エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 最近、ご朱印集めがマイブーム

月の上の観覧車

2018-03-04 16:03:04 | 
荻原博 著  新潮文庫  平成28年11月10日 8刷


これも短編集。
久しぶりに大人、な本を読んだような気がする(苦笑)
最近、重いテーマや長編小説が全然読めなくて、キャラミス(キャラクターミステリー)みたいなものばかり読んでいるので、ああ、ちゃんとした小説読んだな~って感じ。

ちゃんとした、とか正統派、っていうの何やねん?って言われそうだけど、文章の格やら、情景描写やら。

最初の小説『トンネル鏡』の出だし。

私の故郷は日本海に面した小さな町で、たくさんのトンネルを抜けた先にある。東京から北へ新幹線で一時間ほど走ると、そこから先は線路が山々に潜り、車内には断続的に闇が訪れる。
短い夜と昼を繰り返すように。

ここを読んだだけですごいな~って感じた。

トンネル繋がりなんだけど(笑) 川端康成の『雪国』

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。

ふっと、この冒頭の一節を思い出したぐらい。

8編通して『死』や『孤独』『後悔』のような、ネガティブなものが並んでいてもそれが重苦しくならないギリギリのところで小説の『格』や『品』を保っているように感じた。
同時に買ってきたもう一冊もあるんだけれど、次は、その後に慌てて買いに行った食堂のおばちゃんシリーズを先に読もうと思ってる(笑)






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