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東京グリンツィング シェフブログ

フレンチレストランのシェフが紹介する季節の料理と食材

真鱈のポワレ 蕪のスープ仕立て

2007年02月03日 | メインディッシュ

本日は、旬のお魚料理をご紹介します。

真鱈のポワレ 蕪のスープ仕立てです。

寒い冬の時期になりますと、真鱈を使う機会が多くなります。

鱈の皮は独特の風味がありますのではずし、身の部分をオリーブオイルでじっくりとポワレ(フライパン焼き)にしています。

鱈はお刺身など生では食べられませんが、火を通すと柔らかく繊細な味わいになり、とても美味しいです。

そこで、同じく冬が旬の蕪を組み合わせてみました。

寒くなるにつれて、蕪も甘さが出てきて美味しくなってきます。

そんな蕪を、優しい味わいのスープにして味わっていただきます。

作り方は、ざく切りにした蕪をオリーブオイルで軽く炒めてから、鶏のブイヨンで柔らかく煮込んだ後にミキサーにかけて、ポタージュの様にしています。

旨みやコクもも十分にありますので、クリームや牛乳、バターは必要ないと思います。

その代わりに、香りの良いエキストラバージンオリーブオイルを仕上げにかけています。

淡白な味の真鱈に、穏やかな味の蕪のスープを合わせますと、とても滋味深く美味しいです。

そして更に、蕪の葉の部分をサッとソテーして添えますと、青々しい香りとシャキシャキとした食感が加わり、最後まで飽きずに楽しんでいただけます。

鱈と蕪のとてもシンプルな料理ですが、今回この一皿を考えるにあたっての訳がありました。

理由を言いますと、最近、オリジナリティを意識するあまり、複雑でいたずらに手間のかかる料理が多くなっていました。

その結果、食材のロスが増え、自分達にもお客様にも分かり難い物になります。

今思えば、二人の料理人で作る料理としては、少し無理があったように思います。

「もっと美味しい料理を」と言う気持ちは変わりませんが、方法としてグリンツィングらしくなかったのかもしれません。

まだまだ試行錯誤の段階ですが、自分の中でこの一皿が、シンプルで美味しく合理的な料理のスタイルのきっかけになればと思っています。

 

 

 

 


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