20110311 memo

Fukushima radiation isotope

■memo / 島津製作所  食品放射能検査装置 測定時間5秒 検出限界20Bq/kg

2012-05-22 | 日記
島津製作所、スクリーニング検査を米袋1袋あたり5秒で可能な食品放射能検査装置を発売

食品放射能検査装置 FOODSEYE を発売



 ※製品画像は添付の関連資料を参照

 株式会社 島津製作所(社長:中本 晃、京都市中京区)は、2月より福島県二本松市において進めてきた「食品放射能検査装置FOODSEYE(フーズアイ)」の実証試験を終了し、試作機に改良を加えた新製品として5月22日より販売を開始します。
 本装置は、医療画像診断用PET装置の技術を応用し、食品衛生法の新基準値に対応したスクリーニング検査を米袋1袋あたり5秒で行うことを可能にした製品です。検査時間5秒での測定下限値は20Bq/kg以下、15秒では10Bq/kg以下を達成しています(装置の技術的特長については3月5日発表プレスリリース(http://www.shimadzu.co.jp/news/press/miq5fd00000011p2.html)をご参照)。
 装置が実際に使用される環境での性能を確かめるため、2月中旬に試作機を用いた実証試験を開始し、米袋のべ約16,000回の測定を行い精度の実証を続けてきました。
 実証試験で得られた結果をもとに、実用に即した改良を試作機に加えることによって、全袋検査に対応可能な高速・高精度な装置として発売します。
 米袋を運搬するための補助を行うハンドクレーンなどと組み合わせることで、作業者の負荷を軽減した効率的かつ迅速な測定が可能です。タッチパネルによるシンプルな操作性のほか、米袋にQRコードなどを添付する等、トレーサビリティに配慮した拡張性を有しているのが特長です。
 本製品は当社子会社の島津メディカルシステムズが福島県、宮城県ほか、東日本の各地に拠点をおいてサービスを行うと共に、本体をネットワークで接続してオンラインで装置の状態診断を行うなど、きめ細かなサポート体制で現地のニーズに対応します。


【実証試験の結果】
 (1)ゲルマニウム半導体検出器と同レベルの高精度測定を実現
   30検体以上の様々なセシウム濃度の米袋を5秒、10秒、15秒等と測定時間を変えて、計約16,000回、測定を行いました。また測定した値を、当社子会社の株式会社島津テクノリサーチでゲルマニウム半導体検出器を用いて精密測定した値と比較・検証し、ほぼ一致する結果が得られました。

   〔FOODSEYE 5秒検査(100回測定)とゲルマニウム半導体検査(1500秒)の比較〕

    ※グラフ資料は添付の関連資料「グラフ資料」を参照

   同じ米袋を5秒で100回測定し、ゲルマニウム半導体検出器で1500秒測定した値とのばらつきを計測した結果、1)平均値はゲルマニウム半導体検出器の測定値とほぼ一致 2)100回測定でも測定値の差は、最大で21Bq/kg という結果が得られました。


 (2)スクリーニングレベル70Bq/kgを確認
   基準値100Bq/kgの場合は5秒測定で70Bq/kg、基準値50Bq/kgの場合は15秒測定で30Bq/kgのスクリーニングレベルを達成しています。
   スクリーニングレベルとは基準値未満であるか、基準値を超えている可能性があるかを判定する数値で、この測定値を境にして○×の判定を行います。同じ基準値で比べた場合、この数値が高いと測定装置の精度が良い(誤差が小さい)ということを意味します。
   「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」では、スクリーニングレベルは基準値の1/2以上、すなわち基準値100Bq/kgに対して50Bq/kg以上を測定装置の性能要件としています。これに対し本製品は実証試験を通じて、70Bq/kgのスクリーニングレベルを実現しており、基準値以下であるかどうかを迅速かつ高精度に測定するというスクリーニング検査の目的を達成するために充分な性能を備えています。


 (3)1時間あたり平均300袋の測定を確認
   実際の全袋検査を想定した大量模擬測定を行った結果、1袋あたり5秒の測定で、1時間あたり、平均300袋、最高では400袋の検査が可能であることを確認しました。1分間で約5袋~7袋の検査が可能ですので、大量の米袋を迅速に測定することができます。

   〔全袋検査模擬実験の模様(4月26日、みちのく安達農業協同組合 旧渋川倉庫にて)〕

    ※動画はhttp://www.shimadzu.co.jp/news/press/miq5fd00000014y4.htmlを参照

   米袋専用スクリーニング装置としての充分な性能を確認し、このたび発売すると共に、今後は大豆、もみ、ぬか、水や果物、土壌など他の食品等の測定への適用可能性についても検証を続ける予定です。


名称:食品放射能検査装置FOODSEYE(フーズアイ)
寸法:幅2750×奥行1365×高さ1805mm
質量:1570kg(本体1470kg+コンベア100kg)
設置環境:使用温度範囲  0~45℃
       使用湿度範囲  ~90%(結露なきこと)
性能:検出限界:5.0Bq/kg以下(225秒測定)
    測定下限値:20Bq/kg以下(5秒測定)・・・基準値100Bq/kgに対応可
             10Bq/kg以下(15秒測定)・・・基準値50Bq/kgに対応可
             (空間線量0.5μSv/h、室温20℃の環境下にて)
価格:2,000万円
納入開始:8月

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