本日は、最近始めましたメインデッシュをご紹介します。
東京X豚バラ肉の煮込み マデラ酒風味です。
東京Xと言う豚肉は、以前にも説明しましたが、肉質が柔らかく脂身もあっさりしているとても美味しい食材です。
今までは、メインデッシュに骨付きロース肉や、前菜の田舎風パテに肩ロース肉を使うだけでしたが、脂身の美味しさを知っていただきたくて、今回は、ばら肉の部位を使っています。
作り方は、塩とスパイスで豚肉を一晩漬け込み、翌日に表面をフライパンで焼いてから、炒めた香味野菜とたっぷりのマデラ酒、白ワイン、フォンドヴォーと共に、低温のオーブンに入れて、じっくりと煮込みます。
金串を刺してみてスッと通るようでしたら火から外して、常温でゆっくりと冷まします。一晩漬けたら漉して、濃度が付くまで煮汁を詰めていきます。
仕上げに、バターとセージの葉を加えてソースの完成です。
バラ肉の方は、一人前を150グラムにカットして、フライパンで焼き色を付けながらローストしています。
付け合わせには、バターの入った滑らかなマッシュポテトを添えています。
お皿にバラ肉とマッシュポテトを盛り付け、ソースをかけてから、黒コショウを挽きます。
ポイントは、煮込んだ後に煮汁に漬けたままゆっくりと冷まして、一度煮汁に出た旨みをお肉に戻す事と、最後にバラ肉をローストして香ばしさを出す事です。
煮込んだお肉を仕上げに焼く方法は珍しいのですが、いつもの煮込み料理と少し変わっていて、面白いと思います。
軟らかい豚肉と甘いマデラ酒の風味、そして、マッシュポテトが混ざり合うと、どこか肉じゃがのような味になります。
和食を意識して作った料理では有りませんが、自然と懐かしい味になってしまいました。
フランス料理を作る上で、自分の中にある日本人としての好みの、どこまで出して良いのかは難しい問題ですが、今はただ、基本に忠実な中で、素直に美味しいと思えるフランス料理を作っていきたいと思っています。