、
かつしかシンフォニーヒルズから依頼される主催コンサートのチラシ数種類と、
葛飾吹奏楽団、葛飾区民合唱団といった区の姉妹団体のチラシくらいだった。
だから、これらの挟み込み作業も楽団員だけでカバーできていた。
ところが、ここ数年、葛飾フィルの名前も徐々に知られてきているのか、
他団体からのチラシ挟み込み依頼が急増し、その数20団体近くにものぼっており、
楽団員だけの対応では捌ききれなくなってきて、作業要員の派遣をお願いしている。
そうなると、作業にいたずらに時間をかけることもできず、
作業ラインをこれまでの2列から4列に増やすなど、効率アップの工夫をしている。
単純なチラシ挟み込み作業ではあるが、用意周到な段取りが必要なのだ。



おっと、こちらではチケットの整理も始めたようである。
葛飾フィルでは、開場時間前のご来聴者によるホール入口付近の混雑解消の目的と、
早くから並んでいただかなくてもご希望の座席で演奏を聴いていただけるように、
全席指定制をとっている。
(ただし、すみだトリフォニーで開催する次回第38回定期は指定席・自由席の混合だ。)

チケット係のN女史は、楽団員から返却されたチケットや売れ残ったチケットを整理し、
座席表と照合しながら、お客様の希望に応じてすぐさま目的の座席番号が記載された
チケットを取り出せるように規則正しく並べているのである。

明日の受付窓口では、当日券の購入による座席指定チケットの販売窓口と、
「チケット引換券」や「ご招待当選ハガキ」を座席指定券に引き換える窓口とで、
それぞれにその場で座席が指定されることになる。
その際、“葛飾区報”や音楽誌、演奏会情報誌等でのプレゼント抽選に当選した方や
区内の高齢者施設や小中学校への招待に応募してきた方々よりは、やはり入場料を
支払って当日券をお買い求めになる方々のほうが、より良い席が選べることになる。

ご招待の抽選に当選してこられる方の中には、葛飾フィルの演奏会を毎度楽しみに
していただいているお客様が多数いらっしゃっていて嬉しく思うが、
当日、座席指定券に引き換える際、必ずしも希望の席に座れないために
苦情を寄せられる方も少なくない。
残念ながら、演奏会当日に座席指定券と引き換えられる場合には、既に相当数の
指定座席が埋まっていることになるので、ご希望にはそえかねるのである。
そういう方々には、次回から、早めに前売券を購入されることをお勧めしている。

長らくの葛飾フィル・ファンの中には、より良い席で演奏を楽しむために
早くからご希望の座席にチケットをお買い求めてくださる方が徐々に増えてきている。
一方で、当日の受付窓口で無理難題を主張される方もまだまだいらっしゃるので、
受付で対応する楽団員の中には、理解が得られるよう説明するために心を砕き、
自ら演奏するコンサートの前にちょっと辛い思いをすることもある。
一朝一夕には解決しないので、時間をかけてわかっていただくしかない。

ちょっと話がそれたかもしれないが、全席指定制は、ホール前に行列ができて
その整理のために四苦八苦するという苦しみからは解放されたのだが、
演奏会当日に座席指定券を発行するという受付窓口での対応に、
やや感情的なやりとりが発生してしまうという困難を生み出しているのも事実。
端的に言えば、「タダで聴くなら座席までは選べない。希望の席で聴きたいなら
早めにチケットを購入するしかない。」ということをお願いしているのだが、
こういうことが定着するにはもう少し時間がかかるようだ。

チケット係は、そういうことも含めてなかなか悩ましいことをこなしている。



さて、再び舞台セッティングの様子をのぞいてみると、ひな壇が出来上がってきた。
楽団員は、ステージマネージャーとホールの舞台スタッフの指示を受けながら、
ひな壇の板や足を運び、しっかりと組み上げていくのである。
ここまで出来上がったら、あとは演奏者の譜面台と椅子を並べていくだけである。

並べるだけと言っても、それぞれの演奏者から、指揮者やコンサートマスターが
よ~く見えるように微調整しながら並べていくのである。
プロのオーケストラともなると、それぞれの専属のステージマネージャーが、
まさに職人気質的にそのプロフェッショナルな仕事ぶりを発揮するのだそうだが、
まあ、アマチュアの場合、大抵の場合は、“こんな感じかな”的に並べていく。
勿論、アマチュアだからとあなどるなかれ、という人材も多くいるのも事実だが。

葛飾フィルの場合、プロのステージマネージャーに仕事としてのステマネをお願いし、
舞台セッティングに当たっては、楽団員の舞台係O氏が補佐して作業を行っている。
我々は、彼らの指示通りに譜面台や大型楽器などを運び椅子を並べるだけでよく、
これをどのあたりに置けばよいかとか、椅子と椅子の間はこのくらいの感覚か?
などと、あれこれ悩む必要はない。

効率的といえば効率的であるが、私自身はこのことにやや疑問がある。
このままでは、楽団員のなかに、ある程度に皆からの信頼が得られる数人程度の
ステマネ人材が育たないのではないか?また、ノウハウが定着しないのではないか?
ということである。

これまでに、葛飾フィルの多くの先輩諸氏にこの疑問をぶつけてきたが、
一応、ひととおり納得のいく回答をしてくださった先輩楽団員は数人程度であった。
そもそもの経緯、現在の楽団員規模など考えると、当面、現状維持なのだろうが、
一長一短であり、将来的には、色々と考える必要もあると思っている。



そんなことを考えながら別の作業をしているうちに、指揮台もセットされ、
舞台セッティングは微調整の段階に入った。
もう、よほどのことがない限り力仕事も不要なので、ステマネと舞台係を残して、
舞台セッティングを担当した若い男連中はその作業から解放されるのであった。

上から見ると、整然と並んでいる譜面台と椅子だが、楽団員が座って練習が始まると、
座っている姿勢や楽器の構え方などの個人差を要因として、各々が微調整をして、
やや形を変えていくことになる。
しかしながら、そのベースとなった並びは、そこはプロの仕事。
葛飾フィルのホールでの演奏写真は、正面から見ても斜め横や上から見ても、
その舞台上の並び方はちゃんとバランスが取れていてキレイだという評価がある。
素人の我々では、なかなか真似のできないことなんだろう。



ホワイエでのチラシ等の挟み込み作業は、挟み込むチラシも残り少なくなり、
作業のラインも徐々に縮小して、最後に一列を残すのみとなった。
この段階で、他団体から派遣されてきた作業要員の皆さんには解散していただき、
残り十数分は、楽団員のみで作業をおこなうことになる。

今回、他団体からのお手伝いの方々が作業を行った時間は45分程度であった。
私も、他のアマオケの演奏会に際して、自分が所属するオケのチラシを挟み込むため
その作業に参加したことがあるが、その団体数は実数で30団体くらいある。
想定動員数800人くらいから、2,000人規模まで様々な団体の作業に顔を出したが、
ほとんどの団体の作業時間は1時間程度で行われており、今回の45分というのは、
葛飾フィルとしては、結構優秀な結果を出したのではないかと思う。

かつて、プログラム数2,000部超、挟み込みチラシ数30枚超という団体で作業し、
作業完了までの時間が35分という体験をしたことがあるが、やはり作業ラインを
数多く(8ラインくらい)設定し、適切な人数を配置して効率よく作業していた。
一方で、それほどプログラム部数は多くないし、作業要員も十分揃っているのに、
作業ラインが少ないために、渋滞が多発したり、手持ち無沙汰な要員が多くなり、
結果として2時間近くもかかったなんて団体も経験したことがある。

それぞれの団体のカラーや担当者のマネジメント能力や段取りの良し悪しなど、
ほんの1時間足らずの作業に触れることで、そのオーケストラの一面がよくわかる。
たかがチラシはさみ、されどちらしはさみ。・・・である。

チラシ等の挟み込み作業をお手伝いいただいた他団体の方々には、
帰り際に、明日の演奏会の座席指定券との引換券をお渡ししているが、
数人が「明日はぜひ聴きたい」と希望して持ち帰ったものの、多くはそうではない。

アマオケで活動している多くの人達は、他所のアマオケの演奏会もよく聴いている。
と、思いきや、意外にも聴いていないのである。これが。
我が葛飾フィルの多くの楽団員も、どうやらそうらしいのである。
友達でも出演しなければ、聴きに行こうとは思わないのだろうか。
いろいろと理由はあるのだろうけれど、なんか寂しい感じ。
ちなみに、私は、平均すると2月に1度くらいは、他団体の演奏会に足を運ぶ。
勿論、知人が出演する場合、興味のある指揮者やソリストが登場する場合もあるし、
珍しいプログラムを取り上げている演奏会であったりもする。
感心することもあれば、ガッカリすることもある。

良くも悪くも、まずは聴きに行ってみなきゃわからんがな~。



さて、舞台のセッティングも出来上がったようだ。
受付やホワイエでの作業もだいたい収束しており、全体の準備も一段落する。

あとは、ゲネプロまでの間、まだまだ裏方の準備作業を続ける者、一休みする者、
最後の追い込み練習に励む者、夕食がてらしっかり腹ごしらえに出かける者などなど、
思い思いのひと時を過ごすのである。
楽団員のみなさん、準備作業お疲れさまでした。

さあ、ゲネプロ開始は18:00のタクトダウンだ!


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