はちの家造りドタバタ奮闘記(・ω・)

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保険のテラ銭

2015-12-24 13:08:11 | 日記
みなさんこんにちは。

休日は炊事もさぼりがちになりポテチとあたりめで食事を終えたはちです

ズボンがきつくなってきました

さて、今日は保険の支払額からどれだけお客様に支払われているか、のお話し。

保険は「不幸の宝クジ」と言われます。
死亡、事故、病気といった「不幸なくじ」を引くと「当たり」です。
ほかの人たちが払った保険料の中から、保険金という名の懸賞金が支払われます。
宝くじのような公営ギャンブルは国が胴元です。保険の胴元は保険会社ですが、どちらも集めたお金からテラ銭(参加料)を差し引いて儲けています。
このように、保険と公営ギャンブルはたいへん良く似た儲けの構造なのです。

では、保険と公営ギャンブル、どちらのほうのテラ銭が高いのか考えてみましょう。

ギャンブルの中で控除率の一番高いのが宝くじです。
控除率とは支払った金額の中から、いくらテラ銭が取られているかを示す割合です。
宝くじは約55%です。つまり、100円のクジを買えば、55円のテラ銭が国に取られます。
なんとクジ代の半分以上が国に取られてしまう「戻り」の悪いギャンブルです。
競馬や競輪のテラ銭は20~30円でざっと宝くじの半額ですから「戻り」率はよくなります。
しかし、いずれにしてもテラ銭の高いことが公営ギャンブルの特徴です。

では、保険のテラ銭はどのくらいでしょうか。
保険のテラ銭とは、保険会社の手数料に利益を加えたもの、つまり保険会社に残る最終的な取り分として考えてみます。
高いテラ銭を取っていると言われている保障系の保険である損害保険、それと死亡保険、医療保険などの生命保険について見てみましょう。

生保会社は毎年の決算時に「事業費率」を公表しています。
事業費とは保険事業の運営上に必要な経費のことで、新契約の募集、保険料の収納、契約の事務管理などの費用が含まれます。
保険料に対する事業費の割合が「事業費率」になります。大手生保ですと10%台です。
ただ、この中には貯蓄性の保険が多く、また長期間の契約が多いことから、この数値から死亡保険や医療保険のテラ銭を推し測ることができません。

そこで同じ保険業である損害保険会社から類推してみます。
自動車保険や火災保険のように損保契約の多くは一年契約で、しかも掛捨て保険です。
ですから、損保会社の公表する「事業費率」は、損保会社のテラ銭の実態をかなり反映したものになっています。

2014年度の全損保会社の「事業費率」は32.2%でした。
そして、利益などで最終的に損保会社の留保した分が5.5%ですから、これを加えると37.7%となります。
100円の保険料の内、約38円がテラ銭として取られていることになります。
競馬や競輪が20~30円ですから、損害保険のテラ銭はそれよりも高いということです。

生命保険はどうでしょうか。
一般的に生保の方が損保よりも経費が高くなる傾向にあります。
生命保険は売るのが難しい商品であることがその理由です。
自動車保険よりも死亡保険の方が売りにくいことから想像できるように、生保の営業コストは損保よりも高めであると考えられます。
そこで、生保会社のテラ銭は少なくとも損保並みの38円、おそらくはそれ以上、と見当をつけることができます。

このように、損害保険も生命保険(死亡保険や医療保険など)も明らかに競馬、競輪よりも高いテラ銭を取っていることが分かります。
保険商品によっては、宝くじ並みに高いテラ銭を取られているかもしれません。

つまり、保険は公営ギャンブルのように「戻り」の少ない効率の悪い商品である、ということです。
保険に入り続けることは、計算上、競馬、競輪に賭け続けるのと同じであることを意味しています。

では、今後、日本の保険のテラ銭は安くなっていくのでしょうか。

テラ銭を引き下げる最大の圧力は競争原理です。
たとえば、競争のない公営ギャンブルと違い、絶えず競争している街のパチンコ店のテラ銭は10~15円程度と言われています。
公営ギャンブルと比べるとずいぶん安くなります。

それでは、日本よりはるかに競争の激しい米国の状況を見てみましょう。

カジノが立ち並ぶラスベガスでは、テラ銭は平均するとざっと5円程度のようです。
ギャンブルに興じるお客から見て、納得できるギリギリの水準まで引き下げられています。

保険でも米国は競争が熾烈です。
経費をいかに安くするかで競い合っています。経費を切り詰め、その分保険料を安くして価格競争に打ち勝たねば生き残れません。
2012年の米国財務省のデータによると全米損害保険会社の還元率は約75%です。
支払われた100円の保険料の内、75円が保険金や給付金で消費者に還元されたという計算です。
つまり、残りの25円がテラ銭という勘定です。
すでに述べたように日本の損保のテラ銭は38円ですから、米国の方が13円安いことになります。

生命保険の方はよいデータがありません。
ただ、米国でも損害保険と同じ水準か、やや高めであろうと推測することができます。
つまり、25円+アルファです。このように、競争によって保険のテラ銭はここまで安く引き下げられるのです。

それでも、米国の消費者は「保険会社はまだ儲け過ぎている」と批判しています。
たしかに、日本と比べて安いと言っても、まだ25円以上のテラ銭を取っているのです。
消費者の目には、テラ銭を引き下げる経営努力がまだまだ足りないと映るのでしょう。

ただ、どれほど保険会社が頑張っても、ラスベガスのカジノ並みに5円という水準まで引き下げることは難しいでしょう。
これが保険とギャンブルの違いです。
保険はカジノのようにお客が自分から集まってくる商品ではありません。
どうしても一定の営業コストがかかってしまいますから、保険にはどこかに引き下げの限界があるのです。

日本も規制緩和により保険会社間の競争が一層激化しています。
遠からず、米国並みの水準に近づいてくることでしょう。
しかし、依然として保険が高い買い物であり続けることは変わりありません。
それでも、必要な場合はどうしても入らざるを得ないのが保険です。
せめて本当に必要かどうか、よく吟味してから入るようにしたいものです。


長くなりました。

保険は不要論者のはちでした
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