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東京グリンツィング シェフブログ

フレンチレストランのシェフが紹介する季節の料理と食材

パイナップルのラビオリ仕立て ココナッツのアイスクリーム添え

2006年08月17日 | デザート

本日は、夏にピッタリのデザートをご紹介します。

パイナップルのラビオリ仕立て ココナッツのアイスクリーム添えです。

イメージ的には、カクテルのピニャ・コラーダをデザートにアレンジしてみました。

南国のフルーツのパイナップルとマンゴー、パッションフルーツにココナッツの組み合わせは、いかにも夏らしいと思います。

ラビオリ仕立てにしたのは、フランス修行時代に作っていたデザートからのアイデアです。

そのラビオリの中身ですが、バニラ風味のカスタードクリームにグラニュー糖とバターで一緒にソテーしたパイナップルを混ぜて、ラム酒で香りを付けた物です。

パイナップルは、バニラやシナモン、クローブなどのスパイスとぺルノー酒風味のシロップでコンポートにして薄くスライスしています。

ソースは、パッションフルーツとマンゴーのピューレにグラニュー糖で甘さを調節してパッションフルーツの種を加えています。

そして、白ワインのゼリーとココナッツのアイスクリームを添えています。

見た目にはシンプルですが、この一皿の中にはバニラやシナモン、クローブ、ラム酒、白ワイン、ぺルノー酒、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴー、ココナッツ、ミントと、とても沢山の香りと味で構成されています。

素材そのままの風味を、ストレートに味わう料理も美味しいですが、この様に沢山の個性が集まった料理も、色々な味や香りが口の中で混ざり合い、シンプルとは違う美味しさを感じる事が出来て、楽しいと思います。

料理には、色んなスタイルや美味しさが有りますが、今に満足することなく自分らしい味を研究していきたいです。 


白桃のブランマンジェ

2006年07月29日 | デザート

本日は、サッパリとした冷たいデザートをご紹介します。

白桃のブランマンジェです。

白桃は、夏になると毎年必ず新作のデザートを考える位に、大好きな食材です。瑞々しくて蜜のように甘く、色合いもピンク色でとても綺麗です。しかし、何といっても魅力的なのは、独特のあまい香りです。調理する時に鼻を近づけると、とても幸せな香りがします。

冷たく冷やしてそのまま食べる方法が一番かもしれませんが、せっかくのレストランの食事ですので、家では味わえない方法で食べて頂きたいと思います。

まず、グラスの下の白い部分ですが、桃のリキュール(クレームドペーシュ)で香りを付けたブランマンジェです。ブランマンジェとはフランス語で白い食べ物と言う意味です。

よく見かける形として、プリン型で作った物にアングレーズソース(バニラ風味のカスタードソース)などをかけたものや、アーモンドやココナッツ風味の物などがありますが、今回は、ガラスのグラスに流し込んで作ってみました。少し形を変えただけで、お洒落な感じになりますし、プリン型で作った時のように型から外すときの崩れる心配もありませんので便利です。

その上に、レモンの香りを付けた薄いシロップで、サッとコンポート(シロップ煮)にした白桃をのせます。そして、白ワインとミント風味のゆるいゼリーを被せて、最後にミントの葉を飾ります。

最初に白桃とミントの相性の良さから始まり、ブランマンジェと組み合わせる事で、デザートらしいリッチな味わいになるように考えました。

作り方も見た目もシンプルですが、白桃をそのまま食べた美味しさを、形を変えて味わって頂きたいと思っています。


温かいチョコレートケーキ

2006年07月14日 | デザート

本日は、定番のデザートをご紹介します。

スプーンを入れると中からチョコレートが、とろけ出る温かいチョコレートケーキです。

暑い夏には、少々重い気もするのですが、フランス料理の王道として、チョコレートのデザートは、欠かせません。

数年前に流行して以来、いろいろなレストランで作られている一皿です。

とても満足度が高く、特に食後酒との相性は抜群です。チョコレートといえば、焼いておくガトーショコラが一般的ですが、この焼きたてのケーキは、温かい事で香りも際立ち、よりお酒との相性が良くなると思います。

材料にもこだわり、フランス ヴァローナ社の二種類のチョコレートをブレンドして、一緒に添えるバニラアイスクリームにも、タヒチ産のバニラビーンズをたっぷり使っています。この組み合わせも定番ですが、斬新な組み合わせよりも、素材の良さが伝わる気がします。

皆さん食事の後は、さっぱりした物を、と言われますが、たまには食後酒と共にチョコレートのデザートを食べながら、ゆっくりとレストランを楽しむのは如何でしょうか。

この一皿を、そんな気持ちで作っています。