本日は、食べ応えの有るメインデッシュの一皿をご紹介します。
鹿ロース肉のロースト フォワグラソースです。
今回の鹿は、ニュージーランド産のロース肉の部位を使っていますが、グリンツィングでは毎年、北海道の蝦夷鹿や丹波産の物なども使っています。
今の時期はジビエの季節の始まりと言うことも有って、まずは飼育の鹿から味わっていただこうと思いました。
本当のジビエではありませんが、飼育された物ならではの食べやすさが有り、お客様には喜んでいただいています。
味わい的には、赤身の濃い牛肉に近いですが、より脂が少なく血の香りがします。
今回はわかりやすくシンプルに、たっぷりのバターでローストして、香り高く濃厚なフォワグラのソースをかけてみました。
ソースの作り方は、赤ポルト酒と赤ワインを煮詰めたところに、鹿の骨やスジ、香味野菜から取ったダシを加えてさらに煮詰めます。そして仕上げにフォワグラとバターを裏ごして合わせた物を加えて溶かし込み、生クリーム、塩、こしょう、コニャックで味を調えて完成です。
しっかりとした味の濃いソースですので、食べ応えも有りますし、赤ワインとの相性もバッチリです。
付け合せもオーソドックスに、ソテーした野菜と旬の茸を添えています。甘く香ばしい野菜と鹿肉を交互に食べていただくと、より美味しく最後まで楽しめると思います。
ジビエ料理では特に、古典的な調理法やソースの大切さや素晴らしさを感じます。
それと同時に、今と言う時代に生きる限りは、常に変化する嗜好や流行を感じながら料理も作らなければいけないと思っています。現に沢山の料理人がフランス、日本に限らず今を表現して、素晴らしい料理を生み出しています。
自分としても、勿論今の料理に満足はしていませんが。しかし、今出来る事として、古典的な料理や基本的な物事の先に、求めている美味しさや悦びが有るのではないかと信じています。